2020年3月7日土曜日

新型コロナ・休校5日目 夫と喧嘩

「君、ストレスが溜まっているみたいだから、ランチでも行かないか? 夕食でもいいよ」。子どもたちの臨時休校5日目の3月6日金曜日の朝、夫が私を食事に誘ってくれました。どうも、在宅勤務のようです。でも、私の頭には大きなクエスチョンマークがともりました。連日、新型コロナウイルスの感染拡大がニュースで報告されているのに、2人で外食?

「子どもたちは在宅学習をしているんだよ。勉強も運動もさせないといけないし、ランチも作らなけばならないの。今日、家で仕事をするなら、子どもたちを見てほしい」と返しました。子どもたちと一緒にいるのは楽しいですが、様々なことがはかどりません。気を遣ってくれるなら、外食ではなく、時間が欲しい。

夫がキレました。
「君は僕の質問に答えていない。食事に誘ったのに、君の答えは子どもたちを見てくれということだ。もういいよ」
「どうして、怒るの? 子どもたちは毎日家にいるのよ。コロナで、お友達とも遊べない。人がたくさんいるところにだって行けない。行けるところは風通しの良い公園ぐらい。ランチに行くなら、家族で行きたい。子どもたちを連れて」

夫の怒りは収まりません。「何で、僕が安倍さんに振り回されなければならないんだ? 彼が最初にきちんと対策を打てば、全国一斉の休校になんてならなかったんだよ。いったい、どれだけの親が迷惑していると思っているんだ!」
 
こうなったら、終わりです。夫婦の喧嘩に政治の話題が入ってくると、言い合いは収拾がつかなくなるのです。私は安倍首相を特に支持はしてませんが、外国人に文句は言われたくありません。互いの国の「内政不干渉」。このルールを守らなければ、国際結婚は成り立ちません。私はその場を離れ、子どもたちが勉強するダイニングに戻りました。娘が言います。

「なんで、ママ、ダディとランチ行かないの?せっかく誘ってくれたのに」
「この時期に子どもたちを置いて外食なんかしたくないの」
「ママ。私9年生なんだよ。弟だって小2なの。ちゃんと留守番できるよ」
「行くのなら、家族で行きたい」
「ママ~」

娘に諭されましたが、気持ちはダウンしたまま。それは夫も同じでしょう。夫はそのまま寝室で電話会議、私も2階の仕事場へ。子どもたちはいつになく静かに1階のダイニングで勉強を始めました。2時間目に、息子が2階に上がってきました。

「ママ、2時間目は生活だよ。どうしたらいい?」
息子のこういう真っすぐさが救いです。
「お部屋片付けたら? クローゼットの中はどう? ごちゃごちゃと物が一杯詰まっているから」
「あそこはごちゃごちゃがいいんだ」
「じゃあ、ちょっとだけでも片付けなさい」
「わかった、ちょっとね」
そう言って、息子は屋根裏部屋に消えていきました。

しばらくしてから息子が持ってきたのは砂の塊。中に恐竜の骨のレプリカが入っていて、それを掘る遊びです。プレゼントでもらって途中まで掘って、クローゼットに仕舞い忘れていたのでしょう。「生活」の時間は何とかこれで、つぶせそうです。息子は私の机の横でトントンと骨を掘り始めました。

さて、2時間目が終わって、息子と一緒に下に降りていくとちょうど夫が娘と話しているところでした。
「ランチどうする? 皆で食べに行こう」
「私、担々麺」と娘。
「えっ、あの中華料理屋さん、空気がこもっているから駄目だよ。北海道ラーメンにしよう」と私。
「僕も担々麺がいい」と息子。
「ママとこの前、北海道ラーメン食べたらとても美味しかったから、今度子どもたちを連れて来ようと話していたんだ。行ってみないか?」と夫。
いつものように、あっという間に機嫌が直っています。後に引かないところが、夫の良いところです。

時間割通りに勉強する娘は、お昼とその後の休み時間を合わせて1時間10分しかないというので、急いで隣駅の「北海道らーめん」店に向かいました。店の前には2人しか並んでいないので、間に合いそうです。注文したのは、前回と同じく厚さ1センチのチャーシューが入った「札幌ラーメン」。ずるずると麺をすすりながら、家族の会話も弾みます。

「この麺がいいんだよ」と夫。
「僕はスープが好き」と息子。
「このチャーシュー、めっちゃ美味しい!」と娘。
「やっぱり、ラーメンは札幌ラーメンだよ」と私。


帰宅後、息子が初めてインターネットを使った授業に参加しました。週に1度行っている英語学校が、教室に行かないで学ぶ方法を取り入れてくれたのです。事前に親にメールがあり、授業が始まる前にパソコンでセッティングするように指示がありました。息子は授業の15分も前からパソコンの前に座って、待っています。”おねぇねぇ”と同じように、パソコンで勉強することに気持ちがワクワクしているのでしょう。


授業が始まりのぞいてみると、先生やお友達が画面でお話しし、息子もちゃんと発言しています。英語学校は2時間。こういうのは本当に助かります。

そうこうするうちに夕方になりました。娘が一人でジョギングへ。夫は夕食の準備をしてくれています。しばらくすると、娘から綺麗な写真がメールで送られてきました。近くにある川まで走っていったようです。


この日の夕食のメニューは、つくね、焼き鳥、焼き野菜とニラ入り卵焼きという私の大好きな”居酒屋風メニュー”でした。朝は大げんかになりましたが、夜は美味しい料理を食べながら、楽しく過ごせました。夫なりの方法で、私に気を遣ってくれたのですね。

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