私の母が娘と連絡が取れないと泣いて訴えてきた”事件” https://ar50-mom.blogspot.com/2024/09/blog-post_12.htmlから、娘とあまり連絡が取れなくなりました。先週は1週間ほど電話がつながらず、ずいぶん心配しました。ようやく週末に電話がつながりました。娘によると、「お天気が悪くて、誰とも話したくなくて、ずっと寮にこもっていた」といいます。
メルボルンは時差が1時間なので、少し前までは、ダイニングテーブルに携帯電話を垂直に置いて、娘とフェイスタイムでつなげ、一緒(娘は大学の寮で)によく夕ご飯を食べました。そのほかにも、私と夫がそれぞれ娘に電話をし、おしゃべりを楽しんでいました。娘が一緒に暮らしていたときからそうでしたが、娘との会話が家族にとって癒しなのです。
ですので、娘と連絡が取れなくなると、家族でパニックになります。それぞれが一日何回も電話をし、大変な量の着信になるので、メッセージに切り替えます。が、「心配だから、電話ください」というメッセージの応酬になってしまい、娘ももう読むのも嫌になったよう。こういうときに「我関せず」を貫くのは息子です。私と夫が大騒ぎしていると、息子がしらっ~とした表情で娘に電話をします。すると、娘も、弟からの電話には出るんです。で、安否確認ができる。やっぱり、きょうだいですね。
ようやく電話につながった娘に聞いてみると、ずっと悩んでいたそう。で、悩んでいる間は人と話をしたくなかったと言います。
「それって、私ってなぜ生きているんだろう?とかいう哲学的な問題? それとも、学校の課題が多いとか絵が描けないとか現実的な問題? それとも、お友達とか恋とかそういう人間関係の問題?」
「うーん、大学卒業後に仕事が見つかるか? アートで食べていけるのか? という現実的な問題」
「そう。大学1年生なのに、もうそういうことで悩むの?」
「うん、この前、学校のフィールドワークで、アート専攻の卒業生たちのお話を聞く機会があったの。で、共通していたのが、職がないとか、生活するだけのお金が稼げないとか、そういう問題だったの。華々しく成功している人はいなかった」
「あぁ、そう」
娘は夫の知り合いで、娘と同じ大学で同じアート専攻だった女性のお宅に時折伺ってご飯をご馳走になっています。とても有難いのですが、そこでも、思うようにならなかった人生の話になるらしく(同世代の私としては、そういう問題はご自身で解決してもらい、若者には希望を持ってもらうような話をしてほしい)、娘はアートを追求していく希望や夢が少しずつ薄れ、大学を卒業して仕事があるのだろうか?という現実的な悩みになってきているようなのです。
「あなたには才能があるから、今のまま絵を描くことに打ち込んでほしい。でも、アートの他に何か気になること、やってみたいことある?」
「うん、私、子ども好きだから先生になってみたいなぁと思う」
「そう。それなら、欧米の大学ではダブルメジャー(大学で2つの異なる専攻分野を主専攻として学ぶこと)が一般的だから、そちらを狙ってみたらどう? いくつか追加の単位を取って、教育実習を履修したら、1年ぐらいの延長で2つの専門分野で卒業できるかもしれないよ。でも、ダブルメジャーはそれなりに負担も大きいかもしれないから、まずはアート専攻の中に、将来アートを子どもたちに教える教職員への道がないかどうか調べてみて。若いころは全く別の仕事をしていたけど、年を取ってから学校の先生の仕事をしたくなって、学生時代に資格を取っておいたので出来たという話はよく聞くよ」
「あっ、そうか。そういう道もあるんだね」
「うん。卒業して、一念発起してまた大学に入り直すとかはかなりエネルギーがいるの。だから、学生時代に少し頑張って、将来に備えておくのもいいと思うよ」
「ありがとう。ママに相談して良かった。調べてみる」
娘によると、今日は久しぶりの晴れで気持ちが少し上がってきて、家族に電話をする気持ちになったといいます。また、前日に、お友達数人とご飯を食べに行ったという楽しいイベントも心の在り様にプラスに働いたみたいです。
「今日はようやくお天気になったから、ママに電話をしようと思ったの。天気が悪いと気持ちも暗くなってしまって、誰にも会いたくないし、とにかく、部屋にこもっていたかった。今日はね、青い空に綺麗な気球が浮かんでいたの。それを見ていたら、気持ちが少しは晴れたの」といいます。
夫と息子にも電話を回しました。娘は「ねぇ、楽しい話して!」といい、私たちの話を聞きたがりました。親が心配し過ぎるのは良くないとは分かっていつつ、日本にいたら駆け付けるのになぁと思ったり、いや、今が娘の成長のときだから見守ろうと思い直したり。親の私の心も揺れます。せめて、晴れてくれれば、と祈る日々です。
娘が送ってくれた画像。メルボルンの空に浮かんだ気球が綺麗 |
0 件のコメント:
コメントを投稿