2024年1月4日木曜日

娘の絵を家に~マイヤーギャラリー②

  2月にオーストラリアの大学に入学する娘の専攻はアート。小さいころから絵が得意で、私たちも娘の絵を額装しては、家の中に飾っていました。

 高校時代は2年間かけて「家族」をテーマに作品を作りました。これはその作品集の中で、一番大きな絵。縦1㍍横1.8㍍あります。タイトルは「アンディ」。赤ちゃんを抱いているのは私です。私の周りには女性たちが涙を流して、私に寄り添っています。私が抱いているのは、娘の双子の弟です。

   私は娘と息子を緊急帝王切開で出産・死産しました。手術台の上に横たわった私は、泣きながら、生きている娘と死んでいる息子を何度も交互に胸に抱きました。この絵を見ると、そのときのこと、そして、息子の遺骨が入った小さな骨壺を抱き締めて泣き続けた日々を思い出します。

 この絵は最初、夫が寝室に飾ろうと提案してきました。大きな絵ですので、広い壁面が必要ですが、我が家にそのような壁があるのは3カ所だけ。1カ所はエアコンの下なので、水滴が落ちる可能性があるので除外しました。あと2カ所は寝室と階段の壁。寝室に飾ると、私自身の気持ちが塞いでしまう予感がして、階段の壁に飾ることにしました。

 絵は額装をして、リフォーム会社さんに絵を下げるレールも設置してもらいました。絵の色落ちを防ぐために、窓の遮光フィルターも張ってもらいました。

 この絵で、娘はアンディへの思いを描き切ったのではないかーと私は受け止めています。2年間かけてこの絵を仕上げた娘。この絵には、観る人の心を揺さぶる、圧倒的な力があると思います。

 家族を描き切って、日本の外に飛び出していく娘。娘が残してくれた絵を日々眺めながら、次にどのような絵を描くのか楽しみにしたいと思います。

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