2025年2月6日木曜日

心が洗われる日 

  本当に、心が洗われます。月に一度の地元公立小学校での絵本の読み聞かせの時間です。今日は一年生のクラスを担当しました。

 一昨日、手持ちの絵本の中から冬の本二冊を選び、昨日、娘に聞いてもらいました。両方の本とも子供たちが小さいころに読んだ本で、娘も内容を覚えていますが、改めて聞いてもらうのです。

 一冊目はお友達ができないと泣く子ネズミと、泣くのことが嫌いな金魚のお話「ふゆのはなさいた」(アリス館)。もう一冊はお母さんからはぐれてしまったオオカミの子が、シロクマのお母さんに時に厳しくそして愛情いっぱいに育てられるお話「あなたがおおきくなるひまで」(岩崎書店)です。

 二冊を読み聞かせた後、娘に感想を聞きました。

「明日は一年生なの。どちらがいいと思う?」

「私は、子ネズミと金魚の絵本が好き。私も小さいころお友達ができなくて悩んだことがあるから、とっても共感できるの」

「そうなんだね。お友達が自分を嫌いなんだって勘違いして泣く子ネズミ、可愛いよね。気が強い金魚が実は寂しがり屋のところもいい」

「うん。それに一年生だったら、オオカミの子とシロクマのお母さんの本はちょっと難しいかもしれない。ほら、違うお母さんに育ててもらったオオカミが、自分が大きくなったらシロクマの子を同じように育ててあげるっていう、なんていうか、愛の話でしょう。いい話なんだけど、一年生に分かるかなぁ?」

「確かに。お友達が出来ずに悩んだ子ネズミが金魚とお友達になる話のほうが分かりやすいし、心に届くかもね」

「うん」

 ということで、「ふゆのはなさいた」に決まりました。


 そして、今日。一年二組の教室に入ると、子供たちが元気いっぱい「おはようございます!よろしくお願いします!」と挨拶してくれます。

「おはようございます! 今日は『ふゆのはなさいた』という本を読みます。後ろに座っている人、見えますか?」

「見えま~す」

「はーい。では、始めます。『はじめての冬をむかえたこねずみが、池の水になみだをぽちゃんとおとしました。するとー。『なくのはやめてよ』池の中から声がしました…」

 そのページにはまだ金魚が出てきません。すると…。

「えー、何だろう?」

「魚?」

「鳥かなぁ?」

 あー、一年生、本当に可愛い。この一瞬、一瞬が愛おしくてたまらない。その後も、一ページ読むごとに可愛らしい反応があり、私はたっぷりと間を取って、子供たちを見渡し、その間を楽しませてもらいます。

 読み終えると、先生が、「では、皆さん、ご挨拶してください」。日直の子が言います。

「姿勢を正して」。おおっ、さすが、日本の子供たち、偉いぞ!

 私も姿勢を正します。

「ありがとうございました」と子供たちが大きな声でお礼を言ってくれます。

「ありがとうございました」。私もお礼を言います。

 すると、前に座っていた子が私に話しかけてくれました。

「何年生のお母さん?」

「卒業生のお母さんだよ。今ね、中学校1年生なの。去年までここにいたんだよ」

「そうなんだぁ」

 在校生のお母さんによる絵本の読み聞かせボランティアグループでは、卒業生のお母さんたちも引き続き、「卒業生ユニット」として活動に参加させてもらえます。こういう、素敵な時間をもらえることに心から感謝です。

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