「ママ~。やってもやっても追いつかないの」ー。先週、学校帰りの娘からこんな電話が連日かかってきました。毎回、泣きながらの訴え。インターナショナルスクール12年生(日本の高校3年生)の娘は現在、学校の課題や大学への出願書類の準備に追われているのです。
「どんなに頑張って課題を出しても、出来て当たり前で褒められることもない。逆に出来なかったら、叱られる。もう、辛くて辛くて」と娘。
娘は、国際バカロレアという世界共通の大学入学資格を得るためのプログラムで学んでいます。各教科の課題はそれは大変で、娘は連日深夜まで取り組んでいます。それに加えて今は、大学出願の書類を準備しており、てんやわんやの忙しさ。ストレスで娘の顔にはニキビが噴き出ています。
私が出来るのは毎朝、お弁当を心を込めて作ることと、娘が話したいときはどんなときでも聞いてあげること、そして毎日ハグをすることだけです。
先週水曜日の電話は、「5000字書くはずのエッセイを1000字しか書けず、先生にがっちり怒られたの」というもの。叱られた後、トイレに駆け込んで泣いたといいます。ちょうど、私もその日、指導教員にひどい言葉を投げかけられ、耐え切れずにトイレで泣いたので、娘の気持ちが良く分かりました。
「それは辛かったね。でも、頑張ったじゃない」
「今の段階ではみんな1000字ぐらいしか書いていないのに、なんで私だけ叱られるの?先生にも理由があったんだと思うけど、辛くて職員室から真っすぐトイレに行って泣いたんだよ」
「頑張っていたから、叱られるのは辛いよね。実はママも今日指導教員にひどい言葉を言われて、トイレで泣いたんだよ」
「ええっ、ママも。ねぇねぇ、ママ何て言われたの?」
「会議に参加しようと皆が座るテーブルの後ろのほうに遠慮して座ったんだけど、『役に立たないから、参加しなくてもいい』って言われたの。人格を否定する言葉で、耐え切れなくて、トイレに行って泣いたの」
「えぇ、ママ、可哀想。ねぇ、ママ何時ごろ泣いたの?」
「11時半ぐらいかな」
「私は10時半ごろ。同じ時間だったら、面白かったね」
「あははっ、そうだね」
同じ日の午前中という偶然に、二人で大笑いしました。
翌日の11月3日は、娘の学校の運動会でした。高校最後の運動会、娘はバトミントンに出場すると言います。
「明日のお弁当何がいい?」
「そうだね、試合に勝つように、カツ丼がいい」
「了解! 美味しいカツ丼作るからね」
「うん!」
初めは暗い声で話していた娘も、カツ丼の話ですっかり明るくなりました。2022年11月2日は、母娘それぞれがトイレで泣き、お互いに慰め合った日となったのでした。
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