2020年5月29日金曜日

オンライン授業 大学院の場合

 2週間ぶりのブログです。娘のアート作品の話を書いた15日以降、私は何をしていたかというと、勉強していました。ずっと、勉強していました。「生物統計学」という学科なのですが、うなりながら問題を解いていました。在宅学習中の息子を横に座らせ、学校の宿題や公文の問題をやらせながら、私自身も分厚い教科書を読み込んでいました。ノートに図を書いたり、式を書いたり、電卓をバチバチ叩きながら、必死に取り組んでいました。

 新型コロナウイルス感染防止のため、私の通う大学院が閉鎖となってから約2カ月。先日、緊急事態宣言が解除されましたが、しばらくはオンライン授業が続く予定です。初めはオンライン会議システム「ズーム」を使っての授業は慣れない面もありましたが、何とかついていっています。
 
 4月から7月までの前期は4科目11単位の履修登録をしていましたが、3科目が延期。1科目だけオンラインで4月初旬に始まりました。オンライン授業でも学校での講義と同様、先生はパワーポイントで作ったスライドを用います。違いはそれが講義室でスクリーンに映し出されるか、パソコンに表示されるかの違いのみ。質問があれば、講義室では声を上げますが、パソコン上では音声をオンにして聞くので、これも同じ。講義を受ける場所が学校から自宅に変わっただけで、学ぶ態勢はあまり変わりません。

 で、私が今学んでいる「生物統計学」。難しいことは知っていましたので、30年以上ぶりに学校で学ぶためにあたふたするであろう1年目で履修せずに、満を持して2年目の今学期に履修しました。英語で学ぶ環境やパソコンやソフトなど学習に必要な機器の使い方にも慣れましたが、それでも、難しいものは難しい。

 毎週の講義の後は「クイズ」が出され、1カ月に1度の割合で「宿題」が出されます。いずれも点数がつけられ、毎回、自分が何点取り、クラスの中でどの位置にいるのか示されます。このクイズを解くのに、10時間以上はかかります。クイズですので、設問は7、8問ですが、教科書を読み込んで理解してようやく解けます。

 一昨日にオンラインで提出した「宿題」。これには30時間以上かけました。前回はゴールデンウイーク明けに締め切りがあり、休暇中はほとんど「宿題」にかかりっきりでした。2回目の「宿題」の今回、設問は14問。意味の分からない問題を何回も読み、「どうやって、解けばよいの?」と絶望的な気持ちになり、一旦はあきらめそうになりながら、もう一度教科書に戻り、何度も読み返し、公式をあてはめて計算していくうちにようやく霧が晴れたように解けるー。その繰り返しでした。

問題を解いては大きく×印をつけて、やり直すー。生物統計学の勉強はその繰り返しです
締め切りの2日前に、学生2人から先生へ質問できるコーナーに「先生、テキストを読んでも、グーグルで検索しても、分かりません。ヒントをください!」という悲鳴にも似たコメントを寄せられました。「ああ、皆同じなんだな」と思いつつ、私はすべて終えた後でしたので、先生がどの公式を使うかヒントをいくつもあげてしまい、がっかりしました。

 どの公式を当てはめるのか、どの前提で式を組み立てていくのか、を学生に考えさせるのが宿題の狙いでしょう。それさえ分かれば、問題は簡単に解けます。それを締め切りの2日前に教えても良いのでしょうか。ちなみに、その「宿題」が配布されたのは2週間前。その間、必死に勉強して早めに提出した人が損をするような対応は間違っていないでしょうか。私は先生にメールで抗議しました。

 「私はこの宿題の目的は、学生たちの理解度と、難題に対して果敢に挑戦していく意欲を測るものと理解していました。学生が長い時間をかけて取り組んでいることに対し、締め切り直前にヒントを与えるのは、不公平ではないでしょうか。結果として、自力で問題を解いた学生もヒントをもらった学生も同じ点数となり、それが成績に反映されます。私は自分のかけた時間と努力が無駄に終わったと、とても残念に受け止めています」と。落胆した気持ちで心は一杯でしたが、文面は冷静で、かつ、悔しさもにじませたものにしたつもりです。

 先生からは、数時間後に返信がありました。先生は明るく、かつ、リラックスした国民性のオーストラリア人です。真面目な日本人の、しかも中年学生からの抗議文をどう受け止めたのでしょうか。

「フィードバックをありがとう。私は常に、学生たちに公平であることと、理解できていない学生を救うことのバランスを取るのはとても難しいと感じている。その判断をなかなか正しく行えない。でも、宿題に懸命に取り組んでくれてありがとう」

 一昨日の「宿題」に続いて、昨日7回目の「クイズ」を提出しました。すっかり、やる気を失ってしまいましたが、今日夕方5時に「中間テスト」がオンラインで配られます。締め切りは来週の月曜午前9時。教科書を見ても、グーグルで検索しても、同級生と相談しても良い。何をしても許される「テスト」は一筋縄ではいきません。

 今日の午前中はこのブログを書き、いつものように家事をして、息子の勉強を見ています。夕方から、また、数字や公式と格闘します。頑張ります。
 

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