2016年1月28日木曜日

札幌帰省

 
 1月15日から4日間、札幌に帰省しました。一人暮らしの母の様子を見るためです。昨年もこの時期一人で帰省しましたが、今回は4歳の息子も一緒でした。息子にとって、冬の札幌は初めてです。

  私は寒さが原因で発症する(不思議な病気です)、「自己免疫性溶血性貧血」という持病を持っています。一定の寒さにさらされると、自己免疫が血中のヘモグロビンを攻撃してしまうのです。ヘモグロビンは酸素を運ぶ役割があるので、呼吸困難になったり、体が動かせなくなったり、と症状は極めて厄介。札幌生まれ札幌育ちなのに情けないのですが、この病気を41歳で患い何度も再発を繰り返してから、寒い時期(10月から5月ぐらいまで)の帰省は長い間控えていたのです。

 が、昨年母が体調を崩したため、恐る恐る一泊二日で帰省。この自己免疫疾患が再燃しなかったために、自信をつけました。健康を害してから実感したのですが、緊急の出来事に対応することは、健康な体でなければ出来ません。1カ月後の友人とのランチは、その日を目掛けて体調を整えれば良いのですが、葬儀への参列や家族の看病などは、健康な体であってこそ。ずいぶん時間がかかりましたが、今、私は緊急時にも対応できるようになったのです。

 さて、昨年に続いての真冬の札幌帰省。冬の札幌と言えば雪。札幌市民にとっては、連日の雪かきという苦行があるため雪はロマンチックではありませんが、年1度しか雪が降らない土地に住む人間、特に子供にとって、雪は憧れです。

 千歳空港に飛行機が着陸したとき、窓から一面の雪を見た息子は大はしゃぎです。札幌市内行きのバスの中でも、ずっと窓から雪を眺めています。そして、実家に着いた途端、「ママ、外で遊んでくる」と言い、電話で娘に聞きます。「おねえねえ、雪だるまどうやって作るの?」。

 受話器から聞こえる姉の説明を聞いた息子が私に説明します。「ママ、雪だるまはね、雪の玉を作って、その周りを雪で固めるんだって」。娘は年に1、2度の東京の雪でも、雪だるま作りを習得しています。ましてや、雪国生まれの私にとって、雪だるま作りなどお手の物。でも、やっぱり寒い。体調が悪くなったら困るし・・・と心の中で葛藤し、私はまた、我が子を1人で庭に送り出すのでした。

 実家の庭は、降ったばかりのパウダースノーに覆われています。私は灯油ストーブで温められた家の中から、雪だるま作りをする息子の姿を眺めました。どうも、うまくいかないようです。「ママ、雪だるまが作れない」という声が聞こえます。私は意を決し、防寒対策をしっかりとして、庭に出ていきました。そして、息子と一緒に小さな雪だるまを作りました。本当に久しぶりに触った、札幌の雪は、粉砂糖のようにさらさらして、キラキラして、きれいでした。

 冬の札幌で遊んでも大丈夫なんだー。愛しい息子と雪を転がしながら、私はほんわかとした幸福感に浸りました。


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