2021年1月3日日曜日

コロナ対応 サンフランシスコでは

 昨年は、ビデオ会議システム「ズーム」などを活用した在宅勤務が広がり、プライベートでは”オンライン飲み会”を楽しんだ方も多かったのではないでしょうか。私も取材や打ち合わせ、また、友人たちとのおしゃべりにも活用させてもらいました。本当に便利な世の中です。

 昨日2日は、サンフランシスコ在住の夫の友人とズームで話しました。彼は私たちの結婚式にも来てくれ、それ以来、ずっと家族ぐるみで親しくしています。数年前にサンフランシスコに行ったときは家に家族で一泊させてもらい、ロサンジェルスに夫の両親と行ったときは、一緒に数日間を過ごしました。夫だけでなく、私や夫の両親にとっても大切な友達なのです。

 元旦のブログでも少し触れましたが、彼は婚活アプリで台湾在住の女性と知り合い、結婚しました。奥さんは台湾からサンフランシスコに移住し、とても幸せに暮らしています。二人とも私たちと同世代。婚活アプリで知り合い、国境を越えた奥さんの勇気には脱帽ですが、彼はとても人柄が良いので、私にとってはまだ信頼できかねる婚活アプリも、利用者にとっては出会いのきっかけに過ぎないのかもしれません。

 さて、ユーモアのセンスが抜群の彼はいつものようにおもしろい話をあれこれ聞かせてくれましたが、新型コロナの話になるとちょっと怒っていました。政府に対してではありません、一般の人々に対してです。

「トランプとか州政府とか、そりゃあ、不満はあるよ。でもさ、それよりも、マスクなしで出歩くアメリカ人には本当に困っているんだ。昨日のニュースでは、『おれたちには、誰も命令できない。おれたちにはマスクをしない権利がある』と抗議している様子が映し出されていた。教会での大晦日の集いでは、マスクなしで大声で歌っていた。僕はアメリカ人だけど、このアメリカ人の自分勝手な振る舞いにうんざりなんだ」

 さらに続けます。「アメリカは世界で一番感染者も死者も多いんだよ。そんな中で、マスクをしない権利も何もないだろう。本当にアメリカ人の”権利”を主張する態度はどうにもならない。こういう危機的な状況で、どうして感染を防ぐ小さな努力をできないんだろう。どうして、社会のためにという考えができないんだろう」

 彼が指摘している点については、私も夫も同感です。夫も常々、「アメリカは僕が生まれ育った国だけど、自己主張の強さと他者を考えない振る舞い、人種間の諍いや緊張関係が嫌いだ」と言っています。

 アメリカに住む日本人女性とアメリカ人男性の夫婦では、外出時にマスクをせずに帰宅後も手を洗わない夫と、なぜマスクをする・手を洗うという当たり前の、最低限の感染対策を出来ないのか、という妻の間で夫婦喧嘩になっているという話も知り合いから聞きました。価値観というか危機感が共有できない国際結婚はこういう点で大変です。

 「マスクをしないのは低所得者が多いメキシコ系アメリカ人や黒人だという印象があるかもしれないけど、違うんだ。彼らはきちんとマスクをしている。マスクの仕方がちょっと違うなぁというのはたまに見かけるけど。マスクをしない権利なんて騒ぐのは、決まって愚かな白人なんだよ」と言います。

 とにかく自衛しなければ、と在宅勤務を続け、最低限の外出しかしないそうです。奥さんは福祉関係の仕事をしているので出勤しなければならないそうですが、とにかく人を避けて暮らしているようです。日本では少なくとも皆マスクをしていますし、公共の場や店頭にあるアルコール消毒も、当然のようにしています。時折、それらを無視した無謀な振る舞いをする人の話がニュースで出ることもありますが、ほんの一部で、日常的に見かけることはありません。そういう意味でコロナの感染が収まらない今、日本に住んでいることはとてもラッキーだと言えるでしょう。

米ジョンズ・ホプキンズ大の新型コロナウイルス感染者数・死亡者数を表すHP上の画面

 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると1月3日午前10時半現在、世界の新型コロナウイルスの累計感染者は約8千4百万人。アメリカでは2千万人を超え、死者数は35万人に迫る勢いです。彼の住むカリフォルニア州の累計感染者は国内で一番多く約237万人、死者数はニューヨーク州、テキサス州に次いで多い2万6千人に上ります。

 とにかく、このまま彼と奥さんが感染しないように祈るばかりです。 

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