2021年12月13日月曜日

「二月の勝者」は現実そのもの

 土曜日午後10時に日本テレビで放映されているドラマ「二月の勝者」ー。東京の中学受験塾に通う子供たちと、塾講師、そして家族を巡るこのドラマは、東京の塾激戦区に通う子供たちの実情をよく表しています。

 ママ友のほとんどが見ていて、先日久しぶりに開かれたランチ会でも話題になりました。昨春息子が中学受験を終えたママは「6年生の親にとってはリアル過ぎて、見ると辛くなるかもね」とコメントしていましたので、かなり現実に即した内容なのでしょう。

 私の小4の息子も中学受験に向けて塾に通っていますので、私は原作の漫画を読んでいました。既刊14巻は全て購入したほど、関心があります。

 原作を読んでいますのでテレビドラマにはさほど興味を持っていなかったのですが、ママ友たちに勧められ、先々週見始めました。テレビドラマですので、多少の誇張はありますが、現実は本当にあの通りと感心しました。すっかり”ハマって”います。

 先々週は、塾の入り口に貼られたクラス替えの結果を見て、子どもたちが喜んだり、落胆したりするシーンで始まりました。息子の塾でも紙こそ貼られていませんが、クラスは毎月行われるテスト結果により、成績順に割り当てられます。その結果で親子共々一喜一憂するのは同じです。

 息子の塾のホームぺージで、テスト結果の詳細とクラス分けの基準点について見られるようになっています。ですので、自分の子どもは何点足りなくてクラスが下がった、もしくは、ギリギリの点数でかろうじて同じクラスにとどまったなど即座に分かります。

 テストの解答の一つ一つには、ご丁寧にも正答率がついています。ですので、たとえば92%の子どもが正解だった問題でミスしたけれども、8%の子どもしか答えられなかった問題で〇をもらった。単純ミスをいくつか無くせば、上のクラスに上がれる…などと分析出来てしまうのです。

 これが親の精神衛生上良いかどうか分かりませんが、しっかりとした親はこういうのを分析して、子どもの得意なところや弱点を知り、効果的な勉強をさせているかもしれません。

 前回のテストで、息子は苦手な国語社会のクラスを1つ下げてしまいました。意味のなさない、ひらがなが並ぶ息子のテスト解答用紙を見て、ため息が出るばかり。正答率を見て分析どころではありません。「これを読む先生もすごい」なんて感心してしまうぐらいの状態です。

 3カ月前には得意な算数理科のクラスを2つも下げてしまい、そこからなかなか上がりません。時折、息子は「問題がよく分からないんだ」と言っており、国語の習得が遅いという問題が全てに波及しているような気がしました。娘もちょうど小学校4年生あたりで、国語に遅れを取り、それが今でも響いています。ここで手を打たなければ大変なことになるかもしれないーと考えました。

 中学受験を昨春成功裏に終わらせた男子を育てるママ友2人にラインで聞いてみました。すると1人のママは、「男子は国語駄目なのよ。ましてや塾の問題は、”御三家”狙う子に合わせているから、難しいのよねえ。うちは集団塾に加えて個別指導塾に通わせていたわよ」とのこと。もう1人も「うちは偏差値30台まで落ちたから、5年生から個別指導塾にも通わせた。6年生になってからは過去問だけやってもらったわ」ー。偏差値30台の子が身近にいたというだけで、気持ちが落ち着きました。そして、賢いママは早々に次の手を打っているのです。ここは見倣わなければ…。

 右往左往していた私ですが、ママ友に勧められた国語専門塾に連絡を取り、先日、息子に体験をさせました。入会する予定です。息子には週2回行っていた水泳教室を当面の間週1回で我慢するよう伝えました。

 息子は「偏差値30台まで来たから、今度は20台を目指すね」などと初めはふざけていました。が、私に「そっちの方向、やめてほしいんだけど」と呆れられ、「分かったよ。今はプールより、国語の塾に行ったほうが良いと僕も思うし」と少し残念そうな表情で納得しました。自分でも、授業で分からないことが増えているのが、嫌なのでしょう。中学受験は本当に大変です。息子は、いいえ、私はこの受験を乗り切れるのでしょうか。

 さて、息子の通う公立小学校ではたくさんの子どもが中学受験をします。ですので、息子の仲の良いお友達は全員、塾に通っています。皆4年生のうちは塾に加えてサッカーや水泳、楽器などの習い事も続けていますので、遊ぶ時間もほとんどなくなっています。が、一昨日、息子が「〇〇君に、漫画買いに行こうって誘われた!」と喜び勇んで帰ってきました。

 本当はその日に塾の小テストがあったので復習させる予定だったのですが、友達との遊びは優先順位1番。塾の道具を急いでリュックに詰めさせ、待ち合わせ場所の駅前に車で送りました。息子の勘違いで、行っても誰もいなかったーということがあると可哀想ですので、そのお友達のママに電話をしてみました。すると、その子もママにうちの息子と漫画を買いに行くと報告しているようです。安堵するとともに、習い事までの隙間時間に一緒に出来ることを見つけるなんて、賢い子だなと感心しました。

 駅前の広場で男子2人が走り回っていました。その友達を見ると私まで嬉しくなりました。「いってらっしゃい!塾に遅れないようにね」。友達の方に向かって走る息子のリュックが、上下に弾んでいました。

 

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