2024年4月1日月曜日

父を迎えに

  一昨日の土曜日、日帰りで母と一緒に札幌に行きました。亡父の遺骨を預けているお寺に行き、東京に持ち帰る目的でした。

 私の家から徒歩5分の賃貸マンションに住む母は86歳ですがとても元気で、身体のあちこちが痛いと言いつつも、近くのスーパーに自分で食材を買いに行き、3食を自分で作って暮らしています。娘の私は一人っ子で、下の子どもがまだ12歳で、さらに私は病気がちなため、母は私に迷惑をかけまいと頑張ってくれています。その母の一番の心配は札幌の納骨堂に納めている父の遺骨でした。自分の年齢と体の衰えもあり、自分に何かあったときのことも随分考えたのだと思います。

 で、東京都内に両親の宗派である真言宗の納骨堂を探して先月、母と一緒に内覧し、そこと契約して父を迎える準備を整えました。そして昨日、父を迎えに行ったのです。

 母には「たぶん、北海道に行く最後の機会だと思うよ。叔父さん(12人きょうだいで唯一生きている母の兄)に会いに行こうよ」と言っても、「いい。とにかくお父さんをこっちに連れてくるだけで十分」と言って聞きません。せっかくなので「一泊して、札幌のまちを一緒に歩こう」と誘っても「いい。札幌での暮らしは十分楽しんだから、未練がないの」と言います。で、母の強い希望で、日帰りで札幌往復をしました。

 朝8時15分の飛行機で新千歳空港へ。「快速エアポート」に乗って、札幌市内に向かいました。お昼は札幌駅近くの、母が大好きだった「かに将軍」というカニの専門店に行き、懐石料理を食べました。「カニ専門のお店は東京ではなかなかないからねぇ。最後にここで食べよう!」とご馳走してくれました。「サッポロ生ビール」を注文し、「お父さんを迎えに来れてよかったね」と乾杯しました。


  そして、中央区二子山にある「地蔵時」へ。ここに父の遺骨が納めてあります。事前に準備していたバッグに風呂敷で包んだ父の遺骨を入れ、タクシーとJRを乗り継いで、新千歳空港へ。フードコートで軽い夕食を取り、飛行機に乗り込みました。


   父の遺骨は、座席の上の収納棚に入れました。客室乗務員さんに相談すると、「お膝の上に載せていても良いですよ」と言われましたが、何せ、重い。「お父さん、少しの間我慢してね。飛行機が揺れたら、横になってしまうかもしれないけど」と話しかけながら、上の収納棚に入れました。

 そして、無事、東京に着きました。タクシーで母のマンションへ。仏壇の横に父の遺骨を置き、線香をあげました。「お父さん、こっちに来られて良かったね」と話しかけました。来年は父の13回忌です。きっと、父も天国で喜んでくれていると思います。

 

 

 

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