2022年11月27日日曜日

ポップコーン&コットンキャンディ

  昨日のブログで、物事には両面があり、悪い出来事も後に良い事をもたらすこともあると書きました。今日は大学院の指導教員のアカデミック・ハラスメントに悩む中で、目を他に向けたことで得た良い出来事をもう一つお伝えします。

 半年以上も指導教員の対応に悩み続け、「このままでは鬱病になるか、体から壊れていくかもしれない」と危機感を覚えていました。こうした場合、普通は家庭での日々の暮らしやお友達との関係を見つめ直おすことと思います。

 我が家は普通のご家庭のように、それなりに毎日何かが起こりますが、基本的には家族が仲良く、子どもたちと私との関係も良好です。娘と息子の子育てを通じて知り合った”ママ友”たちにも仲良くしてもらっていますし、古くからの友人とも連絡を取っており、毎日幸せを感じながら、生活しています。

 私が指導教官との関係で悩んだ最も大きな点は、「あなたはこんなことも出来ない」「役に立たない」と言われ続け、研究の内容も方向性も、がんサバイバーとしての視点も全て否定され、時に嘲笑さえされたことでした。社会の一部である彼女に、私という人間を全面的に否定されたため、私は自分が無価値な人間だと思うようになっていました。夫からは「家族が君を必要としている」と慰められてはいましたが、私に必要だったのは、社会との関わりの中で「自分は受け入れられている。役に立っている」と感じることでした。

 今回、改めて目を向けてみたのが学校のPTA活動でした。子どもたちが小さかったころは積極的に参加していましたが、大学院に入ってからは、あまり手伝いが出来ていませんでした。ですので、今回娘の通うインターナショナルスクールのクリスマスイベントがありましたので、この手伝いに手を挙げてみました。

 まずは、お母さんたちの任意の集まり、月に一度の「コーヒー・モーニング」に参加。そこでクリスマスイベントで出店する各ブースの責任者を募っていることを知りました。娘の学校では春とクリスマスの時期に、大規模なバザーを開きます。日本、中国、アメリカ、韓国など各国のお母さんたちが中心となって、その国の料理を作って販売し、収益を学校や施設などに寄付するのです。

 販売するのは食べ物と各家庭から集めた不用品などで、子どもたち向けの遊びコーナーもあります。フードセクションでは、ジャパニーズブースは焼きそばや焼き鳥、チャイニーズブースではシュウマイや餃子などを販売。アメリカンブースはハンバーガー、ジャーマンブースではソーセージとプレッツェルとビール、コリアンブースではチジミを販売します。ワインやクレープを売るブースもあります。すべてお母さんたちが協力して、材料の仕入れから調理、販売まで行います。お父さんたちも手伝います。そこで私が手を挙げたのはポップコーンとコットンキャンディ(綿あめ)ブースでした。

 事前にPTAが保管している綿あめの機械で試作をし、一個を作るのに必要な時間とザラメの量を確認。青や赤、白いザラメ、箸などをアマゾンで購入。同じ学年のお母さんたちにボランティアを募りました。6,7年前に一緒にコットンキャンディブースを担当したお母さんが飾り付けを引き受けてくれました。また、他の学年のお父さんで綿あめの機械を持っているという人にPTAを通じて連絡を取り、機械を借りることにしました。コットンキャンディづくりの”プロ”であるそのお父さん・シゲさんとは価格や一回に使う量なども相談しました。

 11月18日のイベントの前日には、飾り付け担当のお母さんがブースを置くカフェテリアに行き準備をしてくれました。




  当日は夫も子どもたちも手伝いです。夫はポップコーンを作り、子どもたちは綿あめを作りました。シゲさんは「Cotton Candy」のイラストが付いたTシャツを作ってきてくれ、終日綿あめを作ってくれました。同じ学年のお母さんたちも手伝ってくれ、全てが順調でした。1個200円で販売したポップコーンと綿あめは長い行列が出来るほどの人気でした。

 後日、各ブースの売り上げが発表されました。フードセクションの中で一番販売額が多かったのはコリアンブースの27万円、次いでチャイニーズブースの22万円。この2つのブースは毎年、売り上げを競っているのです。私が担当したポップコーン&コットンキャンディブースは11のフードブースの中で7番目の9万3千円。経費を差し引いた利益は何とアメリカ、ドイツ、日本、ラテン、インドを抜いて、3番目の7万7千円でした!

 12月中旬、学校が冬休みに入ってから、皆で打ち上げをすることになりました。そのときにはコロナがどうなっているかは分かりませんが、学校も終わっていることですし、大丈夫と考えて企画しました。帰国する人を除いて、ボランティアの人は全員参加することになりました。楽しみです。

 このように、悪い出来事も気持ちを切り替えることで、良い出来事に出合うきっかけになります。最近は、あの指導教員に感謝の気持ちすら芽生えてきました。傷んだ心も徐々に回復しつつあります。

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