2023年12月5日火曜日

手術成功

  昨日、内視鏡による手術を受けました。腫瘍は2センチのみだったようで、それを取り切ってもらいました。今日は水が解禁となりました。今、窓に向かってベッドテーブルを移動し、こうしてブログを書いています。

   入院してたった3日ですが、内視鏡とはいえ手術をし、絶食をすれば、ベッドに起きているのが億劫になります。ブログ執筆も休み休みです。夫から頻繁にメールがあり、娘が合格をいただいた大学への入学金の支払いや、リフォーム業者とのやり取りなど、次々と用事を済ませている報告があります。日本語が得意ではない夫も、私が不在ならば自分でするしかなく、文句を言いながらも、やってくれます。感謝するとともに、健康で日々の用事を足せる夫を羨ましくも思います。

 病気と共に生きるということは、健康であれば出来るはずのことも出来ないもどかしさ、病気により失ってしまった時間を惜しむ気持ちにも折り合いをつけながら生きるということです。私は30代から40代までをいくつかの病気で何度も入院治療し、回復に時間がかかったため、「人生で最も充実し、かつ再スタートも切れるその時期に」と残念に思う気持ちを強く抱いてきました。でも、50代は健康でしたし、今回は短い入院です。また、すぐに普通の生活に戻れることに感謝です。

 今回、息子が「ママが安全に手術を受けられますように」と、寝るときにいつも一緒にいるぬいぐるみを2つ貸してくれました。

 一つは「ベア・ジュニア」です。このクマのぬいぐるみは、息子の出産祝いにと関西に住む友人からいただだいたものと同じぬいぐるみです。「ベア」と名付けた最初のぬいぐるみがいないと息子が寝なく、また、どこにでも連れていくので、なくしたら大変なことになるーと1、2年後に同じぬいぐるみを買いました。

 ところが、息子は「ベア・ジュニア」と名付けられたこのぬいぐるみには見向きもせず、私は長い間、心を痛めていました。ノーベル賞作家のカズオ・イシグロが「わたしを離さないで」という作品で、人に臓器を提供する目的で育てられている子供たちの世界を描いていますが、たとえぬいぐるみであっても、私がベア・ジュニアにしたことはこれと同じことなのではないかーと思い、ベアの代わりを買ったことを随分後悔していました。

 そのため、ベア・ジュニアのことはいつも気にして、息子のベッドから落ちていても、必ず、ベッドに戻していましたし、時々抱き締めてましたし、家族に「私が急に入院ということになったら、このベア・ジュニアを持ってきてね」と伝えていました。

 ところが、息子が10歳になったころ、急にこのベア・ジュニアも一緒に可愛がり始めたのです。寝るときはこの2つのぬいぐるみと一緒に寝るようになりました。「ベア・ジュニア良かったね」と、私も救われた気持ちになりました。

 今回、「ママにベアを貸してあげる」と言ったときに、最初に渡してくれたのは「ベア」でした。で、「ありがとう。でも、本当にベアでいいの?」と聞くと、ベアとベア・ジュニアを抱いて、納得して貸してくれたのがベア・ジュニア。いずれにしても、息子が大事なぬいぐるみを貸してくれて、嬉しかった。

 もう一つのぬいぐるみは「海ちゃん」です。海ちゃんは、昨年、娘と息子と一緒に行った水族館で買ってあげたもの。これも息子が大事にしているぬいぐるみです。

息子が貸してくれたベア・ジュニアと海ちゃん

 この2つのぬいぐるみを枕の横に置いて、私は癒されながら寝ています。

 

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