2022年11月25日金曜日

家庭科ボランティア

  昨日は暗い話を書いてしまいましたが、今日は一転、明るい話をお伝えします。物事は往々にして悪い面もあれば、良い面もあります。この春からの大学院の指導教員の対応で随分悩みましたが、良い点を挙げるとすると、自分の身の周りの幸せに気が付いたことでした。

 指導教員が良ければ、私は研究に没頭していたと思います。が、指導教員の対応が入学当初からハラスメントに近いものでしたので、そこでのストレスを少しでも軽くするために、自分の身の周りに目を向けてみました。そうすると、幸せは身近にたくさんあることに気が付いたのです。

 今日は小5の息子の学校で家庭科教室のボランティアをしてきました。ミシン縫いです。上糸と下糸を取り付け、直線縫い、返し縫いをする生徒たちの手助けをするのです。上糸のかけ方が間違っていたり、下糸が思うように上に出てこなかったり、途中で糸が絡まってしまって縫えなくなったり…。皆一生懸命で、本当に可愛い。

 我が息子は、あっという間に縫い終わりました。「結構、出来るじゃない」と感心しました。意外だったのは、運動神経が抜群に良い男子たちがリズミカルに縫っていたこと。運動神経の良さは、一つ一つの行程をテキパキとこなすことにつながるのだな、と気付きました。

 最も感動したのが、1年生のころから学校に来るのに苦労していた男子です。毎日のように泣いていて、お母さんは必死になって、学校に連れてきていました。大泣きしているその子を、なだめたり、叱ったりしながら、とにかく学校の玄関まで連れてきていた。そんなお母さんをいつも、「偉いなぁ」と思いながら、見ていました。

 その子が今日、それは上手にミシンを使って、丁寧に縫っていたのです。その様子を近くで見ながら、私もとても嬉しくなりました。お母さん、本当に頑張ったなぁ、とお母さんの姿を思い浮かべました。授業が終わったあと、先生に「M君、上手でしたね」と言うと、先生も「M君、家庭科がとても得意なんです」と嬉しそうでした。

 心が癒された1日でした。指導教員のハラスメントがなければ、こういう貴重な体験は出来なかったと思います。そう考えると、人生において一見悪く見える出来事は、実は良いことをもたらすこともあるのですね。

 

 

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