2023年8月8日火曜日

義母からの贈り物

  ハワイで一緒に休日を過ごしている義父母は今年84歳になります。2人はミシガン州アンナーバーで出会いました。義父が法科大学院の学生で、義母が看護師として働いていたときです。

 義父母は友人の紹介で知り合ったそうです。2人が出会ったとき義父が学生だったため、義母に「ビールを奢ってもらった」と懐かしそう話してくれたことがあります。義父は苦学して弁護士になった後、義母と結婚し、義母にこう聞いたそうです。

 「沢山お金を稼いで家にあまりいられない夫と、収入はそこそこだけど家庭の時間を大切にする夫とどちらがいい?」

 義母は迷いなく、家庭での時間を大切にする夫になってほしいーと答えたそうです。義父はそれを忠実に守り、朝出勤し、毎日きちんと夕方に帰宅する夫になりました。2人は4人の男児に恵まれ、お互い協力し合って子育てをしたそうです。

 義父を会社に、子どもたちを学校に送り出した後、義母は掃除・洗濯と夕食の支度をして午後3時に介護施設へ出勤。午後5時過ぎに義父が帰宅して、義母が準備をした食事を作り子どもたちと夕食をとる。義母は、午後11時に仕事を終えて帰宅する。そんな暮らしを63歳まで続けて、老後をのんびり過ごすため、仕事を辞めました。

 昨日のブログに私が書いた、義父母がシカゴの家のデッキでくつろいでいた光景は、義母が午後11時に帰宅し、待っていた義父が義母に水割りを作って、二人でデッキの椅子に座って話をしていたときの想い出です。

 その後ろ姿を見て、「この両親に育てられた子どもなら、家庭を大切にする夫になるだろう」と考えました。後に夫に結婚を申し込まれたとき、決め手となったのは義父母の仲の良さでした。結婚に幻想を抱いていなかった当時の私は、夫が好きで結婚を決めたというよりは、夫の両親を判断規準に、結婚を決めたのです。

 義父母も年を重ね、数年前から、様々なものを手放し始めました。今年は、とても大切にしていた別荘も売却しました。夫にも、折々に夫が小さいときのころの想い出の品を送ってくれます。夫が前回シカゴに戻ったときは、別荘に置いてあった飾りなどを持ち帰ってきました。そして、今回、私にお土産として、とても素敵なものをくれたのです。

 それは、義母の祖母が作ったというキルトの布団カバーでした。「私の祖母はね、古着を小さく切って、一枚一枚手縫いでキルトを作ったの。今でも、布を縫っていた祖母のことを思い出す。ずっと大切にしてきたこのキルトを、あなたに持っていてほしいと思って」

 私は、代々家に伝わる古いものを引き継ぐという話が大好き。こうして、義母がずっと大切にしてきたものを私に引き継いでくれることを、とても光栄に、有難く思いました。

義母から引き継いだ、義母の祖母のキルト

 このブログで何度も書きましたが、私は子どもたちの服が捨てられません。60の手習いでキルトを習って、子どもたちの服でキルトを作ってみようかな? それを子どもたちに引き継ぐのもいいな、そんなことを考えました。また、新しい目標が出来ました。

0 件のコメント: