2020年10月11日日曜日

息子の笑顔と、カフェでのひととき

  先日、地元小学校に通う息子がバスに乗って「社会科見学」に行きました。準備から当日の見送りまで、しっかり付き合いました。息子の成長を感じるとともに、まだ幼さも残してくれていて、親も楽しませてもらったイベントでした。

 「ママ、エチケット袋必要なんだけど、買ってくれる?」 まず、2週間ほど前に息子に聞かれたのが、酔ったときに使う袋のことです。「ママ、僕バスに酔うかな」。「酔わないよ。おねぇねぇはよく吐いたけど」。「そうだよね。僕、具合が悪くなった記憶がないもん。でも、エチケット袋が持ち物リストに入っているんだ」

 息子によると、先生から説明を受けた「エチケット袋」は、吐いたものが袋の中で固まって匂いもしない作りなのだそうです。私は、飛行機の座席のポケットに入っている袋を想像していましたが、もっと進化しているようです。

 息子と一緒に地元のドラッグストアに行きました。息子が店員さんに聞きます。「エチケット袋ありますか?」「エチケット袋?」「はい、車で酔ったときに吐いたものを入れる袋です」「あぁ、ちょっと待ってくださいね」

 店員さんはしばし店内を探してくれましたが、申し訳なさそうな顔で戻ってきました。「すみません、以前は置いていたのですが、今はないようです」

 他のドラッグストアへ。そこには置いてありました。店員さんが「これ、すごくいいんですよ!」と力説しながら、手渡してくれました。

 3日前になると、息子は自分の部屋からリュックサックを持ってきて、リストを見ながらお弁当など当日入れるもの以外のものを詰めました。レジャーシートはどれを持っていくか、など話し合いながら「お弁当のおかず、何がいい?」と聞くと、息子は間髪を入れず「粉チキン」と答えました。子どもたちは私が味付けする「トリ肉のから揚げ」より、日清の「から揚げ粉」をまぶしたものを好みます。それを「粉チキン」と呼んでいます。ちょっぴり残念ですが、まぁ、そんなものでしょう。

 そして、当日。「粉チキン」を心を込めて揚げて、お弁当箱に詰めました。このお弁当箱は息子が幼稚園のときに毎日持っていった「オラフ」のお弁当箱。これを機会に「新しいお弁当箱を買ってあげる」と言いましたが、「お弁当はたまにしか持っていかないから、もったいないよ。オラフで大丈夫」と言います。息子とお弁当箱を選びに行く楽しいひとときを想像していましたが、「あら、そう」と受け止めました。まぁ、こんなものでしょう。

 荷物の点検を終えてリュックサックを背負った息子を、いつものように玄関前の通りで姿が見えなくなるまで見送りました。

 で、考えました。「息子の社会科見学は、一生のうちで今日しかないんだ。嫌がられてもいい。見送ろう」。自宅に戻って、マスクをして、学校に向かいました。まだ、登校時間中なので、生徒たちが次々と校舎に入っていきます。私は校門前で目立たないように立っていましたが、先生たちが次々と私に会釈してくれます。子どもの心配をしている母親というオーラが出ていたのでしょうか。

 校門の前では、一年生の黄色の帽子を被った男の子が「ママ~」と泣いています。校長先生が子どもを抱いて、説得しています。お母さんが何か子どもに言い聞かせながら、きびすを返して校門から離れていきます。「いいなぁ。こんなに求められて」と羨ましく思いながらも、「お母さん、大丈夫ですよ。もう少ししたら、ちゃんと登校できますから」と声を掛けたい気持ちになりました。

 そこで待つこと約20分。少しずつ不安になり、作業をしていた先生に「3年生の社会科見学の見送りに来ました。生徒たちが出てくるのはこの門ですか?」と聞いてみました。先生はにこやかに「ちょっと待ってください」と答え、校舎の中に入り戻ってきてこう言いました。「東門から出てくるようです」。

 慌てて、東門へ。まもなく、息子が元気よく出てきました。先頭の担任の先生が私に気付き、にっこりとほほ笑んで会釈してくれました。息子も笑顔で私に手を振ってくれました。子どもたちを見送ったのは、私と小さな子連れのお母さんの2人だけ。バス停まで歩く息子を見守りながら、「息子はまだ私に笑顔で手を振ってくれるんだ」と嬉しくなりました。生徒たちはこの日、区内の海苔博物館や羽田飛行場などを見学しに行きました。

 見送りが終わり、すぐ帰るのも何となく寂しいので、朝早くから開いている駅近くのカフェに行くことにしました。カフェには人はあまりいず、2階には誰もいませんでした。窓際のテーブルに座り、淹れ立てのコーヒーとイチジクのマフィンを味わいながら、久しぶりに朝のゆったりとした時間を過ごしました。

広々としたカフェでの朝のひとときは最高でした

 

息子に愛されている?オラフのお弁当箱

 息子の笑顔を思い出しながら過ごすカフェでのひととき。ほんわかとした幸せを感じた朝でした。

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