2025年4月25日金曜日

母を相撲に連れていく

  87歳の母を先日、相撲の地方巡業に連れていきました。母は相撲の大ファン。この日ばかりは、手足のしびれも忘れて観戦していました。

 開かれたのは区の体育館です。回覧板でたまたまこの地方巡業のチケット販売の案内チラシが入っており、事前に2枚購入していたのでした。

 母に、何十回と聞かされてきた、母が北海道の「むかわ町役場」に勤めていた20代のころの話。祖父が大の相撲好きで、相撲の本場所が始まると一緒にテレビ観戦するために、終業のベルが鳴ると同時に役場を出て、走って帰ったそうです。

「おじいちゃんはね、私と相撲を観るのを何よりも楽しみにしていたの。私も、終業のベルが鳴るのを今か今かと待っていたものだわ」

 区の体育館の外には「相撲のぼり旗」が何本も立っており、私と母が着いたころにはちょうど外のキッチンカーに観客らがお弁当を買うために並んでいるところでした。若い力士たちも並んでおり、それを見た母の気分は一気に盛り上がります。

    体育館では、ちょうど力士たちが外に出てきて、ファンたちにサインをしたり、握手をしたりしていたところでした。力士たちは子供たちにもお年寄りにもそれは優しく接してくれていました。

 私たちの席は「マス席」で、土俵が良く見える場所でした。外国人も沢山来ていて、相撲の人気の高さがうかがえました。


    中入りの前に、力士たちが東と西に分かれて並んで土俵入りするのですが、母はその前にトイレに行ってしまい、他のおばあちゃんが力士たちと写真を写していたのを見て、私も慌てて母を探しに行きました。人がごった返す中、ようやく母を見つけ、「お相撲さんが近くにいるから、一緒に写真を写そう!」と言うと、母は「いま、●●にも●●にもタッチしてきたから大丈夫だよ」と満面に笑みを浮かべています。さすが、我が母です。チャンスは逃しません。

 力士たちの取り組みも、綱締めも、それはダイナミックで、母は大喜びでした。体のあちこちが弱ってきていますが、元気なうちに母の好きなことをさせてあげたい。今度は本場所に連れて行こうと思っています。

 




 



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