来年の3月に亡父の13回忌を迎えるに当たり、霊を降ろすと言われる青森県のイタコに会いに行くことにしました。8月中旬に仲介者のメールでイタコの連絡先を教えていただき、先日直接お電話をして日時を決めました。
今日、宿泊先も決めました。恐山にある曹洞宗菩提寺の宿坊です。恐山はイタコが死者の魂をこの世に降ろし、その言葉を伝える「口寄せ」を行う場所。私がイタコに会うのはご自宅ですが、青森県では昔から「人は死ぬと、恐山に行く」と信じられており、その恐山に行きたいと思ったからです。
恐山について調べているうちに、菩提寺のお坊さんには何冊もの著書があることを知りました。まずは3冊購入し、読んでいくと、心にすっと染み入っていくとても良い本でした。そのお坊さんの法話を聞くことは出来ないだろうか?と調べているうちに、その宿坊にたどり着きました。著書の中で、そのお坊さんが宿坊に宿泊された人と話をしたと書いてあったのです。
宿坊に電話をしました。女性が電話口に出ました。宿泊したい日を伝えました。
「何人でいらっしゃいますか?」
「一人です」
「では、相部屋をお願いします」
「はぁ、あの、できれば一人でお願いしたいのですが」
「こちらに宿泊される方には皆さんに相部屋をお願いしています」
「はぁ、そうですか。分かりました。そちらでは、お坊さんの法話があると聞いたのですが」
「それは分かりません。法話があるときもありますし、ないときもあります。その日によります」
「そうですか」
「ご供養はなさいますか?」
「はい」
「翌日の朝6時半に”おつとめ”がありますので、それには参加していただきます。ご供養の時間は午前11時か午後2時。それは来ていただいたときにご予約ください」
「”おつとめ”ですか?」
「はい」
「あの…、私そちらには行ったことがないので教えていただきたいのですが、レンタカーを借りたほうが便利でしょうか?」
「それはお客様次第です。バスもありますので。バスは時間を調べてください。車でいらっしゃる場合は午後3時までこちらに入っていただきます。チェックイン時間は午後2時から4時です。10月は夕方は真っ暗になりますので、早めにいらしたほうがよろしいかと思います」
「あの…食事は?」
「ついています。値段は1泊2食で1万5千円です。カードは使えませんので、現金をご用意ください。キャンセルとなる場合は早めにご連絡ください。お待ちになっている方もいますので」
これまで生きてきて、これほど事務的な応対をされたことはないなぁと思うほどに、冷たい応対でした。死者の魂が集まると言われる恐山のお寺に一人で泊まるのはそれなりに不安なもので、その不安がさらに増しました。でも、相部屋と聞いて最初は躊躇しましたが、逆に人が同じ部屋に眠っているほうがまだ不安ではないかも、とも思えてきました。
そういえば、夫が「もし一人で行くのが不安なら、僕も行くよ!」と申し出てくれました。でも、丁重にお断りしました。イタコ、零場・恐山、お寺の宿坊…。夫が日本人なら一緒に行くと思いますが、申し訳ないけどアメリカ人とはなぁ、と思ったからです。この感覚、皆さん何となく分かっていただけますでしょうか?
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