2020年3月18日水曜日

ショック! 英「ローラアシュレイ」経営破綻

 ファッション・生活雑貨を手掛けるイギリスの「ローラアシュレイ」が経営破綻したことが18日、報じられました。以前からの経営悪化に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大による販売環境の悪化が追い打ちをかけたそうです。一つの時代が終わったと思えるほど、私にとってはショックでした。

 私が最初にローラアシュレイの店に行ったのはもう二十数年前のことです。当時、新聞記者として働いていた私は1カ月の有給休暇を取得し、イギリスの地方紙で研修を受けていました。研修の内容は町を取材し、新聞に記事を書かせてもらうこと。休みには散策したり、骨とう品店や古本屋さんをのぞいたりしました。そのときに初めてローラアシュレイの店に行ったのです。

 店の中の生活雑貨はため息が出るほど素敵でした。深い緑色のビロードの生地で作られたクッションに目が留まりました。購入したかったのですが、かさばるために断念。帰国後もそのクッションが忘れられず、いつごろか忘れましたが、ローラアシュレイの商品を少しずつ買い始めたのです。

 イギリスのカントリーライフに憧れていた私は、家中をローラアシュレイの美しい花柄の生活雑貨で揃えることを夢見ました。ボーナスが入ると、タオルやバスマットを買いました。次にベッドカバーやシーツ、クッションを揃えました。結婚して娘が生まれてから中古の家を買ったときは、居間や寝室用にカーテンをオーダーしました。娘の部屋は勉強机と本棚、ベッドカバーとシーツ、カーテンまですべてローラアシュレイで揃えました。写真立て、ランチマット、コースター、クリスマスの飾りなどの生活雑貨もそろえました。そして息子の出産時にいただいたお祝いのお返しもローラアシュレイのタオルにしたほど、このブランドが好きでした。

 2018年にローラアシュレイとライセンス契約を結んでいたイオンが契約を終了し、日本から突然店舗がなくなったときは、とてもショックでした。が、イギリスにあるので、いずれ、また戻ってくると期待していました。

 今日、母を交えて家族でランチを食べるために駅で待ち合わせしたときは、開口一番、この話をしました。母も朝のニュースを見ていました。
「あの花柄に固執し過ぎて、時代のニーズに合っていなかったという話だよ。お揃いのポーチ、大事にしなきゃって思ったわ」と母。

 私は経営破綻にショックを受けてセンチメンタルな気分になり、理由など考えませんでした。さすが、情報通の母です。母が数年前、私にプレゼントしてくれたお揃いのポーチをそれぞれのバッグから取り出し、記念に写真を写しました。


 「本当にショックだね」と言いつつ、気を取り直して向かったのは、もちろん「北海道ラーメン」店です。日々、憂鬱なことショックなことなどいろいろありますが、沈んでばかりいられません。美味しいものを食べて、元気を出さなきゃ、です。何せ、この新型コロナウイルス感染がいつ終息するのか見通しが立たないのですから。

店の壁に掛けられたメニュー。「函館って塩だった?」と母としばらくラーメン談義
私と夫、子供たちは厚さ1センチの特製チャーシュー付き「札幌味噌ラーメン」、母はあっさりとした「旭川醤油ラーメン」を頼みました。「美味しいね」を連発しながら、食べました。

右下と向かいが札幌味噌ラーメン、左が母が注文した旭川醤油ラーメン
さて、夕方のニュースで日本での独占輸入販売権とライセンス権を持つ伊藤忠商事が日本でローラアシュレイのブランドを引き続き展開していくこと、アパレル大手のワールドも今夏から東京などに出店していくことが報じられました。経営破綻した会社のライセンスをどうして外国で展開できるのか、など仕組みが分かりませんでしたが、とりあえず夏まで待ってみようと思ったのでした。

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