2022年1月16日日曜日

修士論文を提出

  14日午前9時48分、論文を大学院に提出しました。正午が締め切りでした。論文のPDFと学位申請書、ほか2つの書類をインターネットを通じて送付しました。

 3人の教官に読んでもらい、21日に助言をもらいます。それらを反映させた最終の論文の提出日は2月18日。2月19日にプレゼンテーションがあり、それで一連の手続きが終わります。

  研究論文のテーマを絞り、そのテーマに近い研究をする教官幾人かに相談したのが昨年1月、そして指導教官が決まったのが2月。それからが長かった。

 研究計画書を書き、倫理審査に申請。何度も書き直し、資料を足し、ようやく承認が下りました。データを取得し、分析ソフトの使い方を学び、データを分析できるように整理し、ソフトに取り込み、ようやく分析です。膨大な時間をかけた分析結果を図や表にまとめます。そして、論文を書いていきます。

 論文は題名、要旨、目次、序論、方法、結果、考察・結論、謝辞、参考文献の9つで成り立っています。昨年の大晦日に指導教官に「考察」の部分が不十分なまま提出し、1月4日に直しがきました。その直しを反映させ、「考察」を書き込んで11日に再提出。翌日、「考察」でいくつかの書き直しを指摘され、原稿が戻ってきました。が、もうそれ以上頑張れませんでした。

 「精神的に消耗し、もうこれ以上は出来ません。先生のご指摘を反映できませんので、それに伴う評価は受け入れます」とコメントを添え、13日に指導教官に再提出しました。

 そして、指摘を受けた文法上・表現上の間違い(論文は英語で書きました)や改善点はすべて反映させましたが、「考察」の書き直しはしないまま、大学院に提出しました。 

 通常は、文章を書いたときは納得いくまで書き直し、推敲します。が、今回は出来なかった。1年がかりの研究に、気力の最後の一滴まで使い果たしていました。

 本来なら研究が優先順位の一番に来るべきなのでしょうが、私にとって子育てが最優先。今、手をかけなかったことが、子どもの将来に大きく響くことだけは避けなければなりません。

 栄養のある食事を作り、健康や安全に細心の注意を払い、勉強に遅れていないか目を配り、習い事の送迎をし、子どもたちと話をして学校生活や友人関係に黄信号が灯っていないか確認するー。これらに時間を使うと、予定していた研究の時間が思うように確保できないこともあります。時間がない中で研究に取り組むと、気力がすり減っていきます。

 最後は開き直りました。研究の遅れは取り戻すことが出来ます。が、子育てについては、今優先順位を間違えると取り返しのつかないことになる可能性もあると考えました。

 でも、私は恵まれていました。夫は在宅勤務ですので手伝いをしてくれ、また、近くに住む83歳の母は自立しています。また、指導教官にも中学生と小学生の子どもがいるため、理解をしてくれました。子どもたちはそれぞれに手がかかりますが、素直なので、許容量を超えるような事態にはなりません。

 夫が20代で修士号を取得していたことも助けになりました。抱えている家族も社会的責任もない20代に、修士課程の最後の1年間は全ての時間をデータの解析と論文執筆に費やしたという経験を持つ夫。そういう経験をした夫は、私のように家族やそれに伴う責任もあり、記憶力も集中力も下がっている50代で挑戦することは簡単ではないーと理解してくれたのです。

 ひと区切りがついたので、この週末は論文に関することは一切しませんでした。子どもたちのヴァイオリン発表会に向けての練習に付き合い、遅れを取っている息子の勉強をしっかりと見ました。明日から、指導教官の指摘を受けた点について一つ一つ書き直していく作業をする予定です。骨の折れる作業ですが、頑張ります。

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