2023年6月1日木曜日

キーピング

  皆さんは、シーツの仕上げは糊付けですか?それとも柔軟剤ですか?

 これまでずっとシーツの仕上げは糊付けだと疑問も抱かず信じてきましたが、柔軟剤で仕上げる人がいることを、初めて知りました。仲良しのママ友2人です。先日、初めての夜のお食事会で語り合ったときにこの話が出たのです。

 話はいきなりそれますが、ママ友との交流の場は子どもたちが幼稚園に通っている間は朝子どもたちを園に送った後のお茶、小学校に通っているときは保護者会の前のランチなどです。夜の食事や飲み会はほとんどありません。が、幼稚園で一緒だったお友達が別の小学校に行ったり、または、働き出すママも出始めますので、日程調整が難しくなります。ということで、先日は比較的出やすい土曜日の夕方に和食レストランで3人で会うことになったのです。

 で、シーツの話に戻ります。なぜ、この話かというと、私が長年使ってきた花王の「洗たく機用キーピング」が昨年の3月で販売が終了になって困っていたためです。気付いてすぐアマゾンや楽天を検索してみたら、一本二千五百円ぐらい(当時は数百円だったと思う)になっており、高過ぎて買えなかったのです。たまたま、軽井沢の家に1本あり、それを東京に持ち帰って、普段使う半分の量に抑えて、大事に使ってきました。が、それもそろそろなくなりそうなのです。

 そこで、二人に「私が使っていたキーピングが販売終了になって困っているの。皆、糊付けはどうしているの?」と聞いてみました。もちろん、期待していたのは「キーピング残念だよね。でも、代わりに●●を使っているよ」という情報提供。

 私の話を聞いたユキちゃんとクミちゃん。2人は驚いた表情で、「えっ、私、柔軟剤入れているけど…」と答えたのでした。仰天しました。つまり、二人ともシーツは「パリッ」ではなく、「ふわっ」と仕上げるのだそう。し・ん・じ・ら・れ・な・い。 シーツは昔から「パリッ」に決まっているじゃないですか。私の母だって、ずっとパリパリに糊付けしたシーツを使っていました。

 すると、ユキちゃんがこう言いました。「そういえば、実家の母もシーツはパリッとした糊付けだよ」。そうか! ここで私は膝を打ちました。ユキちゃんは私より17歳(たぶん)年下。ざっくりと言えば、私はユキちゃんのお母さんの世代なのです。私より10歳下のクミちゃんも柔軟剤派。クミちゃんは「パリッと糊付けされたシーツは気持ちいいけど、枕カバーはふわっと柔軟剤仕上げしたもののほうが肌に気持ち良いかも」。そうすると、糊派と柔軟剤派の世代の境界線は、もしかしたら、私とクミちゃんの間にあるのかもしれません。

 シーツ仕上げの「糊派」と「柔軟剤派」について考えを巡らせてみると、背景として考えられるのは使う洗濯機の違いです。つまり、洗濯から脱水まで行う縦型の全自動洗濯機全盛の時代を経た世代と、乾燥機能まで一体になったドラム式の洗濯機が主流になった時代を生きる世代の違いです。

 私は今もドラム式の洗濯機は使わず、縦型洗濯機を使っています。乾燥機能が装備された全自動洗濯機の黎明期を知る私は、あの仕上がりの”気持ち悪さ(生渇き)”を経験し、それ以来、衣類は外干しと決めています。お日さまの下でパリッと乾かすのが大好き。雨の日は、部屋干し+乾燥機仕上げです。乾燥機はコインランドリーで見かける乾燥機能だけのシンプルな機械です。でも、若い世代のママ友のほとんどが、ドラム式の洗濯機を使い、乾燥までするらしいというのはこれまでの”取材”で知ってはいました。

 「ドラム式で乾燥するとしわにならない?」「白物と色柄物を別に洗濯したいときは乾燥まですると時間かからない?」「縦型だと白物終わってすぐに色柄物洗えて便利だと思うんだけど」などと、質問してきました。が、今回、仕上げ剤の違いにまで話は及んできました。

 ネットで調べていくと、キーピング廃盤の背景には、ワイシャツなども柔軟剤で仕上げる人が増えてきて、洗たく機用の糊の需要が減ってきたということあると分かりました。ワイシャツを柔軟剤仕上げ? 私は男性のパリッとしたワイシャツ姿が好き。でも、夫のシャツを何枚も糊付けしたりスプレー式の糊をかけてアイロンがけをするのが面倒なため、クリーニングに出しているのでした。洗濯機の変遷だけでなく、仕上がりの好みの変化にも、洗たく機用のりの需要低迷と販売終了の理由があったのです。

 さて、キーピングです。洗たく機用の糊です。他のメーカーでも販売しているようですが、情報収集もとん挫し、また、試しに買ってみて使う気持ちにもなれません。かといって、洗ったシーツをいちいちスプレー式の糊を振りかけてアイロンがけするのも面倒です。で、思い切って、市場に在庫がなくなる前に、アマゾンで買うことにしました。調べてみると、キーピング1本(600ml)と詰め替え(480ml)1本のセットで5800円が一番安かった。

 買うか買うまいか、ずいぶん悩みました。手元にあるキーピングのボトルの説明を改めて読んでみるとシーツ1枚で使うキーピングの量は13ml(私はその倍の量を使っていました)。電卓をたたきました。(600+480)÷13≒83。新たに買うキーピングは83回分。5800÷83≒70。1回につき70円。1回70円で、83回も気持ち良く仕上がったシーツを使えます。 清水の舞台から飛び降りることにしました。

 昨日、商品が届きました。ずいぶん高い買い物でしたが、これからもしばらくはパリッとしたシーツで寝られると思うと、気持ちが安らかになるのでした。



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