2020年4月19日日曜日

オンラインエクササイズ

 新型コロナウイルス対策による休校措置で、在宅学習をしている娘は運動不足解消のため、連日ジョギングとエクササイズに励んでいます。
 
 最近は、中国・深セン市に住む友達と一緒に”オンラインエクササイズ”を楽しんでいます。中国で一番人気の「Wechat」というアプリを使って携帯電話でつながりながら、互いにパソコンでユーチューブのエクササイズ動画を同時間に見て一緒に運動するのです。深セン市のお友達は3月2日に休校が始まった娘よりずっと早くに休校になっています。だから、娘より運動不足の悩みが深刻なのだそうです。

 娘曰く、「一人でエクササイズするより、友達と一緒のほうが楽しいし、途中でギブアップしないの」とのこと。
 
友達と携帯電話でつながりながら、一緒にエクササイズをする娘
私はただただ「すごい!」と驚くばかり。若者たちは発想の転換が早く、今あるツールを使って楽しく出来ることを見付けられるのですね。それに私を含め悲観的な大人たちのように「こういう状況でも、前向きに生きよう」などと自分に言い聞かせなくても、自然に前向き。

 それにしても、インターネットを使っての学習環境が整っているかどうかは、こういう有事に大きな差となって出ると実感しています。いくら在宅勤務を勧められても、その環境が整っていなければ仕事が出来ないのと同様、学習も同じです。

 インターナショナルスクールに通う娘は休校が始まった当日から、自宅でのオンライン授業を始めています。毎日、学校と同じ始業時間に授業が始まり、先生とのやり取りがあり、宿題もあり、テストもあり、友達とは画面を通じてつながれる、という生活です。授業が始まる午前8時15分から終わる午後3時半まで毎日、拘束されています。

 9年生(日本の高1)ですので、中にはちゃっかりした生徒もいて、パソコン画面では授業にきちんと参加しているようにしながら、顔が映らないように操作してある。そんなときは先生がその子の名前を呼び、返事がない場合は他の生徒に「●●君に誰か電話してくれる?」などとチェックを入れている。

 こういう風景を間近で見ると、オンライン授業は提供する側がしっかり管理すれば可能なのだと分かります。逆に、やる気のない先生は生徒に課題だけ出して、画面から消えてしまうので、生徒がだれてしまうこともあります。実際、娘は自習になると勉強以外のことをし始めます。やはりオンライン授業は学校側の体制の整備状況と、教師の資質に左右されるようです。

 一方で、地元の公立小学校に通う息子は、休校による影響をダイレクトに受けています。「学業の遅れ」と「生活の乱れ」です。3月2日から終業式までの休校を緊張しながら何とか乗り切った後、ようやく新学年にというときに再び休校になり、気持ちが緩んでしまったようです。

 学校側も準備が整わない中での休校措置の延長。学校から配られたのは2年生の復習と、先生が慌てて作ったと見られる社会と保健体育のプリントのみ。それと毎日1個ずつ漢字を覚えること。それも1日1時間も取り組めば終わる内容で、課題はあっという間に終わってしまいます。

 そもそも4月の休校は10日間余りの予定でしたので、それ以降の対応は親に任されています。休校措置の延長により「教育格差」が生じていることを懸念する声も出てきていますが、我が家の子どもたちを見ても、その格差の意味がよく分かります。

 つまり、お金も手間もかけてもらっている子どもと、そうでない子には歴然とした差が、学びにも生活にも出るのです。子どもがもともと自主的に勉強できる子だったり、親が子どもにつきっきりになれば話は別でしょう。たとえば、親が始業式に配布された教科書に目を通し、「教科書の音読をしよう」「次は鍵盤ハーモニカを練習しよう」「理科の時間は花を育てて観察しよう」などと学習スケジュールを立てて、新しいことは親が教えるんだという気構えがあれば、子どもも1日楽しく学べるでしょう。

 が、そのスケジュールを立てたり、管理したり、側について教えるにも時間と忍耐力を要します。2年生の復習は3月1カ月間の休校のときに嫌というほどさせています。親にも仕事があり、家族が家にいる分増えた家事があるので、子どもがビデオをずっと見ていても目をつぶるしかありません。だって、少なくとも、子どもはその時間は安全にかつ退屈せずに過ごせるのですから。

 今回の長い休校措置では、学校にも親にも大きな課題が出来ました。いま、医療従事者の方々は、毎日必死にこのウイルスと闘ってくれています。命と健康の重みを考えれば、今の状況は何とか乗り切れるはずです。

 少なくも手元には新3年生の教科書10冊余りと鍵盤ハーモニカ、リコーダー、パソコン2台、テレビもあります。出来ることをしましょう。我が家はお姉ちゃんに教育費がかかっている分、弟には公立校で頑張ってもらわなければなりません。それでも、なぁ・・・。ビデオを見たり、ソファに寝っ転がったり、おもちゃで一人遊びをしている息子を見ながら、「まぁ、いいか」という自分もいるのです。

 

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