今朝、デッキに置いてあるプールの水を入れ替えました。一昨日の台風で雨水や木の葉が入り、濁ってしまったからです。夫は昨日からシンガポールに出張。息子は私より体が大きいのですが、やってくれなさそう。で、私がすることにしました。このプールを買ったのは数年前ですが、私が水の入れ替えをするのは初めてです。
まずは、縦2㍍横1.5㍍深さ60㌢のプールに入る水を排水口から出します。が、その排水口が下から15㌢ぐらいのところに付いているために、水がかなり残りました。その段階でプール内をスポンジで洗い、残りの水をバケツですくって、捨てます。
10回、20回と水をすくっては捨てているうちに腰が痛くなってしまいました。プールを持ち上げ一気に捨てたいところですが、重くて私一人の力では出来ませんでした。息子に頼むことにしました。
一杯、一杯水をバケツですくいながら、夫はこれを文句も言わずずっとやってくれたのだなぁと感謝の気持ちが湧いてきました。夫はこれを当たり前のように自分の仕事とし、黙々とプールの水を捨て、スポンジで洗い、新しくてキレイな水を入れてくれた。そこに、私と息子が「気持ちいいねぇ」と言いながら、浸かる。うだるような東京の夏を、冷たいプールに浸かることで、しのいできました。
これは娘も私の母も言うのですが、夫の人生の優先順位は1)家族、2)仕事。取り立てて趣味もなく、友人の数も限られていて、同僚や友人と飲みに行くこともめったにありません。夫から珍しく同僚と飲みに行くという連絡が入ると、娘と「良かったねぇ、ダディ。一緒に飲みに行く人がいて」と手放しで喜ぶほど。
子育てについては常に相談しながらでした。子どもが休みで家にいるときは、夫か私が必ず家にいます。子どもの習い事のお迎えも、夫か私が必ずします。夕ご飯はどちらが何を作るか、毎日メールなどで相談します。食材が少なくなれば、買い出しにも行きます。いつ、どんなときにも連絡が取れます。
という夫ですので、これまで昇進を望むこともありませんでした。社内の権力争いからは常に身を離し、誰の下につくこともありませんでした。ただ、仕事は出来るのでしょう。リストラにあうこともなく、きちんと毎月お給料を持ってきてくれました。
そのような夫に、突然、昇進の話がもたらされました。これまでは日本をマーケットとしていたのですが、アジア全体のセールス部門を統括することになりました。イギリスが本社の世界各国に現地法人を持つ会社で、優秀で出世に意欲的な人も沢山いるのでしょうが、夫に声がかかったそうです。会社側としては「おおっ、こんなところに適任者が…」という感じだったのでしょうか。
外国人ですとこういう場合は「昇給は?」と聞くのでしょうが、夫はそれも聞かず、役割を確認し、仕事に関してのいくつかの条件を出しただけだったそうです。昇給の話は後からきちんとなされたようで、「リフォームや娘の留学で我が家も出費が重なるから、昇給はありがたい」と夫。
私からの夫への昇進のプレゼントは、10年ほど前、夫が昇進したときにプレゼントしたカバンの修理でした。ずっと気に入って使ってくれていたのですが、持ち手などあちこちが壊れて、ここ数年使っていませんでした。
夫はとてもこのカバンを気に入っており、「息子に引き継ぎたい」と言っていました。ですが、修理の見積もりが5万円ほどと高額で躊躇していたのです。でも、いつまで経っても修理しないのも…と思い切って今年の父の日のプレゼントにしようと修理に出しました。
取り替えた取っ手を使い込んだ風合いにしてもらい、外れていた金具を留めてもらい、破れていた中ポケットを張り替え、皮の色合いの変化や傷もそのまま残しつつ綺麗に汚れを取ってもらうーという作業に2ヶ月ほどかかり、父の日に間に合いませんでした。そうこうしているうちに、昇進の話があり、「ちょうど良いタイミング!」と昇進祝いにすることに。夫はこのプレゼントをとても喜んでくれました。
昨日、シンガポールに向かった夫は10日間あちらに滞在し、いくつものミーティングに参加し、クライアントにも会ってくるそうです。また、現地に住む友人にも会う予定を立てていました。「これが僕の最後の昇進だな」と言っていた夫。「こっちのことは心配しないでね」と送り出しました。これまで家族を大切にしてくれてありがとう。昇進、本当におめでとう!
夫から送られてきたカバンの写真。「修理してくれて、本当にありがとう!」というメッセージが添えられていました |
羽田空港から送られてきた写真。国際線JALサクララウンジで日本酒を飲みながらビーフシチューとサラダを食べたそう。ご機嫌でした |
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