2024年1月14日日曜日

息子の中学校入試始まる

  今日は、中学校受験をする息子の最初の試験日でした。先日、このブログで報告した、九州の中高一貫校の首都圏で行われる入試です。

 東京都内と神奈川県の学校の試験は2月1日に始まりますので、そちらの学校を目標とする子供たちの多くは、1月に試験日を設ける千葉・埼玉県などの学校で力試しをします。自分が行きたい学校と同等のレベルを受験する子もいれば、比較的入りやすい学校を受ける子もいます。

 息子が受験したのは入りやすいとされる学校。でも、息子の場合はどの学校もチャレンジングですので、気は抜けません。時間に余裕を持って準備し、受験票と筆記用具などリュックサックの中の持ち物を再確認して、家を出ました。

 電車に乗り込むと、息子がリュックサックから算数の問題集を取り出し、問題を解き始めました。

「えっ、いま? これまで3年間勉強する時間たっぷりあったのに? 昨日だって、注意されるまでユーチューブ見てたじゃない?」

 なんか、面白いなぁと息子を眺めました。息子なりに緊張しているのでしょう。電車の中で問題集を広げる息子の姿を見るなんて、これが最初で最後かもと思い、記念にとスマホでパチリ。


「ママぁ、やめてくれる?」

「だって、電車の中で勉強するなんて初めてだから、記録に残さなきゃ」

 ほどなく、受験会場の最寄り駅に着きました。試験会場は私立大学の校舎です。そこへ行く道すがら、わたしは、首都圏の中学受験が何たるかを知ることになりました。

 歩道を埋め尽くすような人数の親子がその受験会場に向かって歩いています。首都圏から最も遠い県の中学校にこれだけの子が受験するのか、と仰天しました。おそらく、ほとんどの子供が力試しでしょう。

 合格をいただいても行かない学校の試験を受けること自体が、その学校に対して失礼だと考え躊躇した私がナイーブでした。遠方の学校の首都圏入試では、本番の試験前に力試しをしたい受験生と首都圏の大学の校舎を借りて入学予定のない大量の子供たちを受験させたい理由を持つ学校と、両方の思惑が一致しているのですね。受験料をちゃんと払っているので、遠慮なんていらなかったのです。

 それにしても、これだけの人数の子供が受験して、合否判定はどう出すのでしょう?

 この学校はWeb上での申請時に「専願」か「併願」か、聞いてきました。ですので、この学校だけ受ける子にまず合格を出すのは、わかります。で、それ以外に合格を出しても入学しないと考えられる子供たちへの合否の判定はどうするのでしょう?

 シンプルに点数だとは思いますが、不合格を多く出すと、次年度からは「あそこは不合格も少なからず出すので、力試し受験には勧めない」ということになりそうですので、沢山の受験生を集めることに重きをおく学校はおそらく、かなり低い点数を設定するでしょう。でも、実際に入学する学生が、募集人数をぐんと上回る可能性もありますので判断は簡単ではないような気がします。

 会場へ向かう途中、息子がぽつりと言いました。

「僕のクラスで何人かが、埼玉県の●●●を受けたんだ。で、1人落ちたんだよね。落ち込んでいた」

 そうだろうな、と思いました。塾が、まずは合格をいただいて子供に自信をつけさせようと受けさせた、学校に落ちる。これは、かなり子供や親を動揺させるだろうと想像しました。塾側も、親も、どうやって子供の気持ちを立て直すのでしょう。

 先日、塾で開かれた保護者会で、塾長が「希望していた学校に合格をいただいて、それは喜んで塾に来て報告をしてくれるお子さんがいます。私たちも大変嬉しいのですが、まだ他の子供たちが試験を受けている間は、できるだけお電話で報告をお願いします。私たち講師は、落ちた子の対応に全力を注ぎたいので」と仰っていました。とても、共感しました。

 さて、試験会場に着くと、子供たちが続々と校舎のほうに向かって歩いていきます。一緒に行こうとした親に、案内係の人が「こちらからは受験生のみ入っていただきます」と注意しています。親の方に何度も振り返り手を振る子。まっすぐ、走っていく子。そして、我が息子はこちらを振り返ることもなく、スタスタと歩いて行きました。

 息子を見送ってから、私は駅前にあるミスタードーナッツへ。8時の開店前に並ぶ、同じように子供が終わるまで待つのであろうお父さんお母さんたちの後ろに並びました。開店と同時に店内に入り、ドーナツ2個とコーヒーを注文。息子が終わるまでの3時間をそこで過ごさせてもらいました。論文書きが進んでいないので、パソコンと資料を持っていきましたが、全く手が付けられませんでした。

 午前11時、校舎の前で、たくさんのお父さんお母さんたちと一緒に息子を待ちました。息子がこちらに駆けてきました。

「お疲れ様。どうだった?」

「国語はまぁまぁ。算数は割とできたよ」

「そう、頑張ったね。お昼ご飯ここで食べる?」

「うん!」

 息子と私は駅から続く商店街に向かい、「ここがいい」と息子が選んだラーメン店に入りました。息子は担々麺、私は味噌ラーメンを注文しました。試験前の少し緊張気味だった表情とは打って変わって、息子はリラックスした表情で美味しそうにラーメンをすすりました。そんな息子を見ながら、私もほっとしたのでした。



 

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