昨年末、娘の大学があるオーストラリア・メルボルンに向かう飛行機の中で、映画を観ました。最近はアクションものもミステリーも観たくなく、恋愛ものもあまり興味がありません。で、ジャンルで言うと「ドラマ」を観るのですが、選ぶときは観た後で後悔しないよう慎重になります。で、慎重に選んで観た「TOUCH」がとても良かった。先日、偶然この本を書店で見つけて買い、すぐ読了しました。
本も映画も、高齢のアイスランド人の男性が母国で経営するレストランを閉店するところから始まります。そこから、現在と過去が行き来し、彼がどのような人生を歩んできたか、が丹念に描かれます。
彼は若いころ、ロンドンに住み、有名な大学に通っていましたが、大学での学びに疑問を持ち、退学をして日本料理店で皿洗いのアルバイトをします。彼はその店の日本人店主の娘と恋に落ちるのですが、ある日、店主とその娘が忽然と姿を消します。
その男性は理由が分からないまま、祖国アイスランドに戻り、家庭を持ちます。が、晩年になってもう一度その女性に会うために、日本へ向かいます。50年の月日を経て初めて、店主と娘が姿を消した理由を知ることになります。
人の人生について深く考えさせられるとともに、私たちが忘れていはいけない事実も改めて認識させられます。また、ラストのシーンも味わいがあり、心が温まります。
アイスランドはあまり日本に馴染みのない国ですが、皆さんにこの映画と本をぜひ、お勧めしたい。この本は、アイスランドでベストセラーになったそうです。
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