私は月に一度、地元の公立小学校で絵本の読み聞かせをしています。息子が2年生のときに始め、この春息子が卒業した後も、卒業生ママグループの一員として続けています。
学校に向かう通学路で、ランドセルを背負って歩く小さな子どもたちを見たり、学校の廊下や教室でお友達と楽しそうにおしゃべりをする子どもたちを見たりすると、我が子がここに通学しているときに学校の行事を手伝ったり、読み聞かせをしたり、なんて幸せな時間だったんだろうと思い返し、胸がキュンとします。
私は子どもが大好きで、今度生まれ変わったら、保育園や幼稚園、小学校の先生をしたいと願っています。今回の人生では無理なので、せめて、子どもたちに関われるよう、絵本の読み聞かせを続けています。私にとってその時間は、自分の子どもと過ごす時間と同様、とっても幸せな時間なのです。
9月の読み聞かせは4年生担当でした。ちょっと切ないですが、心にしんと沁みる本「おおきな木」(ジェル・シルバスタイン作、村上春樹訳)を読みました。この本の原題は「The giving tree」(与える木)。りんごの木が、愛する少年にりんごを、枝を、与え続けます。でも、少年はりんごの木の優しさを当たり前のように受け取り、その深い愛情に感謝をしたり、悲しみに心を寄せたりすることはありません。
私は母親ですので、りんごの木の気持ちがとてもよく分かりますし、私も愛する子どもたちのためには同じようにするだろうと思います。が、一方で、私にも若いころ、少年のような身勝手さはなかったか?とも考えます。
この本を読むのは今回で2回目。いずれも、最後のほうで、目頭が熱くなりました。読み聞かせる人が涙を流してはいけませんので、ぐっと堪えますが、そんな本なのです。
前回読んだとき、ボランティアママさんが集合する図書室で、あるママさんが「おおきな木、読んだんですね。私、たぶんできない。読んでいる間に泣いちゃうから」と話しかけてきました。
「確かに。私も泣きそうになりました」と私。でも、これは私の読み聞かせの本のリストに入れることにしています。これからも時折、読んでいきたい。誰かの心に残ってくれたら嬉しいな、と思っています。
地元の小学校で読み聞かせをした「おおきな木」 |
0 件のコメント:
コメントを投稿