2020年12月11日金曜日

娘の塾選び

  息子の中学受験の塾選びに加えて、娘の塾選びをしていました。娘が「日本の大学に行きたい」と気持ちを定め、「私、塾に行きたい!」と自分から言い出したからです。娘には「勉強しなさい」とはほとんど言ったことがありませんが、高1になって、ようやく自覚が出てきたようなのです。

 最初は四谷学院という塾に行ってきました。インターネットで「大学受験 塾」という検索文字と地名を入れたら、そこが一番上に出てきたからです。四谷学院の担当者は丁寧に教えてくれました。娘はインターナショナルスクールという特殊な学習環境にあり、大学受験に向けて一律に指導するそこの塾では指導は難しいことを。

 それでも、その担当者は英語が母語の娘が「帰国子女枠」「推薦枠」などではなく、普通の入試の方法で日本の大学を狙う場合の学校選びの仕方、狙える学校などを親身になって教えてくれました。

 次に行ったのはトーマスという個別対応塾です。担当者の男性は開口一番「お嬢さん、綺麗ですね。モデルみたいですね」。その言葉を聞いたとき、「軽いな」とがっかりしました。しかし、それは導入部分だけ。さすが、新規の客の窓口役になっている人です。あっという間に「この人を信頼してもいいいかも」と思えるようになりました。

 ずっと黙っていた娘が、その担当者にこう言いました。

「私はバイオリンが弾けるし、絵も描けるけど、天才じゃないんです。私はバイオリンや絵を仕事にできるほど、才能はない。だから、今一生懸命勉強して、大学に行って、普通の仕事をするーそれしか生きていく方法はないって気が付いたんです。だから、お母さんに塾に行きたいってお願いしたんです」

 娘は涙を浮かべていました。私もじんときました。娘には音楽や絵の才能があると思い、そちらの方面で存分に力を発揮してほしいと親として出来るだけのサポートはしてきました。とりたてて才能もなく、大学に行って就職をして…という普通の人生しか選ばなかった私の考え方で娘を育てると間違ってしまうかもしれないと思い、行儀作法など以外はあえて娘には何も言いませんでした。

 バイオリニストや画家になってくれたらいいな、オーケストラのメンバーやイラストレーターなんかも良いな…と勝手に娘の将来を思い描いていましたので、少し残念でしたが、娘は自分で自分の将来について考えてくれた。娘は成長しているな、と嬉しくなりました。

 担当者は私に向かってこう言いました。

「お母さん、お嬢さんは綺麗だし、モデルのようです。さらにバイオリンも弾けるといいます。だから、将来はそのうちの何かで生きていける。でも、いま本人がやりたいと言ったことをぜひ、尊重してあげてください」

 娘の数学の習熟度をざっとテストしてみると、ずいぶん遅れているようです。さらに娘の通うインターナショナルスクールの数学の進度は日本の高校に比べて1年ほど遅れていることも判明しました。さっそく、週2回そこに通わせることにしました。

 さて、インターナショナルスクールに加えて、個別対応塾の月謝もとなると、家計がさらに大変になります。息子も習い事をいくつもしており、これから塾も加わります。でも、夫との話し合いで「一番お金をかけるべきは教育。とにかく、初めてやる気を出してくれた娘を応援しよう」ということで考えを一致させました。「でも、老後はどうしよう? 教育にお金使い過ぎて、何も残らないかもね」とも。でも、それはもう少し後に考えることにしました。

 娘に週2回塾に行っても良いと伝えました。娘は、「ママ、ごめんね。インターナショナルスクールに行ってたくさんのお金を使わせているのに、さらに塾にお金がかかって」と申し訳なさそうにしていましたが、「でも、頑張るからね!」と言ってくれました。まぁ、この気持ちがいつまで続くか分かりませんが、今はとにかくサポートしましょう。

 娘はそれから週2回、元気に塾に通っています。たまに自習をしにも行っています。2年後の大学受験までの道のりはどうなるのでしょうか? 私は情報収集をしっかりしなければ、と気を引き締めたのでした。

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