2024年6月20日木曜日

娘の優しさ

  カナダの大学で学ぶ、娘の親友レイちゃんが2泊3日で我が家に遊びに来ました。レイちゃんと会うことを何よりも楽しみにしていた娘。高校時代と変わらず、おしゃべりに花を咲かせる二人を見て、私も胸を撫でおろしました。

 実は娘は、レイちゃんと連絡が取れず心配な時を過ごしていました。ラインが既読にならないーと娘から相談を受けたのは、5月。1カ月以上も既読にならないというのです。娘は既読にならないラインのチャットのスペースに、連日、文章を書き続けていました。

「ラインを見ない理由があるんだよ。しつこいと思われるから、書くのを少しやめてみたらどう?」

 私は、レイちゃんがカナダの友人たちと親しくなって、娘のことを忘れがちになっているのではと心配しました。

「でも、既読にならないのはおかしい。何かあったんじゃないか、と思うの。それに、私は返事ちょうだいとか、何で読んでくれないの、とかは書いていないよ。日々こんなことがあったんだよという報告なの」

「分かるけど、ラインが沢山溜まるって、レイちゃんには負担かもよ」

「ママ、レイのママに連絡してくれる?」

 私は、娘が傷つくのではと心配しました。親として出来ることは、しつこくラインにメッセージを書くことでさらに嫌われるという状況を避けさせるということだけでした。そして、大学生の親が友人関係に口出しするのは、あまり良くないとは分かっていましたが、安否確認ならしても良いと考え、レイちゃんのママにラインをしました。娘がレイちゃんと連絡が取れないので、何かあったのではと心配している、と。

 早速、レイちゃんのママから返信が来ました。

「ごめんなさい。レイはちょっと精神的に落ち込んでいて、人と連絡を取っていないの。これから、連絡してみるね」

 そうしたら、翌日にレイちゃんから娘に連絡があったのです。娘によると、レイちゃんは友人関係のトラブルに巻き込まれ、憔悴しきっていたとのこと。誰とも連絡を取りたくなく、籠っていたというのです。娘はレイちゃんの話を聞き、私にこう言いました。

「レイが一番大変なときに、側にいられなくて申し訳なかったと思う。レイの側にいたら、話を聞いたり、慰めたりできたのに」

 レイちゃんが1カ月以上も娘とのラインを見なかったことを残念に思うことも文句を言うこともなく、ただただ、レイちゃんのことを心配した娘。私は娘の優しさに胸を打たれました。親バカかもしれませんが、レイちゃんは娘のような愛情の深い、優しい子とお友達で幸せだなぁと思いました。もちろん、レイちゃんもとても良い子ですので、レイちゃんというお友達がいて娘は幸せだといつも思っていて、私も夫もレイちゃんを大事にしていますが、同じぐらい、レイちゃんは娘という友達がいて幸せだと思うのです。

 夫ともいつも、私たちは娘のような良い子の親になれて幸せだねーと言い合っています。娘はとても愛情の深い、優しい子です。将来、娘のこの愛情の深さを愛おしく思って大事にしてくれる人に出会えますようにと願わずにはいられません。

レイちゃんがいると食卓も賑やかになります


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