2020年2月24日月曜日

小学校の公開授業で

 一昨日の土曜日、息子の小学校で公開授業がありました。3時間のうち楽しみにしていたのは、1時間目の「食育」の授業。息子が前日「たくさんの魚にさわれるんだよ」と言っていましたので、私も夫も楽しみにし、張り切って1時間目から行きました。

学校の家庭科室に行くと、凍った魚がずらりとテーブルの上に並んでいました。校長先生が親たちに誇らしげに説明します。「山口県萩・岩見空港から、今朝空輸されてきたんですよ」

一つ一つ見ていくと、サメ、ハリセンボン、マンボウなど46種類もあります。こんな”新鮮”な教材を使って学べるなんて、今の小学生は何と幸せなのでしょう。そんなことを考えながら魚を眺めていると、娘が通うインターナショナルスクールで行われた授業のことを思い出しました。小学校5年生のときのことです。豚の頭から脳を取り出して解剖するという授業があったのです。娘は帰宅後あっけらかんと、「脳を手に持ってみたんだよ」と説明してくれ、そのときは「あら、すごいわね」とだけ返しました。が、後に学校で写真を見せてもらったときは、「これをさわれた娘はすごい」と感心したものです。

さて、この日は静岡県からゲストティーチャーが来ていました。先生によると、日本の周辺の海域には約3000種類の魚がいるそうです。また、魚の特徴についても説明してくれました。
「人間が感じる温度1度は、魚にとって10度ぐらいなんです。だから、釣りをして海に戻すときは、一旦手を海水で冷やしてから触ってくださいね」
なるほど。
「魚の視力は0.1ぐらいとあまり見えませんが、耳はよく聞こえるんですよ」
なるほど。子供たちだけでなく、親も学びました。

山口県から空輸された魚。46尾ありました

「魚は持ち帰ってくださいね。85度で5分ぐらい加熱すれば、ウイルスは死にますので」と先生。息子の学年の3クラス全部の授業が終わった後、魚を持ち帰りたい父母がまた家庭科室に集まりました。実は私は遠慮したかったのですが、息子に「ママ、魚もらった?」と聞かれるのは分かっていましたので、もらうことに。

先生が「お父さん、お母さん、新聞紙とビニール袋がありますのでこれに入れてください。魚の数は限られていますので、譲り合ってくださいね」と呼び掛けます。魚屋さんで買うと1万円ぐらいする魚もあるそうです。緑のシートを敷いたテーブルの前に集まったお父さんたちは次々と大きな魚を選んでいきました。お母さんたちは、「どうしようかなあ」と言いつつ、なかなか手が出ません。もらう理由は私と同じらしく、持ち帰りに便利な小さな魚を選んでいました。私は10センチほどの大きさで、うろこがない、さっぱりとした外見の魚を選びました。
私が持ち帰った魚
「かいわり」という魚で、見たことも聞いたこともない魚です。が、目が澄んでいて、食べられそうです。それを新聞紙でくるみ、ビニール袋に入れて、家庭科室を出ました。一緒に下校するため、校門の前で息子を待ちました。校舎から出てきた息子は開口一番、私に聞きました。
「ママ、魚もらった?」
楽しみにしていたのですね。良かった、もらっておいて。
「もらったよ。見てごらん」
歩きながら、ビニール袋を広げます。
「綺麗な魚だね」と息子。
魚の中には、フグもありました。持ち帰る勇気のある親はいたのでしょうか? ハリセンボンはどうだったのでしょう? 

さて、自宅に帰って、「かいわり」についてインターネットで調べてみました。「アジの仲間で、とても美味しい魚です」とありました。「おっ、いい魚を選んだのね」とちょっぴり誇らしげな気分に。

新鮮なうちに食べようと、ランチのおかずにすることにしました。3枚におろそうかどうしようか迷っていると、息子が「僕、内臓をとってみる」といいます。包丁で腹に切れ目を入れてあげると、その中に手を入れて、取り出しました。嫌がるかと思いきや、ちゃんとできるのですね。豚の脳を触った娘もこんな感じだったのでしょうか。

魚の内臓を取る息子

どう調理しようか迷いましたが、結局はオリーブオイルで焼き、シンプルに塩・コショウ・イタリアンパセリで味付けしました。ミニトマトと、作り置きしていたピクルスを添えました。

この日のランチのおかずになりました
あっさりとして、美味しかったです。子供たちも、「美味しいね」と食べましたが、夫だけは「僕はいらない」と言い、食べませんでした。やはり、魚が豊富な国に生まれた私たちと違い、肉を食する国に生まれた夫(夫は私と出会う前はほとんど魚を食べませんでした)は、見知らぬ魚を食べる勇気がなかったのかもしれません。

0 件のコメント: