9月9日、息子と夫と私は東京に、娘はメルボルンに戻りました。それからはそれぞれ仕事や勉強に励んでいます。
帰国の翌日、娘から手紙が届きました。メルボルンからの初めての手紙です。実は私、7月から時々、娘にハガキを送っています。夏でしたので、アサガオ、スイカ、花火、ヒマワリ、風鈴、蛍などの絵が描かれたハガキを買い、そこに短い文章を添えました。
娘はとても喜んでくれ、そして、今回、返事をくれたのです。その手紙を読んで、娘の成長を感じました。大学2年生(20歳)の娘の文章は瑞々しく、そして、思慮深い。娘は英語が母語ですが、このように美しい日本語を書ける子に育ってくれて、嬉しいです。
「ママへ
今日は朝の授業の後、スタジオで絵を描いてきたよ。燃えるような赤い砂と土に、少し青色を混ぜることで、異世界的な雰囲気を出しました。
最近は描いている絵のような砂漠にいる気分です。いつまでも続く砂の世界を1人で歩いている気分。ひとりぼっちで寂しいし、終わりがないようで絶望的。でも、あまりに静かで広いので平穏(禅)な気分でもあり、時間が止まったような感覚があって、素敵な場所だなあ、私も自分の絵に入り込んで、そんな静かでいつまでも時間も砂もある様な所に行きたいなぁと思います。
きっとそこに行けば、焦らず悩んで悲しんで考えて、夢を見る時間が沢山あるんだろうな、と思ったり。たぶん今の私の心には、この世界は速すぎるんだと思う。もっとゆっくり焦らず時間をかけて人生を生きたいなと思う。
まぁ、これは全部空想の世界の話で、世の中と同じペースで走るために変わらなければいけないのは私だから、文句を言ったところでその事実は変わらないけれど、叶わない願いだから、「夢」って言うんだよね。
今の私にできるのは、その叶わない願いを絵にして描くこと。その絵を見て『いいなぁ』と思うこと。自分の心が欲しいと叫んでいるものを描ける手と絵の具と想像力がある私はラッキーだなと思います。
きっと心が欲しいと言っている願いを心に閉じ込めたままの人は沢山いると思うから、気持ちを絵にできる自分に生まれて良かったと感じる。
なんだか、ポエムっっぽいこと書いちゃったけど、私は昔からロマンチストなの。許してね。
ママも私と同じような気持ちになることはある?
結婚式で会えるのを楽しみにしています。
大好きだよ ♥」
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