2023年10月31日火曜日

2023 Halloween

  今年もマイヤー家では、パンプキンカービングをしました。いつもの年と違うのは、ハロウイーンが大好きな娘がいないこと。寂しかったけれど、息子と夫と3人で楽しみました。娘は夜、大学の同級生とイベントに参加するそう。仮装した娘と息子を連れて、最寄り駅の商店街を「trick or treat」と言いながら、歩いたころが懐かしい。

今年は家族3人でハロウイーンを楽しみました



2023年10月30日月曜日

学会発表 無事終わった!

  昨日、学会発表がありました。国立がん研究センターがん対策研究所の研究者Oさんと一緒にそれぞれ20分ずつ。先週は胃がんの診断を受けて仰天しましたが、気持ちを切り替えてスライド作りをし、発表の練習をしていました。無事終わって、ほっとしています。

 先週の1週間はジェットコースターに乗っているような毎日でした。私の人生そのものもジェットコースターに乗っているように、急降下あり、急回転ありと、結構大変なのですが、今回は暗闇の中を走る「スペース・マウンテン」ではないところがまだ良かった。

 先週を振り返ると、まず月曜日の朝はジョギングと公園での腕立て伏せやスクワットなどをして健康的な一日をスタートさせた矢先に、国立がん研究センター中央病院の血液腫瘍科の主治医から電話で、胃がんという報告を受けました。動揺しましたが、6日後に迫った学会発表に向け準備。火曜日はがん対策所内にある研究室でスライド作りをし、先輩の研究者の方々に発表の事前練習に付き合ってもらい、様々な助言をもらいました。夜は夫は飲み会でしたので、夕食は息子の大好物のオムライス。

夫がいない夕食は、息子の大好物のオムライス

 水曜日は気持ちを立て直し朝のジョギングを再開。朝9時半に主治医、そして10時半に胃外科の先生の診察。診察が終わったのが午前11時過ぎで、そのまま同じ敷地内にあるがん対策研究所内の研究室へ。その日在宅勤務のOさんとズームミーティングをし、前日いただいた他の研究者の方々からの助言を反映させてスライドの微調整をしました。そして、次の診察時間の直前の午後1時57分に論文の共著の先生方にスライドをメールで送りました。

 そのまま急ぎ足で、同じ敷地内の病院へ。午後2時から内視鏡科の診察でしたので、受付に行き、順番を待ちました。その日、内視鏡科は大変混んでいて、先生とお会いできたのは午後4時を過ぎていました。でも、早期の発見であること、手術で取り切ることが出来ることを聞き、気持ちが落ち着きました。追加の胃カメラ検査やCTの予約をしてもらい、そのまま手術に向けてのレントゲンなどのいくつかの検査をして、帰宅しました。

 木曜日は週に1度の在宅の日。朝は息子の小学校で絵本の読み聞かせをし、帰宅後は「まりん書房」の仕事。同じく在宅勤務の夫に誘われて、近くのビストロでランチ。午後も仕事。金曜日は再び研究室で発表に向けて、様々な質問に答えられるように準備を念入りにしました。そして、夜はバレエのレッスンへ。

夫とビストロでランチ

 土曜日の朝は夫に頼まれたキッシュを作り、午前は発表の練習。午後は、息子に頼まれたパンプキンパイづくりと、夕方のハロウイーンのイベントで子供たちに配るお菓子の袋詰めをしました。家に寄ってくれた母と1時間ほどお茶を飲みながらおしゃべりし、夕方息子と一緒に商店街のハロウイーンイベントへ。息子の友達とママたちと一緒に、商店街を回りました。

夫が好きなキッシュ

 

朝食は外で。でも寒くてすぐ中に入りました

 

息子のリクエストのパンプキンパイ。娘にも送りました

商店街でのハロウイーンイベントに参加

 そして、日曜日午前は学会発表で、発表後はすぐ電車に乗り、自宅へ。夫がお弁当を買い、息子を連れて近くの公園に行っていましたので、そこで合流。楽しくお弁当を食べました。

 この1週間も娘と毎日フェイスタイムでお話ししました。

 この目まぐるしい1週間を過ごしてつくづく思ったのは、私にとって、子どもたちの好きなお菓子を焼くことも、母や娘とおしゃべりすることも、大学院の研究も、夫とランチをすることも、ピクニックに行くことも、子どものイベントに参加することも、ボランティア活動をすることも、ブログを書くことも、全部同じぐらいに大切だということ。若ければ何かのために、別のことを犠牲にすることもあったかもしれませんが、今はできない。

 母は高齢なので元気なうちに一緒に過ごしたい。子どもはあっという間に成長するので今を大事にしたい。家族が好きな料理も作りたい。友達とランチやおしゃべりもしたい。でも、大学院で学ぶことは年を取れば取るほど難しくなるので、今頑張れるうちに頑張りたい。どれもこれも大事で、何一つ削ることができない。まぁ、家の中が乱雑になっていることには目をつむっていますが。

 そんなこんなで、私は元気です。先週前半は少し落ち込みましたが、気持ちは前向きです。30代でがん発病、40代で再発と再々発、50代で2つ目のがんの発病は結構珍しい方だと思いますので、きっと私にもこの世で何らかの役割があるからに違いないと受け止めています。役割が何かはまだ分かりませんが、まずは皆さんにその悲喜こもごもの日々を正直にお伝えしていきます。


2023年10月26日木曜日

胃がん 幸運だった早期発見

  昨日、国立がん研究センター中央病院に行き、血液腫瘍科、胃外科、内視鏡科の先生と話をしました。早期の胃がん(印環細胞がん)という診断で、来週月曜日に胃カメラ検査を再び実施し、広い範囲で細胞を採って検査をし、11月8日に診断が確定します。

 3人の医師と話をし、「このがんとの闘いには勝てるかもしれない」と思え、気持ちはぐんと明るくなりました。3人とも、悪性リンパ腫のための年に1度の胃カメラ検査で、他のがんを早期に発見できたのは幸運だったと受け止めたほうが良いーとの見解。

 先週の胃カメラ検査で、内視鏡科の先生が胃の壁に退色して微細な血管模様があるのを見て、そこから細胞を採り、それによりがんが見つかりました。その先生が見落としていたら、発見は確実に1年は遅れていたでしょう。2つめのがんの罹患はアンラッキーですが、早期発見は本当にラッキーでした。治療は手術で、がんが小さければ内視鏡手術、最悪でも胃を3分の2切除する手術。全摘ということにはならないでしょうとのこと。手術の日程は検査結果次第ですが、11月末から12月初旬にかけてのようです。

 手術に向け、昨日は血液検査、レントゲン、心電図、呼吸機能の検査をしました。全ての検査が終わったのが5時過ぎでしたが、見通しが立ったので、気持ちはとても前向きでした。皆さんにはご心配をおかけしました。また、報告します。

 

2023年10月24日火曜日

娘からの贈り物

  今日、帰宅すると娘から私宛てに荷物が届いていました。宛名に我が家の住所と私の名前が書いてあり、名前の後ろに(まま)と書いてあります。娘から私に荷物が届いたのは初めてです。そうなんだ、これまでは娘と同じ住所だったのに、違う所に住んでいるんだなぁと思いました。

 袋を開けてみると、沢山の贈り物が入っていました。可愛らしい赤のミルクパンとミッフィ柄のポーチ、携帯ストラップ、ハロウイーンの飾り、そしてお餅と団子でした。


 手紙も入っていました。

「大好きなままへ

 お元気ですか? 私はとっても元気です。素敵な贈り物、ありがとう♥今もこの手紙を書きながらマロンの紅茶とパンプキンパイを味わって食べています。

 さっき電話したからもうサプライズじゃないけど、赤いパンあってよかった~。かわいいからすぐなくなっちゃったんじゃないか心配していた…。

 あと、茶色いバッグに入っているのはままと私のお揃い携帯ストラップだよぉ~。水色か紫色か迷ったんだけど、私もままも紫っぽいからこっちにしたよ。喜んでもらえるといいぁ~。

 それとね、入学前に『いままで大切に育ててくれてありがとう』プレゼントを渡そうと思っていたんだけど置いた場所忘れちゃって結局渡しそびれちゃったもの入れておいたよ。タイミング間違えちゃったからインパクトないけど使ってくれると嬉しいなぁ~。

 それとおまけにおはぎとおもちを入れておいたよ!買ったのは今日(23日)だけど、悪くなっちゃうみたいだから、早めに食べてね。

 あっそうだ。ハロウィーンのかわいいのがあったから入れておいたよ♥

 いつもありがとう♥

 大大大大大大大大大大大大大大大大大大好きだよ!」

 涙が止まりませんでした。いい子に育ったなぁとしみじみと思いました。先日、ハロウイーンのバスケットにお菓子や紅茶を入れて、手作りパンプキンパイも一緒に送ったのをとても喜んでくれて、こんな素敵なプレゼントを送ってくれました。

 昨日は胃がんの診断を受け、気持ちが少し塞いでいましたので、気持ちがほんわかと温かくなりました。

2023年10月23日月曜日

胃がんの診断

  今朝午前9時過ぎ、珍しく自宅の電話が鳴りました。誰だろう?と不思議に思いながら出てみると、国立がん研究センター中央病院の主治医からでした。

「先日の胃カメラの検査結果が出ました。予約した次回の診察日より少し早く来ていただくことは出来ますか?」

「あっ、はい」

「今週はいかがですか? 水曜日の午前中は?」

「何時でも大丈夫です」

「では、9時半はいかがでしょう?」

「はい。大丈夫です。先生、それまで待つのも気になりますので、検査結果を教えていただけますか?」

「先日、胃の細胞を採って検査した結果、胃がんの結果が出ました。これまでの悪性リンパ腫ではない、がんです」

「そうですか。分かりました。では、水曜日によろしくお願いします。夫も同席したほうがいいですか?」

「いいえ、今回はお一人でまずはお越しになるのが良いと思います」

 2つ目のがんの診断でした。私は2009年に再々発した血液がん「悪性リンパ腫」の治療を終え、その後14年間再発はしていませんでした。患っていた2つの自己免疫疾患も寛解状態で、この病気を抑える微量の薬を飲んでいるだけで、今は健康な人と変わらない生活をしています。突然の胃がん宣告に虚を突かれました。

 22日の運動会の振り替え休日で、息子は自宅にいました。夫も在宅勤務で、私は2階の仕事場で来週末の学会で発表するスライド作りをしていました。階段を降りると、息子が夫と一緒に英語の勉強をしていたところでした。

「勉強しているところごめんね、今、先生から電話があって、胃がんの診断だったの」

「胃がん?」

 夫がびっくりした表情で聞き返します。先週水曜日に悪性リンパ腫(私のリンパ腫は胃が原発)の年に1度の胃カメラの検査を終えたばかり。主治医からは今回、組織が盛り上がっていて、それは肝臓機能低下による何たらかんたらという説明を受けて、とりあえずは異常なしと受け止めていた矢先の胃がんの宣告でした。

「水曜日に詳細を聞くから、まずは、それを待っていろいろ考えようと思う」と夫に伝え、私は10時半から始まる同僚研究者Oさんとのズームミーティングに備えてスライドのチェックに戻り、夫は息子との勉強に戻りました。

 Oさんは40代前半の博士号を持つ研究者で、まだまだ実力不足の私を全面的にサポートしてくれています。Oさんは国立がん研究センターの公式ウェブサイトを改訂するにあたっての研究のメインの研究者で私はその下で働いています。29日の学会でOさんは研究の全体像について発表、私はそのうちの1つの研究についての発表をすることになっています。ですので、20分間の発表のスライド作りは今まさに完成に向けての作業に入っていました。2つ目のがんの診断によるもろもろのことはさておいて、スライドを完成する必要がありました。

 粛々とスライド作りを進め、Oさんとのズームミーティング。Oさんはとても親切な人で私のスライドの一枚一枚を確認し、適切なアドバイスをくれます。あと数枚で終わりというところで、夫が「昼ご飯にしないか?」と下から声をかけてきました。12時30分を過ぎていました。Oさんには息子が食事を一緒に取るのを待っていることを告げて、一旦はミーティングを終了しました。Oさんも2人の子どもの子育て真っ最中で、その辺のところはよく分かってくれるのです。

 下に降りていくと、夫がダイニングテーブルにランチマットやカトラリーを準備し、キッチンに戻って準備していたミートソースを温め直している最中でした。マイヤー家は全員が料理好きですので、手の空いた人が食事を作るようになっており、私が忙しいため夫と息子がミートソースを作っていたのです。

「今、終わったよ。作ってくれてありがとう!さぁ食べよう!」と言うと、ミートソースをかき混ぜていた夫が私の肩を抱いた後、急に床に倒れ込みました。

「It's too much, too much」ーと肩を震わせて嗚咽する夫に、驚いた息子が駆け寄り肩を抱き締めます。夫の言葉を日本語に訳すと、「もう十分だ」「これ以上はもう無理だ」というような意味でしょうか。私も申し訳ない気持ちが一杯で、「ごめんね、本当にごめんね」と謝りました。

 申し訳ない、本当に申し訳ないと思いました。これまで散々病気をした私に、別のがんの診断。夫は一生懸命家族を支えてくれているのに、また、いろいろ迷惑を掛けてしまう。神様は人が背負えない荷物は与えないらしいけど、私はまだまだ荷物を背負えるということなんだな、と解釈しました。

 3人でミートソースパスタを美味しくいただきました。「ママ、セロリを細かく切って、椎茸も入れたよ」と息子。息子と夫が作ってくれたミートソースはそれは美味しかった。いつも、家族で一緒にいられる幸せをかみしめてはいますが、今日はさらにその気持ちが強くなりました。

 食卓ではほとんど無言でした。でも、今日は娘が合格をいただいたシドニー大学へ授業料と入学金を支払わなければなりません。他の大学の結果を待っていたら間に合わなくなるので、夫と一緒に昼休み中に行くことにしました。

 銀行の担当者とやり取りをし、全ての確認作業を終えてから夫を銀行に残して帰宅しました。息子に「今日の塾の宿題をしなさいよ~」と言いながら、Oさんとのミーティングを再開。4時30分に終了し、夫と一緒に車で息子を塾に送りました。

 夫に車で待ってもらい、スーパーで食材の買い物をしました。今日は自分に花を買いたくなり、スーパーの店頭で売っているバラ2輪を買いました。その足でドラッグストアに行きました。行き慣れているドラッグストアでしたが、考え事をしているせいか買うはずだった洗剤をうまく探せず、店内をぐるぐる回りました。洗剤の棚を眺めていると、涙が勝手に流れてきました。優先順位を付け直して取り組まなければならないこと、時間のやりくりをどうするかで頭がパンクしそうでした。

 娘は出願しているもう一つの大学の面接試験を木曜日に控えているので、その後に伝えることにしよう。娘にはとにかく自分の夢を追うことを最優先にするよう説得しよう。

 母は元気だが、ひとり娘が2つめのがんを発病したことを伝えるとかなり堪えるに違いない。伝えるタイミングを考えなければ。手術や抗がん剤治療になれば外見に影響が出るので言わずにはいられないが、そうでなければ黙っていよう。

 息子の中学校受験は2月。その間に治療になったら、どうしよう。日本語が出来ない夫には対応は無理で、娘は関西にいて2月には海外に行くかもしれない。母は85歳。このまま日本の中高一貫校を目指していいのだろうか? 私に何かあったら、日本語の読み書きができず会話も限定的な夫には日本の学校とのやり取りや大学受験などの対応は無理だろう。中高一貫校ならまだしも、受験に失敗して地元の公立校に行くとなると、私の体調では高校受験のサポートは無理かもしれない。熟考して決めよう。

 いま、取り組んでいる研究は何とかやり抜きたい。博士課程はあと2年あるが、研究を進めて博士論文を書く気力と体力と知力を持ち続けられるだろうか? 

 2冊目の出版の準備を進めているひとり出版社「まりん書房」はどうしたらよいだろう?2冊目を出版する体力・気力はがん治療後にどれくらい残っているだろうか?

 母に、父の遺骨を札幌の納骨堂から、東京のお寺を探して移動したいと相談を受けている。資料などを取り寄せていたけど、急いだほうがいいかもしれない。母と一緒に納骨堂の見学に行き、契約をして、札幌の納骨堂を解約して、父の遺骨をこちらに持ってくれば母も安心するだろう。早く手続きをして母を安心させなければ。

 家の中の膨大な物の処分を進めなければ。娘や息子にプレゼントする予定のアルバムづくりだけは完成させよう。icloud に膨大な写真や動画を保存していて、私が管理しているけど、このことを家族に引き継がなければ…。

 To Do List が頭の中を駆け巡りました。いろいろ考えることはありますが、きっとなるようになると思うようにしました。

 このブログで、2つ目のがんを診断されたママの育児(育自)の日々をつづっていきます。皆さん、どうぞ今後もお付き合いください。

 

2023年10月22日日曜日

最後の運動会

  昨日、小6の息子が通う地元小学校で4年ぶりに運動会が開かれました。昨年までの3年間は新型コロナウイルス感染対策により各学年ごとの実技発表しかなかったため、今年は6学年がそろった賑やかな運動会となりました。

 残念ながらレジャーシートを敷いて、家族でお弁当を食べることはなくなりましたが、息子の80㍍走も、騎馬戦も、パフォーマンスも見ることが出来ました。楽しみだった運動会観戦も今年で終わりなんだなぁと、少し寂しい気持ちになりながら、息子の”雄姿”を観て、ビデオに収めました。

 母も招待しました。母は娘がこの学校に通っていたころも運動会を観に札幌から来ており、「やっぱり楽しいね~」と言いながら、観戦。4年ぶりとあってか、おじいちゃん、おばあちゃんも沢山訪れており、学校が用意してくれた「優先席」はすぐ埋まってしまい、母を案内することは出来ませんでした。が、運動会好きな母は優先席は必要なく、ママさんパパさんたちに交じって最前列で観戦。直射日光が当たって暑くなれば、すぐにグラウンドを見渡せる日陰を見つけて、そこで4時間近く観戦していたのでした。あっぱれ、85歳。

 娘はこの学校に1年生から4年生まで通っていました。毎年、母が札幌から来てくれ、朝は母と2人で鶏肉の唐揚げや太巻き、厚焼き玉子などを作って重箱に詰めました。夫は場所取りに朝早くから学校へ。ある年はシンガポールの出張から早朝帰宅してその足で場所取りに行き、そのままレジャーシートで寝ていたということもありました。

 娘はどんな遠くにいても観戦している私たちの方を向いて背伸びをしてニコニコしながら手を振ってくれましたが、息子はそんなことはしてくれません。でも、男子のそっけなさは、どの家も同じらしく「男子と女子はやっぱり違うなぁ」と実感します。

 でも、息子が座っている椅子の近くに行って息子に声をかけるとこちらを見てピースをしてくれました。お友達とふざけ合って楽しそうな様子をカメラで写すことが出来ました。そんな息子の姿を後ろから眺めながら、「この学校に6年間通わせることが出来てよかった」としみじみと思いました。

 夫も常々、「いい学校だよなぁ」と言っており、息子が6年間通えていること、そして来年春には卒業し、この小学校の卒業生になれることを親として改めて嬉しく思いました。清々しい青空の下、幸せを感じた一日だったのでした。

2023年10月17日火曜日

合格通知

  昨日、オーストラリアのシドニー大学から、娘に合格通知が来ました。娘が希望していたアートの専攻です。

 昨年から、親子共々、迷い悩みながらの大学出願でしたが、娘の希望の大学から合格をいただけて本当に良かった。

 夫と話し合い、出願時期が遅いオーストラリアの大学の結果を待たないで、皆と同じ9月(欧米の大学や一部の日本の大学)に大学生活をスタートさせることが大切だと、関西の大学に入学させました。

 娘はオーストラリアの他の大学にも願書を出していますので、全ての結果が出てから、どうするか決める予定です。今の大学は講義も面白く、お友達も何人も出来て、寮生活も快適で…と言うことなしなので、決断が難しそう。

 合格結果をフェイスタイムで知らせてくれた娘の表情はそれは明るく、生き生きとしていました。「ママ、これまで、ずっとサポートしてくれてありがとう」と娘。自分の夢に向かって努力し、それを支えた人に感謝を伝えられる子に育ったことに、私は母親として合格通知と同じぐらい嬉しかった。

 娘はさらに遠くに行ってしまうかもしれません。思い出されるのが、インターナショナルスクールに行っていたときのこと。私が学校に行くのをそれは喜んでくれた娘。いつもにこにこしていた娘。ママ~とハグしてくれた娘。娘がいない家はしんとして、どれほど私たちが娘に癒されていたか、実感する日々です。

 そう考えるとまた涙が出てきますが、娘が夢に向かって一歩踏み出したことを喜ぼうと思います。


2023年10月12日木曜日

秋を拾う

  夏の終わりごろから、朝ウォーキングをしています。我が家のほど近いところに見晴らしの良い公園があるので、そこまで走って公園内を歩きます。最近はどんぐりも見かけるようになり、拾って家に持ち帰り、洗って乾燥させてから飾ります。

 今朝は、大きな栗を拾いました。こんなに大きな、きれいな栗を拾うのは初めて。手の平に載せて歩くとチクチク痛かったですが、大切に持ち帰り玄関に飾りました。

 玄関は先日、夏用を仕舞い、ハロウイーンの飾り付けをしたばかり。栗を加えると随分秋らしくなりました。

 

どんぐりを飾った玄関。ハロウイーンの飾りも

息子の工作を飾った夏の玄関


息子が作ったサメ


2023年10月11日水曜日

作り置き

  9日の祝日、東京はあいにくの雨でしたが、母を招いて昼ご飯を一緒に食べました。メニューは夫が作るジャンバラヤ、私の豚汁でした。

 ジャンバラヤはシーフードとソーセージ、ベーコンを使った米国ルイジアナ州の郷土料理。豚汁はお馴染みの和食の定番。マッチングはしませんが、夫も私も自分の得意料理を作ったほうが美味しいので、そうしました。

 昼でしたが、母と私にはスパークリングワインを一杯ずつ、夫はビール。息子にも奮発して、ブラッドオレンジジュースを付けました。母もとても喜んで、おしゃべりも弾みます。そんな中、夫が娘にフェイスタイム(ビデオ通話)をしました。娘もちょうど、ひとりランチの最中でした。

 娘が見せてくれたランチは栄養のバランスの取れた、美味しそうなメニューでした。前日煮込んだというミートソースを使ったパスタ、生姜焼き肉にトマト。

 娘が言います。「ママ、私、昨日今週の分たくさんお料理したんだよ。鶏の挽肉を使ったミートソースと、カレーライスと、カボチャを使ったクリームシチュー。豚の挽肉のハンバーグも作ったの」。「すごいね。大学生になったばかりで作り置きが出来るなんて、さすが!」「うん、平日は講義があるから、お料理が面倒になるからね。お友達はカップラーメンとか、冷凍食品とか食べているんだけど、手作りのほうが美味しいよね」。

9日昼の娘の「ひとりランチ」。手作りのミートソースパスタに生姜焼き
  
 
9日昼の我が家のランチ。ジャンバラヤと豚汁

 18歳での巣立ちは心配もありましたが、大丈夫でした。娘は自分で食材を買いに行き、料理をし、きちんと食事をしています。今、食べている最中のお料理の写真と、作り置き料理を入れた冷蔵庫の写真を送ってもらいました。
 
作り置きの料理が入った娘の冷蔵庫

 「ママに買ってもらったディズニーの容器に入れると匂いが付いちゃうから、安い容器を買ってきたの。でもね、3つあるのに蓋が1枚しか付いていなかったの。で、サランラップでカバーしているの」と娘。 
 「あっ、それね。蓋をもう一度見てみて。重なっているから」
 「えっ?そうなの。見てみる」
 
 娘は蓋が3枚重なっていることが分かり、それをはがして、それぞれの容器にきちんと蓋をすることが出来たようでした。

 翌日も娘から写真が送られてきました。ランチは、クリームシチューとハンバーグにトマト、キーウイ。夜はタコライスにりんご、そして豆乳でした。これも栄養のバランスが取れた、良いメニューでした。

10日昼の娘の手作りランチ。カボチャのクリームシチューとハンバーグ


10日夜の娘の手作りディナーのタコライス。りんごと豆乳を添えて

 それらの写真を夫に見せました。「私たちの娘、ちゃんと育ったね」。夫も「心配はいらなかったね。ちゃんと育った」と嬉しそうでした。

2023年10月9日月曜日

Yさんのこと

  人との出会いは、人生を豊かにします。私にとって、学生時代に出会った友人やかつての職場の同僚・先輩、仕事を通じて出会った人たちはとても大切な存在で、大病をした後はそれまで以上にその方々との友情を大事にしていきたいと思うようになりました。

 先日、私が心から信頼し、慕っている先輩と1年ぶりに会いました。私の新聞社時代の上司Yさんです。初任地・室蘭の報道部でデスク(記者たちの原稿をチェックする責任者)だった方です。

 Yさんは、駆け出し記者の私を日々丁寧に指導してくれ、お正月にはご自宅にも招いてくれました。奥様がたくさんの手料理を準備してくださり、3人で楽しくお話ししたのはとても良い思い出です。Yさんは、私が赴任してから1年足らずで転勤してしまいましたが、その後も、折々に励ましのメールをくれました。

 Yさんと頻繁にメールのやり取りをするようになったのは、私が退社し、Yさんが私と同じ病気を患った後でした。Yさんが私の病気のことを知り、同僚を通じて、再度連絡してくれたのです。

 それからは、育児をしながら、社会に復帰しようと奮闘する私をいつも励ましてくれました。奥様の絵の展覧会が東京であるときは一緒にいらして、時間を作って私に会いに来てくれました。お会いするのは、私の自宅最寄り駅の隣駅にある和食店。お料理を食べ、お酒を酌み交わしながら、時事問題や会社の近況、社会復帰への険しい道のりのこと、泣き笑いの育児エピソードなど、Yさんとお話しするのが私にとってとても楽しみな時間でした。また、一昨年には娘と一緒に札幌のご自宅にお邪魔し、奥様の美味しい手料理をいただきながら、たくさんお話しさせていただきました。

 私が自分のことを包み隠さず話し、それでも自分は受け入れてもらえるんだとYさんに対して思えるのは、Yさんへの信頼感のほかに、良い紙面を作るという同じ目標に向かっていた、さらに同じ病気と闘ったという連帯感を持っているからだと思います。

 病気の後、職場を辞めてから私がしみじみと感じたのは、私は社会のどこかに自分の居場所を必要とする人間だということでした。職場で仲間と一緒に仕事をし、帰りは居酒屋に寄ってワイワイと仕事の話をしたことを、とても懐かしく感じていました。フリーランスの仕事ではそれを得られず、大学院でも基本的には一人です。習い事もしていますが、やはりそこも私の居場所ではありません。子どもたちの学校でPTA活動もしましたが、自分はアウトサイダーであるという感覚はいつも持っています。

 社会に居場所を見つけることの難しさを痛感しているからこそ、かつての仲間たちとのつながりを大切にしたい。互いに信頼し合う友人とのかけがえのない時間を大切にしたいと思っています。

 今回は、最近夫とよく行く、日本酒が美味しい店にYさんをお連れしました。いつもご馳走になっているので、今回は私がーと考えていましたが、Yさんは「そんなことは許されません。私はあなたの元上司なのですから」ときっぱりと仰り、またご馳走になってしまいました。

 Yさんも私も、定期的に検査を受ける身ですが、このように楽しい時間をこれからも持てることを願ってやみません。

Yさんと一緒に飲んだサッポロビール

2023年10月4日水曜日

栗ご飯

  9月20日に娘が巣立ってから、我が家では笑い声が減り、改めて娘の存在は大きかったと感じる日々です。息子は口数も少なく、淡々とした表情で学校や塾へ行っています。中学受験に向けて必死に勉強するわけでもなく、かと言って、「塾行かない」とごねるわけでもなく、宿題をやらずに塾で居残りになろうが、テストの点数が悪かろうが、関係ないという態度です。

 受験を4ヶ月後に控え、いま辞めても挫折感だけが残るのも心配で、塾通いは続けさせています。「辞めたいと思ったこともあったけど、3年間続けた」ということで、息子に自分自身を肯定してほしいからです。

 「理科・社会を受けなくても良い学校が2,3校あるの。英語・国語・算数の3教科。ちょうど水曜日の塾は理社だけだから、理社を辞めることもできるよ。そしたら、かけっこ教室に戻れるよ」と聞いてみました。

 「ママが決めて。決めるの面倒だから。そもそも、ママが人に相談するときは、自分の中で考えが固まっていないときなんだよ。ママでも分からないのに、僕に決められるはずがないんだよ」。小6にしては、大人びた、そして的を射た答えでした。

 確かに娘をインターに移す決心をしたときは、「小学校は卒業させてもいいのでは?」という夫の反対にも耳を傾けず、「娘をここでこのままにしておいては、娘が駄目になってしまう」と自分の”勘”を信じることが出来た。でも、息子の塾問題に関しては、いや、息子については分からないのです。

 成長が遅かったため、出来ることだけに目を向けて褒めて育てた娘は着実に一歩一歩成長し、一方で賢く何でも器用にこなし、運動もでき、性格も穏やかで友だちとも仲良くできた息子にはあれもこれもと期待し、叱咤激励し、その結果として表情の乏しい無気力な子になりつつある。この段階でどうしたら良いか、途方に暮れています。

 息子に元気を出してもらうために、時間を見つけては近くの公園でキャッチボールをしたり、本屋さんに連れていったり、スーパーに一緒に行ったり、一緒に料理をしたりしています。が、その場では少し機嫌が良くなりますが、根本的な問題解決にはつなっていないようです。そもそも、何が問題なのか、きっと私も夫も分かっていないのかもしれません。

 そんな中、スーパーで栗を見た息子が、「ママ、栗ご飯食べたい」と言いました。そのスーパーでは大きな袋の栗が売り切れ、10個ほど入った小さな袋しかありませんでした。で、さっそく夫に頼んで別のスーパーに行ってもらい、大袋の栗を買ってきてもらいました。

 息子はたぶん、軽井沢の家の近くで小さな栗をたくさん拾い、そのとき訪れていた母と一緒にむいて、栗ご飯にして食べたことを思い出していたのかもしれません。夫が買ってきた栗を息子は一つ一つ丁寧に、栗むき器を使ってむきました。そして、翌日、栗ご飯を炊きました。

 せっかくなので、母を招待しました。その日は息子の塾の日で4時半に家を出なければならないのですが、母と一緒に早めの夕食を取りました。「美味しい!ママ、また作ってね」と言ってくれた息子と「手が痛いからもう栗はむけないの。スーパーで最近売っているのを見て、ああ、栗ご飯食べたいなと思っていたの。食べたかったから、本当に嬉しい」と喜んでくれた母。2人の笑顔を見て、たいそうなことはしなくても、こうして季節の食材を使ってご飯を作って、みんなで一緒に食べたら、こんなに幸せな気分になるんだーと思いました。


 また、栗を買ってきて、息子にむいてもらおう。そして、栗ご飯を炊いて、また、母も一緒に食べようー。幸せは身近にあることに気付いた日でした。

 


2023年10月2日月曜日

ホームページをリニューアル

  私が運営する、ひとり出版社「まりん書房」のホームページをリニューアルしました。9月に巣立った娘がトップページのイラストを描いてくれました。


 この出版社は、がんを患い「自分は長く生きられないかもしれない」と覚悟し、娘のために記した本を自分の納得する形で出版したい、がんを患う患者さんやご家族のお役に立てたいと願い、立ち上げました。

 2冊目の構想を練るうちに、「ホームページをアクティブにしよう」と、今回のリニューアルを思い付きました。私の思いが詰まったまりん書房のホームページをのぞいてみてください。