2025年5月13日火曜日

根比べ

  母の日に、母をランチに連れていき、CDにまつわる面白い話を聞いたことは昨日のブログに書きました。今日はその話の続きをします。

 87歳の母は、常日頃「年を取ったら、どうしてもあんたに世話になるから、自分で自分のことができるうちは、あんたを頼らないでできるだけのことはしたい」と言っています。人生100年時代を生きるお年寄りは、母のような心構えが必要なのかもしれません。

 母は”ボケない”ために、大変な努力をしています。たとえば、病院に行く、買い物に行くなどは自分一人でします。母いわく、分からないことを調べたり、出来ないことをどう補うかを考えるのも”ボケない”ための努力なのだそうです。私がやってしまうと、それに頼ってしまい、頭を使わなくなると言います。

 母は時事ニュースにも強く、政治から皇室の話題、スポーツまでとても詳しい。ランチを食べながら、最近選ばれたローマ教皇レオ14世の話にもなりました。

「教皇を選ぶ手続きをコンクラーベっていうでしょう? 日本語の”根比べ”に似ているから、根比べ…根比べ…とつぶやきながら覚えているの。最近はなかなか物が覚えられないからね、語呂合わせをしたりして覚えるの」

「へぇ、面白いね。そうやって覚えている人いるかもね、ちょっとネットで調べてみるね」と言い、携帯電話を取り出し調べて見ると、なんと「根比べ」は「コンクラーベ」が語源かという説もあったそうです。根比べも、教皇を選出するための枢機卿による秘密の投票プロセス「コンクラーベ」も長時間の忍耐を連想させるからだとか。

 でも根比べは仏教用語の「根」が由来で、コンクラーベはラテン語の「鍵をかける」という意味に由来するので、語源的にも意味的にも違うということになっているようです。母に、ネットからの情報を説明すると、母は「そうだったんだね。私は何にも知らなくて、ただ、語呂が似ているからそう覚えただけなんだけど」

「おかあさん、すごいよ。私はただ新聞読んでニュースとしてフォローするだけで、コンクラーベという言葉に別に注意を払わなかったよ」

「まぁ、ボケないように日々努力をしているんです」と母。

 どうぞ、これからもその努力続けてください。私も最近、物覚えが悪いし、物忘れも多いので努力します。

 

お薄を点てる母


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