2025年2月11日火曜日

スーパーボウル

  アメリカ発祥のスポーツ・アメリカンフットボール。アメリカでは大変人気です。日本に住んで23年経つ夫もアメフトだけはフォローをしており、昨日開かれた第59回スーパーボウルも、朝からしっかりテレビで観戦していました。

  NFL(National Football League)公式サイト日本語版によりますと、スーパーボウルはNFLのチャンピオンチームを決める優勝決定戦。NFLはAFC (American Football Conference)とNFC(National Football Conference)で構成され、それぞれのプレイオフを勝ち抜いたチームがスーパーボウルを戦います。開かれるのは例年2月第1週の日曜日ですので、時差がある日本では月曜日の朝に放映されます。

 留学して間もないころ、寮のルームメートが大学のチームの試合を見に行って帰ってきて、興奮気味に言った言葉を鮮明に覚えています。彼女が言った言葉は「We won!」(私たちは勝った!)。"Our Team" ではなく、”We"。「私たちは勝った」というシンプルな一言に、チームと一体となって応援している様子が表現されています。

 こんなに年月が経ってもその一言を覚えていますので、彼女の興奮ぶりとこの「We」の使い方はとても印象に残るものだったのでしょう。

 また、夫は4人兄弟ですが、義母から「アメフトだけは絶対に駄目」と禁じられていたのだそうです。ですので、夫も夫の兄も選んだのはバスケットボール。すぐ下の弟は演劇、一番下の弟は歌です。アメフトは怪我をして打ち所が悪いと、半身不随なるほどの危険さをはらんだスポーツですので義母の言うことももっともです。

 以前、夫と一緒にテレビ観戦していたときに、試合中に怪我をした選手が病院に運ばれたのですが、アナウンサーが試合の合間にその選手が首から下が動かなくなると報告していました。こんな酷なことをテレビであっさり伝えるなんて…と胸が痛くなりました。その記憶も鮮明で、選手のその後の人生を考えると胸が苦しくなります。大変な苦しみを背負われた選手が、良い人生を歩んでいることを願わずにはいられません。

 さて、私は夫の横の机で論文書きをしていましたが、ずいぶんコマーシャルが多いなぁというのが印象。夫に聞くと、「試合の間に入れるコマーシャルの価格、すごく高いんだよ」とのことおそらく、大多数の国民が観ているでしょうから、企業としてはこれ以上の宣伝はないでしょう。久しぶりに見たコマーシャルもとってもアメリカっぽくて(大げさで、明るい)、あぁ、アメリカだなぁと思いました(なんか変な表現ですが)。

 スーパーボウルを垣間見て、アメリカに関する様々な記憶が蘇ってきました。その記憶は陽と陰の差が大きく、色合いが濃く、頭の中で主張し合い落ち着きません。

 やっぱり、日本の地味な色合いの、輪郭がぼやけた記憶のほうがいいなぁと思ったりします。

 夫は観戦終了後、すぐに仕事に戻っていました。以前はスーパーボウルの日は休みを取って観戦して、特別感があったのですが、今は通常の日のひとコマになりました。かくいう私は試合を横目で見ただけで、頭の中でアメリカでの様々な記憶が交錯し、落ち着くのに少し時間を要しました。スーパーボウルはそういう意味でもやっぱり、アメリカを象徴するスポーツなのですね。

 

 

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