2025年11月18日火曜日

床屋さんの小さな変化

  夫がいつもの床屋さんから帰宅し、寂しそうな表情で言いました。

「Tさん、シャンプーしますか?って聞いてきたんだ。最近、よく●●しますか?って確認してくるんだ。毎回してもらうことは同じで、前までは何も聞かれずにしてくれたんだけど…」

「そうなんだね。あなたのことはもちろん覚えているんでしょう?」

「うん、髪もいつものように完璧に切ってくれるんだけど…、手順をときどき忘れるんだよね。たぶん、奥さんが気付いていて、こちらを気に掛けてはくれるんだけど…」

「そう…。それは、残念だね…」

「Tさんのところへは2002年に行き始めて、もう23年も通っているからね。少し前から、変だなぁとは思っていたんだけど」

「髪を完璧に切ってくれるんなら、しばらくは大丈夫じゃない?奥さんもついているし。でも、そう遠くない将来に、店を閉める時が来るかもしれないね」

「うん。しばらくは大丈夫だと思うけど、Tさん、子どもはいるけどだれも後を継がないようだから」

「そうかぁ…。いつも行っていた文房具屋さんとか、駄菓子屋さんとか、馴染みの店がなくなるのは寂しいよね…」

 Tさんのところには、夫は1ヶ月~1ヶ月半に一度は行っています。ここ数回、帰宅するたびに、Tさんの小さな変化を気にして教えてくれていたのですが、今回はいつもの手順を確認されて、かなりショックを受けたようです。

 最近、私の友人たちから親が物忘れや勘違いなどが多くなったり、弱ってきたりしているのを聞いています。私の父は突然亡くなりましたので、それはそれで受け入れるのも辛いのですが、これまで当たり前のように出きていたことを出来なくなってきている親を見るのも辛いと思います。夫の両親はまだまだ元気なのでそういうこともないですが、身近なTさんの変化はかなり残念なようです。

 夫は社交的ではなく友人も少ないのですが、親しくなった人との関係はとても大事にする人間です。夫が大切にしているTさんがしばらくは床屋さんを続けてくれることを願っています。

 



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