娘が留学するメルボルン滞在7日目は、娘も私も「作業日」にすることにしました。
私はこちらに来る前に、海外のジャーナルに投稿予定の論文を共著者の先生にメールで送付していました。質問が1人の先生から来たので、それの返信をすることにしました。娘は、7月7日(月)から10日間の日程で行われる、冬期集中講座(こちらは冬です)の準備です。
論文はほとんどの場合、複数の共著者がいます。その論文への貢献度により、筆頭筆者の次、そしてその次と順番が決まります。最後は責任者。私の論文の場合は、そのプロジェクトの責任者(病院で責任ある立場にある博士号を持つ医師)が最後、最後から2番目が私の指導教員(研究所で責任ある立場にあり、大学教授も併任する博士号を持つ医師)。
そのプロジェクトには他に7人の研究者(全員博士)が関わっており、この9人全員に一斉メールで論文を送りました。2週間の期限を設け、チェックしてもらいます。皆さん、研究のプロですので、しっかりとした指摘をもらえます。月曜日にいただいた質問も、「なるほど、こういう視点が私には欠けていた」と思うようなものでした。
この質問に答えるため、データと突き合わせて考えをまとめ、メールの文章を考えて送信するまでにかかった時間は4時間でした。
皆さんにチェックしてもらう2週間の間に、メルボルンに来たので気持ちは晴れていたのですが、月曜日朝に質問が来てからは気持ちがどよーんと曇りました。娘にはそれが伝わるらしく、「ママ、何か考え事してる?」と言われてしまいました。とりあえず、メールを送ってほっとしました。でも、もしかしたらあのデータの解釈が間違っているかもーなどと不安になりましたが…。
私も娘も作業が終わり、映画を観に行くことにしました。娘にせがまれていた「ヒックとドラゴン」です。これはアニメ映画の実写版で、娘はこのアニメ映画を「30回以上は観たと思う」というほどのファンで、すでに実写版は1人で観に行ったそう。「ママと一緒にこの映画を観たかったの」と言ってくれたので、張り切って行きました。
この映画は海賊の一族とドラゴンの闘いの物語。海賊の子どもたちはドラゴンを倒すために鍛えられますが、主人公のヒックはあるドラゴンと少しずつ心を通わせ友達になり、悪の元凶であるドラゴンの女王を仲間たちと一緒に倒し、他のドラゴンたちと平和に暮らすようになるという物語です。
映画の中では、ドラゴンの上に若者たちが乗って空を飛び回るシーンが何度も出てきます。映画を観終わった後、娘が「私もドラゴンのように空を飛べなくて、とても悲しい。前、ダディにその話をしたんだけど、現実主義者のダディには分かってもらえなかった」と言います。
「ママも現実主義者だよね」と娘が聞くので、「ママはダディのような現実主義者ではなくて、理想を追うタイプ。でもその理想は空を飛びたいというような不可能なことではなくて、努力をすれば叶うというような実現可能な目標みたいなものだよ」と答えました。
「そっかぁ、私は空を飛べないことが本当に悲しいの。で、こういう風に考える人はいるのかな?ってネットで調べていたら、この映画を観た人たちのチャットのような所で、空を飛べなくて悲しいーと真面目に書いている人がいて、私のような人間がいるんだなぁとほっとした」
娘は昔から「鳥になって、空を飛びたい」と言っていました。小学校のころ、お友達と一緒に校舎の屋上に登って空を眺め、学校から厳重注意を受けたことがあるほど。性格も型にはまらず、自由な発想で、のびのびとしています。ですので、窮屈な日本ではなく、広々としていて、人々がおおらかなオーストラリアが合っているようです。
さて、楽しい映画の後は、市街の中心を流れるヤラ川に面したカフェでスパークリングワイン(私)とレモネード(娘)で乾杯。昨日も楽しい一日だったのでした。
イルミネーションが綺麗です |
カフェでスパークリングワインとレモネードで乾杯 |
どこから見ても、ヤラ川沿いのメルボルンの夜景は綺麗 |
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