2022年12月13日火曜日

Yさんとの楽しいひととき

 今、私が一番行きたい場所は室蘭だと以前ブログに書きました。私が12年間勤めていた北海道新聞社の初任地で、楽しかったことや辛かったことなど沢山の思い出が詰まった街です。

 室蘭は私にとって、仕事の原点となる場所でした。「新日本製鉄室蘭製鉄所」内でボヤが出たという情報が入れば、ヘルメットを被って駆け付けました。街で火事があれば一眼レフカメラをつかんで現場に向かいました。地震で大きく揺れたときは被害状況を確認しに商店街に飛んでいきました。ネタを探しに警察署や市役所、学校の職員室、街おこしに奮闘する経営者の店を巡りました。

 前任者の書いた記事が気に食わなかったと玄関先で怒鳴られ泣いたこともありますし、強面の漁師さんをドキドキしながら取材し沢山の魚をお土産にもらって帰ったこともあります。室蘭報道部で唯一の女性記者だった私は、優秀な男性記者たちに囲まれ、空回りばかり。そんな私を指導してくれたのが、若手記者を取りまとめ原稿をチェックするデスクという役職についていたYさんでした。

 Yさんには、右も左も分からなかったその新人時代に、取材や記事執筆のイロハを教えていただきました。お正月にお宅に伺い、奥様の美味しい手料理をご馳走になったこともあります。私が退社した後も、メールでやり取りをさせていただき、Yさんが1、2年に一度奥様の絵の展覧会に付き添って東京にいらっしゃったときにお会いするようになりました。昨年は娘と一緒に実家の様子を見に行ったとき、札幌のお宅にお邪魔しました。この日も奥様の心尽くしのお料理をいただき、とても楽しい時間を過ごしました。

 そして、一昨日、Yさんと1年数カ月ぶりにお会いすることが出来ました。Yさんがこちらにいらっしゃるときにいつもお会いする和食店で、美味しい料理と日本酒をいただきながら、沢山お話しさせていただきました。


  人と話をするときは、「こんな話をすると、情けない人間だと思われないだろうか?」などといつも気になります。でも、Yさんには、自分の欠点も悩み事も包み隠さず、話をすることが出来ます。何事にも自信が持てない私ですが、自分自身をさらけ出しても、全面的に肯定してくれるYさんという存在がいてくれることをとても有難く思っています。 

 Yさんと私は同じ病気を患った経験があります。お互いにもう10年以上も再発をせずに元気にしていますので、これからも美味しいお料理とお酒をいただきながら、お話しできる機会をたくさん持てることを心から願っています。

 

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