2022年1月15日土曜日

弓を引く

  インターナショナルスクール11年生の娘から昨日の夕方、電話がありました。金曜日なのでお友達とクレープでも食べに行くのかな?と思いきや、「来週月曜日から、またオンラインになるの。荷物をたくさん持ち帰るから、ママかダディに駅まで迎えに来てほしいの」と言います。

 高校生の中で1人、新型コロナウイルスの感染者が出たことによる措置だそうです。今週月曜日に新学期が始まって1週間しか経っていないのに、です。

 爆発的に増えている感染者数。私たちが住む東京の昨日の感染者数は4千人、娘の学校のある神奈川県は千人を超えました。そのような中、学校でクラスターを発生させてはいけないという判断がなされたのでしょう。オンラインになったのは高校生全クラスだそう。「高校生は授業ごとに教室が替わるから、どの生徒が感染者のいた教室にいたかなんて分からないんだと思う」と娘。

 しばらくしてから、同じ学年の保護者のライングループには早速、「息子が、また2週間オンラインだって言っているんだけど、本当? 信じられない」というメッセージが。文末に涙のマークが付けられていました。

 狭い家で、再び、夫と私、娘の3人が終日過ごすことになります。救いは地元の公立小に通う息子が、通学してくれること。公立小では全国的に閉校となったとき以降、感染者が出ても基本的には閉校にはしませんので、本当に助かります。

 約1時間後、娘は学校に置いてある教科書や課題など大荷物を持って帰宅しました。

 さて、娘は毎週金曜日に弓道を習っています。2年前から、区の弓道場に通っています。昨年はずっと休会でしたが、10月から再開しました。オミクロン株の広がりで、また、休会となるかもしれませんが、昨日はとりあえず、ありました。

 弓道場は車で30分ほどのところにあるため、夫か私が送っていき、娘が練習する2時間をその弓道場で待ちます。昨日は私が行きました。この冬休み、娘に弓道着を買ってあげたので、それを着て練習する姿を見るのを楽しみにしていました。再び休会となるかもしれないので、その前に見ておきたいと思いました。

 弓道着を着た娘はなかなか様になっていて、格好良かった。体が大きいので、購入した道着は一番大きいサイズです。使わせてもらっている弓も一番大きいサイズということで、弓を引く姿は堂々としていました。

 この弓道着を買った老舗の弓具店の人が「身長180㌢を超える女の子は初めて見ましたよ。何年か前に170㌢以上の子が買いに来たので、もう少し大きい子も買いにくるかもしれないと思って、大きいサイズを仕入れておいたの」と言いながら、店の奥から取り出してきた上衣と袴。それらを娘が試着して、ぴったりと合ったときは嬉しかった。

 お店の人が「初めて見ました」と言ったときは、大きくうなずいてしまいました。そうでしょう、そうでしょう。私だって初めて見ましたもの、180㌢超の女子。それも、170㌢を超え、175㌢を超え、遂には180㌢を超えた過程も間近で見ています。女の子がここまでの身長になるのは可能なんだというぐらいの驚きですよ。

 娘には小さなころバレエを習わせていました。体の小さな子たちが、くるくると踊る中、ひょろりと身長が高い娘は重心が高く、かつ筋肉もついていないので、なかなかうまく踊れなかった。いつも先生に怒られていました。身長が大きくなり過ぎて、自分でも自分を持て余し気味だった娘。でも、弓道というスポーツを見つけて、挑戦し、楽しんでいます。その姿を見るのは親としてとても嬉しい。

 自分の番が終わると、娘はちょこちょこと私が待っている場所に来ます。

「ママ、静電気がすごいんだよ。袴がタイツにくっついちゃうの」と袴を引き上げます。

「あらっ、大変。パチパチするでしょ。今度、静電気を防ぐスプレー買ってあげる」

「うん。仲良くしてもらっている人が、ユニクロで静電気の起きないタイツ買えるよって教えてくれたんだよ」

「そうなんだ。じゃあ、今度買いに行こうね」

「うん!」

 そう言いながら、また道場に戻っていきます。週に1度開かれているこの会に参加しているのはほとんどが大人。娘はここを心地良く感じてくれていることも、親として嬉しい。いくつかの「居場所」を確保することは、大人にとっても大切です。子どもにとってもそうだと思います。学校や友人関係がうまくいかないとき、別の場所に行って気分転換できるー。そういう場所を1つでも持っていることは心の安定につながると思います。

 帰宅は9時を過ぎました。帰りの車の中で、娘が学校での出来事、悩みなど、いろいろ話してくれました。来週から再び自宅でオンライン授業という残念なニュースもありましたが、娘の弓道を見てゆっくりと話も出来た、良い一日だったのでした。

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