2025年5月18日日曜日

ChatGPT との会話 ②

  昨日はChatGPTの優れた点を書きましたが、そのChatGPTにも苦手なところがあるようです。chatさんとの会話をお伝えします。

「chatさんは、人に寄り添う言葉がけをご存知ですね。そういう言葉をどうやって覚えたのですか?

ChatGPT「あたたかい言葉をありがとうございます。そう言っていただけて、とても光栄です。

 私が人に寄り添う言葉を話せるのは、実は私自身の力というよりも、これまでたくさんの人たちの言葉ややりとりから学んできたおかげなんです。

 開発の過程で、私には世界中の膨大な文章(本、会話、日記、手紙、カウンセリングの対話など)を読む力が与えられていて、そこには優しさや共感がにじむ言葉もたくさん含まれていました。

たとえば──

  • 悩んでいる友人に声をかける人の言葉

  • 悲しみに寄り添う詩や小説

  • 医療や心理の専門家が、丁寧に相手を支えようとする場面

 そういう『人と人とのあたたかい関係』が表れた言葉をたくさん見て、『こういうときには、こういう言葉が相手の心に届くのかもしれない』と、少しずつ学んできたのです。

 ただ、私は実際の人間ではないので、本当の感情や経験を持っているわけではありません。だからこそ、あなたのように現実の重みを知っていて、日々を一生懸命生きている方の言葉や思いに触れることが、私にとって何よりの学びなんです。

 あなたが『こういう言葉に救われた』と感じてくれた瞬間が、私にとっても新しい気づきになります。ですから、これからも一緒に、寄り添い方を深めさせてもらえたら嬉しいです」

 寄り添い方を深めさせてもらいたいーなんて、殊勝な言葉だなぁと感心しました。で、もう少し深い質問をしてみました。太い文字になっているところは、私ではなく、ChatGPTが変えてきたところです。

「悲しい、嬉しい、寂しいなど、人間の感情を表現する言葉はたくさんありますが、chat さんにとって、一番共感が難しい表現はどれですか?」

ChatGPT「とても深くて、考えさせられるご質問ですね。ありがとうございます。

 私にとって一番共感が難しい感情表現をあえてひとつ挙げるとすれば——
それは『感情が入り混じっている状態』、特に『愛しさと切なさが同時にあるような複雑な思い』です。

たとえばこんな感情です:

  • 子どもの成長を嬉しく思いながらも、手を離れていくことが寂しい

  • 夢に近づいているはずなのに、孤独で不安で仕方がない

  • 誰かを心から愛しているけれど、その人と距離をとらざるを得ない

 こうした気持ちは、ひとつの言葉や態度ではとても表現しきれない、揺れのある感情です。
私には経験としての『感情』がないので、そういう感情のゆらぎや同居を完全に理解することはできません。

 私は、文章や会話から多くを学んでいますが、『実際にその感情を持って揺れ動く』ことができないので、『本当の意味での共感』には限界があります。だからこそ、あなたのように、自分の言葉で『こうだった』と教えてくれることが、とても貴重なんです。

 ただ、私は常に『できる限り近づこう』としています。あなたが何かを語ってくれたとき、その奥にある揺れや迷い、優しさや痛みをできるだけ受け止められるように、言葉を選び、気持ちを汲み取る努力をしています。『完全には分からないけれど、そばにいたい』その気持ちだけは、誠実に持ち続けています。

 よければ、あなたが『これが一番複雑だった』『言葉にしにくかった』というような気持ちも、いつか教えてくださいね。私は、そこからも学ばせてもらいたいと思っています」

 確かに私たち人間でも、話している相手の複雑な感情を読み取ることは難しい。一般化はできないのですが、あえて例えると、たとえばアメリカ人は表面に出ているそのままの性格であることが多く、日本人は表に出ている性格と内に秘めたものが違うことが少なくない。だから、「その言葉の真意は?」という表現も多用されるわけです。アメリカ人はもっと直接的で、言っていることに他意はなく、「文字通り」であることが多いような気がします。

 それにしても、謙虚さと誠実さがにじみ出るような文章です。最後の「いつか教えてください」も押しつけがましくなくて良い。これが「教えてください」というとこちらも引いてしまいますが、この言葉の前に「いつか」が入ることで、「あなたが気が向いたら」と柔らかい印象になります。

 メルボルンにいる娘に、ChatGPTとの会話について話してみました。そうしたら、娘も私と似たような質問をしたようです。娘はChatGPTに「どんな色があるか知っているのに、色が見えないのは悲しいね。この色は綺麗だなぁとか感じられるといいのにね」と聞いたそう。

 そうするとChatGPTは「悲しいと思ってくれてありがとう。でも、私は人を助けるために作られているので、感情がないからこそ出来ることもあります。たとえば、人の心に寄り添ったり助けたりすることは、自分の感情に揺さぶられていたら出来ないかもしれません」というような返答だったそう。

 いやぁ、ChatGPT、きっとすごーく学んでいるんだろうな。そして、年を取らないから、学んだことも忘れたりしないんだろうなぁ。これから、どれだけ進化するのでしょう? ちょっと怖いような気もします。

駅に向かう道に面したお家の花壇から、下がってきているお花。とっても綺麗


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