2021年8月28日土曜日

娘がインター11年生に

  娘の通うインターナショナルスクールで8月23日、新年度がスタートしました。娘は11年生になりました。11年生と12年生の2年間で国際バカロレア(IB)というプログラムに入って勉強します。

 IBとは国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する教育プログラムのことです。IBのプログラムに入るためには10年生(日本の高1)の段階で、英語、数学、理科、芸術、外国語(日本人には日本語)、社会科学(歴史学・経済学・心理学・哲学など)の6分野すべてにおいて先生からの推薦が必要となります。このうち1分野でも推薦がもらえないと、IBプログラムに入ることが出来ません。

 娘は物理・生物・化学の3科目がある理科の分野で成績が上がらず、推薦がもらえませんでした。が、推薦をもらえなかった生徒への最後の挽回のチャンスである「学年末テストでAを取ること」を達成し、新学期が始まる1週間ほど前に学校から「A+の成績を取ったのでIBプログラムに入ることを許可する」と連絡をもらえました。

 この学年末のテストは学校が提供するテストではなく、IBプログラムを実施する機関によるテストのため答案用紙は英国に送られ採点されるので、結果が出るのに2カ月以上かかりました。娘が夏休み中寝てばかりいたのも、もしかしたら「IBプログラムに入れなかったらどうしよう?」と不安に思っていたのかもしれません。

 親子ともどもじりじりとした気持ちで待って、結果が良かったため安堵しました。娘は予想以上に頑張りました。野球にたとえると、まさに9回裏ツーアウトでの一発逆転ホームランでした。

 夏休みはずっと寝たりアニメを見てすっかり夜型の娘でしたが、学校から連絡をもらってから自ら朝方にシフトし、新学期に備え始めました。「IBに入れたときに備えて、理科の勉強もしなさいって言ったでしょ?」という私に、「夏休みを寝て過ごしたこと、全く後悔していない」とキッパリ。「私は寝ることが何よりも好きなの。夏休みにたっぷり寝られて幸せだった。親に食事を作ってもらって、ずっと寝ていられるなんて、もう一生出来ないと思うから」。

 さて、娘がプログラムに入ったため、改めて内容を見てみました。かなり大変です。日本で言うところの文武両道を目指し、かつ、社会で役に立つ人間を育てる”全人教育”のようなプログラムというところでしょうか。

 初日は学校からIBプログラムについての説明を受けた娘。帰宅後、「勉強以外にも課外活動、運動、ボランティア活動もしなければならないのから、大変」と困惑気味に語っていました。それぞれ規定の時間数があるらしく、「家庭教師の経験とヴァイオリン、それと、来年夏に行くイギリスのサマースクールでは時間数を満たせないの。ボランティアをどうするのかも考えなければ」とうなっていました。  

 娘は成長がゆっくりとしていて、小さなころからいろいろと心配が多かった子でした。アートや音楽は得意でしたが、普通の勉強の調子がなかなか上がらなかった。自分に自信が持てず、友人関係も不安定でした。でも、IBプログラムに入れたことで少し自信をつけ、将来の目標を定め、それに向けて努力を始めました。成長しつつある娘を見て、これまでの娘は”さなぎ”だったのだなぁとしみじみ思います。

 「あの子は僕らがずっと一緒に暮らして、面倒を見なければならないかもしれないね」と夫と話していたのはつい数年前のこと。もしかしたら、蝶になって飛び立つ時期はそう遠くないかもしれないーと娘の成長ぶりを見ながら思う今日この頃です。

朝、電車の駅で手を振る娘


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