2025年1月2日木曜日

メルボルン滞在記 ②ビーチと美術館へ

 オーストラリアの物価の高さは現地に住む日本人の友人や、ここ数年同国を訪れたママ友たちが口を揃えて言っていることです。家族4人でファストフード店に行くとハンバーガーと飲み物だけですぐ5千円になるとか、レストランではパスタでも2,3千円ぐらいだとか。で、今回はキッチン付きのホテルにしました。

 幸いなことにホテルの近くにスーパーがありましたので、初日の夜にパンやハム、チーズ、果物などを買って、冷蔵庫に入れました。

 メルボルン2日目(26日)はランチ用にハムとチーズのサンドウイッチを作り、前日食べたイチゴのパックを洗って乾かし、それに詰めました。 

 行ったのは、カラフルな小屋が海岸沿いに並ぶ風景が有名な「ブライトンビーチ」です。泳ぐのが大好きな中1の息子は大喜び。その日は35度を超える暑さでしたが、湿気がないため過ごしやすく、海水も冷たくて気持ち良く、札幌の夏を思い出しました。

海岸沿いにカラフルな小屋が建つブライトンビーチ

海岸を歩く娘と息子。お揃いの東京オリンピック・チームジャパンのTシャツを着て

 数時間をビーチで過ごし、持参したランチを食べた後は電車「トラム」に乗って、中心街に戻りました。ホテルに帰る途中、「ビクトリア国立美術館」に立ち寄りました。ここでは、日本人アーチストの草間彌生さんの大規模回顧展が開かれていました。

 

草間彌生回顧展が開かれていたビクトリア国立美術館

 オーストラリアでの草間さんの人気は大変高く、美術館は人で一杯。皆、大型モニュメントの前で記念写真を撮っており、改めて草間さんの人気を実感しました。というのも、これまでオーストラリア人と話すと「Yayoi Kusama」の名前が出てくることが多く、日本よりオーストラリアでの知名度がずっと高いことに驚いていたのです。国立美術館の前には沢山の木があるのですが、すべての木の幹が草間さんのデザインである水玉模様の布で覆われており、美術館の力の入れようにも驚くばかり。

人気のモニュメント

 

ビクトリア国立美術館の前の木はすべて、草間彌生さんのデザインの布で覆われていた

 個人的には草間さんの作品を美しいと感じることはなく、また、アートを専攻する娘も「あまり好きではないの」と言うので、回顧展には寄らずに常設展のみ鑑賞しました。十分楽しめました。

 常設展を堪能した後、美術館の前で自撮りの記念写真を撮っていると、娘の知り合いの男子大学生に会いました。オーストラリア人と日本人のハーフで、娘より2学年先輩で音楽(作曲)の専攻だそうです。それは爽やかな青年で、娘が「写真撮ってくれますか?」と頼むと快くシャッターを押してくれました。そして、息子を見て、「君にそっくりだね。双子?」と聞いてきました。

 息子は黒縁のメガネをかけているのですが、普段メガネをかけない娘もたまたまその日黒縁のメガネをかけていました。息子はこの夏ぐんと背が伸びて(おそらく170㌢近くあります)、183㌢の娘に近づいてきましたので双子に見えたのかもしれません。私は常々、本来だったら双子だった娘に申し訳ない気持ちを持っており、また、天国にいる息子のこともいつも想っていますので、この青年の言葉にドキッとしました。

 中1の息子はこの1年でぐんと成長し、風貌も性格も大人びています。逆に娘は体は大きいですが、心が純粋で子どものような無邪気さがあります。また、2人は7歳の年齢差があるにも関わらず、とても仲が良く、いつも手をつないで歩き、じゃれ合っています。その2人の姿が、天国の息子が生きて生まれて育っていれば娘とこんな風に仲良くしていただろうという私の想像とだんだん一致してきています。

 でも、天国の息子と今目の前にいる息子は別人で、目の前の息子は天国の息子の生まれ変わりでは決してないーと自分自身に言い聞かせています。息子の死産を受け止められず、この世にもう一度生まれてきてくれるなら、自分の命を差し出してもいいとまで思い詰めた私に、天は死産の7年後に息子を授けてくれた。でも、息子をこの世に無事迎え入れた瞬間から、私は今私が抱いている息子は天国の息子の生まれ変わりではなく、別個の人間なのだと自分に言い聞かせなければならなかった。なぜなら、息子は誰かの代わりではないからです。メルボルンで出会った青年のひと言でずいぶん考えさせられました。

 さて、26日は各スーパーがアルコールの販売を再開する日でした。美術館からホテルに戻る途中にスーパーに寄り、夫は赤ワインのカベルネ・ソーヴィニオンを、私は白ワインのソーヴィニオン・ブランを買いました。夕食用にはピザやサラダを購入。ホテルに戻り、オーブンでピザを焼き、家族でのんびりと過ごしたのでした。

メルボルン2日目の夜はピザとサラダ



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