2023年3月19日日曜日

同期会

 40代のころの私は、病気の治療の副作用による外見の変化から、過去の自分を知る人と会うのを避けていました。今、それもなくなり、シミ・シワなど加齢による変化のみになり、ようやく気後れすることなく集まりに出かけられるようになりました。

 先日、札幌にとんぼ返りし、新聞社時代の同期会に参加しました。20年ぶりです。同期会が開かれたのは、一人が定年退職したためです。

   当時、中途入社として30人超が一括採用されました。年齢幅が広く、様々な前職を持つ同期は皆個性的で、面白い人たちばかりでした。そのうち4人が女性で、全員が結婚を経て、退社しています。

 今回の参加者は12人、女性はわたし1人です。20年ぶりの同期は皆、髪に白髪が混じり、良い感じに年を重ねていました。「村上さん、全然変わらないね」「マスクしているからだよ」「そうか、じゃあ、マスク取れないね」と軽口を叩ける仲。

 参加者の中では、私が一番年下です。超高齢出産なのでママ友たちが若い人ばかりという環境が長いので、こういうのも新鮮で居心地が良かった。 

 鍋をつつき、お酒を酌み交わしながら、様々な話題で盛り上がりました。今回の主役は、最初の奥様をがんで亡くし、男手一人で子供を育て、数年前に再婚した人です。雇用延長はせず、奥様との時間を大切にし、「せっかく生まれてきたのだから、いろいろなことをやりたい」と、新しい仕事を始めるそうです。彼の前途にたくさんの笑いと幸せがあることを願いながら、たくさんお話ししました。

 「村上さん、2次会行く?」「もちろん!同期会に参加するために札幌に来たんだから」と応えて、6人で立ち飲み屋へ。この新しい形態の店が大流行りで、びっくり。6人で話も弾みました。でも、やはり、ここは年齢もあり23時で帰ることに。それでも、「心配だから」と皆がホテルまで、送ってくれました。

「オジサンを引き連れたこの女性は何だ?と思うよね」と大笑いして、ホテルに着きました。皆に「ハイタッチ」し、ホテルの中へ。振り返ると、皆がまだ私を見送ってくれていて、しみじみとした気持ちになりました。

 翌朝は4時半に起床。5時50分札幌駅始発のJRで新千歳空港へ。予約していた11時は、その日予約できる一番早い時間の便で、変更が出来ない便でしたが、ダメ元で空港の窓口へ。始発便の7時50分発は満席でしたが、二千円を支払えばクラスJの席に変更出来るということで、有り難く変更させてもらいました。

 9時半に羽田空港着。空港内を必死に走って、9時35分のバスにギリギリで乗ることが出来ました。自宅最寄り駅に着いたのが10時20分。ここからまた走って、息子の小学校へ。息子のいる5年1組のクラスに着いたのが、10時35分。息子が黒板の前にちょうど立ち、発表を始めるところでした。

 「授業参観はいけないよ」と説明していたので、息子は驚いた表情をし、夫はニコニコしながら、私を見ました。そして、息子の友達が私の方を見て、親指を立てて「グッド👍」の合図をしてくれました。

 全てがギリギリで、でも、間に合い、息子の発表を見ることが出来ました。父が天国で見ていて、采配してくれたに違いありません。

 とんぼ返りの札幌は懐かしく、愛おしく、もう実家はないけれどまた友人達に会いに行こうと、思いました。故郷はいいものです。

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