オーストラリアの大学に留学する娘は、「動物の苦しみを減らしたい」という理由で、動物由来の食材を一切食べなくなりました。
肉・魚だけでなく、卵や乳製品も食べない人たちのことをヴィーガンといいます。彼らはハチミツも食べません。普通のハチミツは「ミツバチの搾取にあたる」からなのだそうです。娘も厳密なヴィーガンです。いつも娘に送っているパッケージの中に、娘の大好きな「じゃがりこ」を毎回入れてたのですが、たまたま成分表を見たら乳製品と書かれていたそうで、それから、食べなくなりました。
そんな中、貝類については、ヴィーガンの中でも意見が分かれているという話を聞き、娘はどうするのか聞いてみました。それについての娘からのメールが来ました。自分の娘について褒めるのも何ですが、21歳の女子とは思えないほど、しっかりとした文章でした。以下、娘のメールをそのまま転載します。私は一切手を加えていません。
ママへ
この前電話でお話しした、アサリやホタテなどを食べていいか問題についてもっと詳しく私の考えてることや、いろんな人の意見を聞いたりネットで調べている中見つけた情報を、メールでまとめることにした!
最近、「ヴィーガンなのにホタテやアサリは食べる人もいる」という話を知って、その子について結構考えてるんだ。
私は流行でヴィーガンをやっているわけじゃなくて、「できるだけ動物の苦しみを減らしたい」という考えでやってるの。だから、自分なりにちゃんと考えて判断したいと思ってる。
ホタテやアサリについては、実はヴィーガンのコミュニティーの中でも意見が結構分かれているみたい。
【食べてもいいという考え】
ホタテやアサリには、人間や魚みたいな脳や中枢神経がない
今の科学では、「痛み」や「苦しみ」を感じている可能性はかなり低いと言われている
だから、「動物を苦しめたくない」というヴィーガンの目的には反しない、という考え方
【食べない方がいいという考え】
昔、人間は動物の知能や感情を過小評価していたことがある
だから、「本当に何も感じていない」と断言するのはまだ早いかもしれない
食べなくても困らないなら、念のため避ける、という考え方
私はどっちの意見にも一理あると思っていて、まだ結論は決めてない。
でも、私としては「周りがどう言うか」じゃなくて、自分の価値観や考えに基づいて生きたいと思ってる。だからちゃんと考えている途中なんだ。
まあでも、面白いことに、いつも作ってる豆腐の醤油和えあるじゃん?あれ前からベジタリアンオイスターソース使ってるんだよね。っていうか普通のオイスターソース買ったこともない。だからこのことを考え始めるずっと前から摂取してないし、そもそもシーフード全般好きじゃないから食べたいとも思わない。だからなんでこんなに深く考えてるのかわかんない笑。でもまあ、東京に帰った時にママが作ってくれるだろうアサリパスタを食べるかどうかを決めるために考えてるんだよね。
でも、東京に戻った時には、ママやダディに迷惑がかからないように自分でご飯作る。でも自分なりに決めてるのは、自分の誕生日、そしてクリスマス、は動物製品全般摂取してOKとして(ヴィーガンやベジタリアンでこれしてる人めっちゃくちゃいる)、冬休みや夏休み実家(東京)に戻った時には、99%いつも通りヴィーガン生活をして、ママのアップルパイだけは昔からの思い出だし、大好きなママの手料理だし、世界一大好きな食べ物なのでOKにします👍
もちろん、自分でも少し一貫してないように見える部分があるのは分かってる。でも、自分の倫理観も大切にしながら、人生の楽しさや家族との思い出も大事にしたいなって思ってる。
私は白黒だけで全部決めたいわけじゃなくて、自分なりにちゃんと考えて、自分の価値観で生きたいと思ってるんだ。
てな感じで長くなったけど、どうかな?私が考えてることうまく伝わったかな?
このメールを読んだ後、娘に電話をしました。まず、とてもしっかりとした文章だったことを伝え、貝類については「貝類についての評価が確定するかどうか分からない将来を基準に、今の行動を決めなくても良いのでは? 現在までの研究ではホタテやアサリには、人間や魚みたいな脳や中枢神経がないため痛みを感じないーという説が有力なら、それを基準にしたら良いと思う」と伝えました。
娘によると、「私はヴィーガンが流行だからという理由で、なっているわけではない。自分の考えに基づいてどういう食生活が良いかーとリサーチしたら、ヴィーガンにたどり着いたの」だそうです。
親としては、貝類ならば良いという考え方があるのなら、せめて、タンパク質を摂取するために貝類を食べてほしいーと願います。
焼き肉、餃子、ハンバーグ、フライドチキン、スペアリブ、ステーキ、とんかつ…。娘がそれらを美味しそうにパクパク食べていたころが、懐かしい。娘の現在の考え方を全面的にサポートしたいと思いつつ、かつての娘を切なく思い出す自分もいます。