2020年10月22日木曜日

一石二鳥 娘の部屋の片付け

 15歳の娘は片付けが苦手です。物を捨てられない母親に育てられてしまったからです。こんな母親に育てられて申し訳ないと思うので、時折「一緒に片付けよう!」と声を掛けます。これまでは娘はいつでも「うん!」と笑顔で答えてくれて、一緒に片付けました。でも、最近は断わるようになってきました。「私は、片付いていない状態が良いの」と。

 先日も同じようなやり取りをして、片付いていない状態が居心地良くなる子に育ててしまった、と私は母親としての不甲斐なさに落ち込みました。さらに、娘に拒絶されたようで、目からは涙がこぼれてきます。そんな私を見て、娘は「本当にママったら・・・」とため息をつき、「ちょっとだけだよ」と言いながら一緒に片付けをしてくれました。

 そんなとき、息子が「僕も手伝う!」と入ってきました。息子にとって娘の部屋は宝の宝庫。娘がその存在すら忘れている、楽しいおもちゃや小物がたくさんあるからです。で、息子が見つけたのはクローゼットの天袋に積んであった「JENGA」。高く積み重ねられた木製のブロックです。

 さっそく、おねえねえに貸してもらいました。こんなに物が溢れているのに娘は弟に「あげる」のではなくて、「貸してあげる」のですね。親の私は「もう使わないんだから、弟にあげれば良いのに」と思うのですが、息子の方もあくまでも「おねえねえに貸してもらい、大事に使わせてもらう」という低姿勢な態度を崩さない。自分の立場をわきまえているんですね。一人っ子の私は、こういう不思議な姉弟関係というか、主従関係をいつも面白がって見ています。

 翌日から連日、息子とJENGAで遊んでいます。JENGAは、ブロックを順番に1本ずつ抜き取って上に積み重ね、倒れたら負けという遊びです。朝、起きたら息子と一緒に遊び、学校から帰宅後も一緒に。

 「ここだけ、台風が通った?」という状態だった娘の部屋が「積み重ねられた物の山がいくつかある」状態にまで改善し、息子と楽しく遊べるおもちゃも見つけられた。娘の部屋の片付けの手伝いは、一石二鳥だったのでした。

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