2022年1月22日土曜日

ブルドッグ

  「寝る子は育つ」ー。このことわざは、やはり当たっているのだと娘を見るといつも思います。娘は寝るのが大好きで、暇さえあれば寝ています。適切な時間帯にしっかりと寝ると成長ホルモンが促されるということですし、地面に垂直に負荷がかかる重力に対して逆らわない時間が長い。だから、身長は伸びるのだなぁ、と娘を見上げながらつくづく納得します。

 もちろん、身長193㌢(かつては195㌢でしたが、縮まりました)の夫の遺伝子を引き継いでいるということもあるでしょう。でも、夫より背が高い弟の娘3人は、奥さんと同じぐらいの身長。奥さんは白人にしては小柄で私(158㌢、2㌢縮まりました)と同じぐらい。ですので、我が娘の181㌢という身長は遺伝子だけでは説明できないのです。

 娘の睡眠の長さと身長の関係に気が付いたのは数年前でしょうか。娘の身長とは全く関係ない自分の経験から、そのことをふと思いつきました。私の髪の毛についてです。若いころの私は朝シャワーを浴びて、髪を洗っていました。そしてドライヤーもかけずにそのまま放っておいても、髪が自然に乾いて、良い感じにまとまりました。たとえ、夜に洗っても、朝もう一度髪を濡らすという作業をしていたほどです。おそらく、40代まではまともにドライヤーをかけたことがありません。

 若いころは髪に苦労をしたことがない代わりに、今は、とても苦労しています。髪が全体的に薄くなり、こしもないので、髪がぺしゃんこになるのです。たまたま、夜に髪を洗いドライヤーをかけて整えて寝ました。そうすると、あらまぁ、朝、ちょうどよい感じに立ち上がっていることに気が付きました。ですが、夕方ぐらいになると元に戻るのです。で、それを見て気が付いたのは「重力」です。

 寝ている間は毛の立ち上がりのてっぺんから頭皮までの方向に重力がかからない。だから、髪がふわりとする。ですので、朝起きてしばらくの間はふわりとした髪でいられる。でも、私の髪の毛は細いので、重力に負けてぺしゃんこになってしまう。それを、娘の身長に当てはめるとあの”尋常ではない”背の高さは説明がつくのではないか。

 娘の睡眠時間は長い。その長い間、頭からつま先までの方向に重力がかからない。そうして、日中活動してもその方向に重力が影響する時間は短いので、身長が伸びるー。そういえば、夫も夜は9時ごろには寝ますし、仕事が休みの日はごろごろ寝ています。おそらく、小さいころから睡眠時間が長かったのでしょう。

 前置きが長くなりましたが、これから本題に入ります。以上の理由で、学校の新型コロナ対策のため今在宅でオンライン学習をする娘は、勉強している以外は寝ています。先日、その娘に話すことがあり、部屋に入りました。設定は昼間、娘がベッドに寝ていて、私が娘の部屋に入り、下を向いて娘に話しかける形です。私を見上げている娘がぎょっとした顔で言いました。

「ママ、ヤバいかも。ほうれい線がくっきり!ブルドッグみたい!」

「えっ?」

 気が付いていました。マスクを着用し続けているこの2年間で、顔の下のほうがたるんできたことを。年齢にせいかもしれませんが、とにかく、あごの線がゆるんでいるのです。娘に鏡を借りて、鏡を下の方に持って、私が鏡を見下げる形にしました。ぎょっとしました。

 なんと! ほうれい線がくっきりとして、かつ、あごの線がゆるゆるです。真っすぐに鏡を見ているのよりも、ずっと老けている私が写っていました。これはオバサンというよりおばあさんの顔です。

「本当!これはまずいね。ねぇ、こうしたらどう?」

私は口角と頬を上げて微笑んでみました。

「ママ、そのほうが良いよ」

「でも、こうすると目の周りのしわが目立つんだよね」

「ママ、この際、目の周りのしわより、ほうれい線やあごのラインの緩みのほうが問題だと思う。目のしわなんて、私だって笑ったら出来るんだから、気にすることないよ。それに、笑ってできるしわって素敵じゃん」

 それから、私は日常生活でも口角と頬を上げるようにしています。大体忘れますので、思い出したらするという程度ですが。

 昨日の週1回のバレエのレッスン中もマスクの下で口角と頬を上げていました。この努力、結構辛い。でも、深いほうれい線とあごの線の緩みを放っておくわけにはいきません。

 美容は私にとって長い間優先順位の最下位に位置してきました。必要性は常に感じてはいましたが、とにかく、自分の容姿の改善にまで手が回らなかった。このつけが回ってきてしまいました。そろそろ努力をしなければ…。それにしても、娘の遠慮のないひと言は有難い。現実を知ることが出来ます。

「また、何か気が付いたら言ってね」と娘に言いました。娘が言います。「ダディに前『ダディ、ちょっと臭いかも』と言ったら、キレたから、もう言わないんだ。ママがそう言ってくれるんなら、気付いたことあったら言うね」

 まぁ、キレるという反応は大人げないですが(いつもです)、夫の気持ちは多少は理解できます。私が息子にそういうことを言われたら、かなり落ち込むと思いますので。同性の娘だから、「有難い」と思えるのでしょう。

 とうことで、朝のパックを欠かさない娘に見倣い、私も朝パックを始めました。娘によると、「ママはトイレを使ったときに、さっとトイレ掃除するって言っていたでしょう? その”ついでに”の発想を、美容にも当てはめるんだよ。だから、顔を洗ったついでにパックをして、そのまま朝ご飯を作るとか」ー。娘のアドバイスにいちいち納得する私です。


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