今回、娘の留学先に行き、胸がキュンと切なくなったことがありました。娘の狭い寮の部屋に、靴が10数足並んでいたことです。
娘は身長183㌢で、足のサイズは28㌢。日本では娘が履けるレディースの靴はなく、スニーカーも男性用です。高校生のときは、インターネットを通じてアメリカのアマゾンから買ったり、義母に送ってもらっていました。
寮の部屋には、女性らしいサンダルやパンプス、ブーツなどが並んでいました。日本にいると海外から取り寄せるしかない靴を、オーストラリアでは娘は自分で靴を試着して、買うことができるのです。「自分のサイズに合う靴があって、とっても嬉しいの」と娘。
娘はオーストラリアに行って初めて、「One of them(大勢の中の1人)になれた」とそれは喜んでいました。背が高いということで特別視されないからです。日本で育ち、初対面の人に「大きいね」「背高いね」と言われなかったことがないーと目に涙を浮かべながら語っていた娘は、今、誰にもぎょっとした表情で見られることもなく、のびのびと暮らしています。
娘には「大学を卒業したら、いったん日本に帰っておいで」と言っていますが、はたして娘は日本に戻ってきて、幸せに暮らせるのかなぁ、と考えてしまいます。ずらりと並んだ娘の靴が物語る、娘の幸せ。親としては、何とも複雑な気持ちになったのでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿