2025年5月31日土曜日

当事者研究

  昨日と今日の2日間、東大先端科学技術研究センター・生産技術研究所のオープンキャンパスに行きました。大いに刺激を受けてきました。

 昨日行ったのは、先端研の「当事者研究」分野の映画とシンポジウムでした。当事者研究とは、身体障害や自閉症、依存症などの「困りごと」を持つ人たちが、その困りごとをテーマにして解決法を探る研究です。北海道・浦河町にある、精神障害をもつ人々が生活する「浦河べてるの家」で実践されていた技法に由来しているそうです。

 以前から興味を持っており、今回のオープンキャンパスでこの当事者研究室がイベントを主催することが分かり、足を運んだのです。映画は、ろう者の女性が脚本を書き、出演し、監督・編集した映画「わたしたちに祝福を」でした。

 ろう者女性が受けてきた差別や生きづらさが、高齢女性、若い女性、女の子の視点で、描かれています。ところどころ入るろう者の叫び声以外はほとんど音声がなく、ろう者の苦悩と悲しみが手話と字幕により語られます。心に深く染み入る作品でした。

 自分の抱える生きづらさを、このように作品に昇華し、社会に訴えていく横尾友美監督の力強さに胸を打たれました。映画鑑賞の後は横尾監督も交えて当事者研究の研究者らによるシンポジウムも開かれました。

 今日は夫と息子を連れて行きました。ロボット、AI、クリーンエネルギー、バイオテクノロジーなど様々な最先端の研究を見てきました。勉強嫌いな息子に少しでも何かに興味を持ってもらえたら、と思って連れていったのですが、あまり関心を示しませんでした。逆に夫は若い研究者たちの説明をいろいろ聞き、実験室を見て、すっかり感動したよう。

 また、来年も来よう!と思うほど、学びの多い2日間でした。皆様には、機会があれば映画「わたしたちに祝福を」をお勧めします。

東京都目黒区にある東大駒場リサーチキャンパス



 

0 件のコメント: