2015年12月31日木曜日

2015年 私の挑戦 ③1日に複数の行事をこなす


  「2015年 私の挑戦 ベスト5」で3番目に上げたいのは、1日に複数の行事をこなしたことです。往復2時間かかる娘の学校関連行事に朝夕2回参加し、その合間に自宅近くの幼稚園に息子を送迎。シリア難民のためのチャリティーバザーにも参加しました。あの日は、まるで偉業を成し遂げたような誇らしい気分になりました。12月4日のことです。

  健康で仕事をしていたころは、仕事以外の時間にいかに効率よく用事を済ませるかーに知恵を絞っていました。が、体調を崩してからは、ついでに用事を済ませたことで後々まで体調に響いてしまい、結果的に家族に大迷惑をかけてしまった経験が続き、「1日用事は1つまで」と自分を律していました。

  しかし、46歳で息子を出産してしばらくしてから、体調はどんどん上向きに。女性の友人たちに「出産で、胎盤と一緒に悪いものが全部体外に出ていったのでは?」「出産は最高のデトックスと言うけど本当ね」と言われるぐらいになりました。自分でも、あの体調からよくぞここまで、と驚いています。

  あの日息子は通常通り、娘は夕方からのクリスマスコンサートのため午後の登校でした。まず、朝6時に起床。チャリティーバザーに出品するキッシュを作り、子供たちにもお弁当を作りました。9時に息子を幼稚園に送り、その足で娘と一緒に娘の学校近くの駅へ。そこで娘のクラスメートとその母親たちと待ち合わせをし、お菓子教室へ行きました。午前中に時間が出来た娘たちにクッキー作りを企画したのです。美味しいクッキーを作った娘は友人たちと学校へ。私は息子を迎えに幼稚園へ向かいました。

  午後は、娘の学校へ。クリスマスコンサートが開かれる講堂に行くと、エネルギッシュな母親たちがすでに、チャリティーバザーを開いています。手作りの美味しそうなお菓子やケーキが並ぶテーブルに、私はラッピングしたキッシュを並べました。そして、入り口に立ち、コンサートに訪れた父母らに難民への寄付を募りました。夕方からは、娘らの歌や踊りを楽しみました。

  「体調が良くなってからあれをしよう、これをしようと患者は思う。でも、多くの患者は将来、体調の悪い今を振り返って、あのころはもっと出来たと思うものだ。だから、今、出来ることをやってください」
 たまたま書店で手に取ったがん専門医の著書に、このような趣旨の文がありました。それを読んだのは、6、7年前だったと思います。

  当時は、国立がん研究センター中央病院=東京都中央区=の主治医の診立ても良くなく、また、他の病気でかかった病院の医師も主治医と同じような診立てで、体調も悪化するばかり。この著者の言葉が心にずしんと響きました。それからです。自分に残された時間で何をしたいかーを真剣に考えるようになったのは。

  夫の反対を押し切り、主治医に相談もせず、私の体調を心配する親に内緒で、不妊治療のクリニックに通い、息子を妊娠しました。私が娘にしてあげられることは、細々と生き長らえることではなく、残された体力を使って、娘にきょうだいを作ってあげることだと考えたためです。

  幸運なことに、今の私は、がんや自己免疫疾患など病気の連鎖を断ち切ろうとあがいていた過去の自分より、ずっと健康です。

 1日に複数の用事を足せるような体に戻れたことに、感謝したいと思います。

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