2026年4月29日水曜日

精神科医の資質

  オーストラリアの大学に留学中の娘からフェイスタイムで連絡がありました。昨日の話題は娘がかかっている精神科医のことでした。

「ママ、私、オーストラリアで3人の精神科医にかかったでしょう。3人とも白人のオーストラリア人なんだけど、何というか、深みが足りない感じがするんだよね」

「どういう意味?」

 娘はパニック症、不安症、そして軽度のうつ病という3つの診断が下り、大学内のクリニックで初診時、再診時、そして担当医が不在のときの代診と3人の精神科医にかかりました。その3人について話しています。

「ほら、私、先生みたいに”権威のある人”と接するとドキドキしてうまく話せなくなったり、泣きたくなったりするじゃない? でも、精神科医は、"教員と学生は対等なんだから…”というスタンスなんだよね」

「そうなんだ」

「うん。オーストラリアやアメリカでは若い人も高齢者も対等に話す文化の中で子どもたちは育つでしょう? 逆に日本は、子どもは先生たちの言うことをきくものーみたいな上下関係の中で育つ。子どもの性格が形づくられるとき、そういう違いって結構大きいと思うんだよね。そういう文化の違いみたいのを、分かっていない気がする」

「確かに、そうかもね。ママも医療について海外の論文を読むけど、欧米の研究ばかりだと、偏っているなと思うこともあるよ。父権主義的な背景を持つアジアの研究が入らないと、考察が物足りないなぁと感じたりする」

「あっ、それ分かる。だから、精神科医のアドバイスを聞いていても、『分かっていないなぁ』と思ってしまうこともあるんだよね」

「おおっ、なかなか鋭いね」

「うん。だからといって薬をやめるわけでもないんだけどね」

 海外に出たことで、娘は初めて、日本人の特性について深く考えるようになったようです。その特性は日本で生まれ育った娘の中にしっかりと根付いていて、時にプラスに、時にマイナスに作用するようです。

 異なる文化の中で戸惑いながらも、自分の感じた違和感に目をつぶらず、しっかりと考える娘。成長しているなぁと頼もしく思ったのでした。


2026年4月28日火曜日

マカロン

  中2の息子がマカロンを作りました。とても良く出来たのですが、本人は不満足なようで、クリームを入れて完成させることは断念しました。

「綺麗に焼いてあるし、とっても美味しいけど、なんでダメなの?」

「前、1個買って食べたことがあるんだ。それと全然違う。ベタベタしている。前食べたのはもっとサクッとしていた」とのこと。でも、友人たちには食べてもらうといい、翌日、学校に持っていきました。

 洋菓子屋さんに行って、お小遣いで1個だけ買って食べたなんて、息子も可愛いことをするなぁと思いました。私はケーキ屋さんではショートケーキなど普通のケーキを買うので、マカロンは買ったことがありません。ですので、息子に言われて初めて、息子に食べさせたことがないのだーと気づきました。

 昨日、早速ケーキ屋さんに寄り、フランボワーズ味とピスタチオ味を一つずつ買って帰りました。息子と一緒に、一口ずつ食べました。「やっぱり、さくっとしているね」と私。「うん。それに表面がベタベタしていない」とうなずく息子。

 息子はまた、マカロン作りに挑戦するそうです。きっと次は成功するはず。楽しみです。

 

 

2026年4月27日月曜日

カツが食べたい

   乳製品を含む動物由来の食べ物を口にしないヴィーガンになった娘から、「ママに相談したいことがあるの」とフェイスタイムで連絡がありました。

 「ママ、私、カツが食べたいんだけど、肉を使わないで出来る?」

「お肉の代わりに木綿豆腐の水を切って、つぶしてミンチのようにするのはどう?その他に、玉ねぎとキノコ類のみじん切り、すりおろしたニンジンも一緒にサラダ油で炒めて、まぜるの」

「そうだね。でも、小麦粉を付けても、その上からパン粉が付かないかなぁ」

「小麦粉を付けた後に、溶いた卵を付けるでしょう?」

「私、卵食べないから」

「あっ、そうか。卵も食べないんだね」

「うん。あっ、そうだ!小麦粉使わないのはどう? 玉ねぎとかサラダ油で炒めているから、そのままパン粉がつくかも」

「それ、いい案だね」

「じゃぁ、やってみるね」

 しばらくしてから、娘から美味しそうなサンドウィッチの写真が送られてきました。スーパーで大豆などを使って肉の味がするように仕上げた「植物由来の肉」を見つけたそうで、パンとホウレンソウ、トマトのスライスと一緒に挟めたそう。サンドウィッチはキッチンペーパーで包んで、真ん中から半分に切ったら、おしゃれなランチとなったようです。




 それにしても、ヴィーガンは大変です。ベジタリアンでしたら、乳製品と卵は食べるのでまだ、選択肢は広いですが、ヴィーガンだと卵をつなぎに使うことも、チキンコンソメなども使えません。私は親ですから、娘のためにいろいろしますが、他人だったら戸惑うこともあるだろうな、とも思います。

 一昨年、義弟家族が来たときは大変でした。義弟と三人娘の真ん中は肉でも何でも食べますが、奥さんと長女、三番目の娘はベジタリアン。我が家に2日泊まり3食を共にし、その他の日も夕食を何日間か食べに来ましたので、本当に大変でした。

 義弟と真ん中の娘は「日本に来たからには、お寿司、霜降り牛肉、焼き鳥も食べたい」と言うし、他の娘はスープの中のベーコンやソースの中に入っている肉のエキスもダメだというし…。あのときは、義弟と真ん中の娘には寿司やステーキ、他の3人には野菜天ぷら、コロッケなどそれぞれに準備しました。

 しかし、息子がお好み焼きを作ったときは、お好み焼きソースのラベルを見て、「チキンエキスが入っているから食べない」と言い、違う場面では焼き鳥を一口だけ食べて残し(食べてみたかったのかもしれません)たり…。いろいろ配慮をしてもてなした側としては、正直なところ悲しい気持ちになりました。

 そういえば、私も病気で肉を控えていたときがありましたが、そのときは食事に招待されても、肉を食べないとは言いませんでした。ビーフシチューとかが出された場合は、夫に肉を食べてもらい、私はシチューだけいただきました。このように、自身の食のスタイルは一旦横に置き、もてなしてくれる側への配慮は工夫次第でできるものだと思います。

 娘には誰かと食事をするときは、肉・魚を食べないことは言っていいけど、材料の中に入っている卵や乳製品については、追及せずに食べてねと注意をしています。娘も「分かっているよ。一応、自分はヴィーガンだとは言うけど、ヴィーガン用のメニューないところでは、フライドポテトとか食べるから」。

 そうそう、その調子。動物愛護の気持ちはとても大事だけど、臨機応変にね。

2026年4月26日日曜日

ガーベラ

  昨日、従姉妹のジュンちゃんから、博士号取得のお祝いにと花束が届きました。

 その数日前も長電話でおしゃべりに花を咲かせていたジュンちゃん。お礼の電話をすると、「むっちゃん、ガーベラ好きだって言っていたでしょう? 博士号取ったら、贈ろうと思っていたの」と言ってくれました。私の一番好きな花を覚えていてくれたのです。

 「もう嬉しくて、嬉しくて、お友達とのグループラインで報告して、むっちゃんのこと自慢しちゃった」と言い、「鈴木家(母の旧姓)から博士が出たのは初めてだよ!」と心から喜んでくれました。

 ジュンちゃんは、小さいころから姉のように慕っている従姉妹。お互いの母同士が姉妹でとても仲が良く、その娘の私たちも小さいころから行き来をして仲良しだったのです。そんな”姉”に、自分のことのように喜んでもらえるのは、本当に嬉しい。

 私は昔から自分に自信が持てず、「まだ足りない」と思ってしまう癖があります。50代後半で博士過程に進んだのも、研究の道に進みたいという思いに加えて、ウェブメディアで記事を書く中で、「自分は読者からの信頼に足る発信者だろうか」と自分の足りなさを自覚したためです。

 しかし、博士課程の4年間はかなり大変で、他者の都合に左右される時間も多く、研究所内での立場が弱かったことから常に周囲の顔色をうかがいながら過ごす日々でした。

 あの時間があったら、もっと執筆活動が出来たのにーとも思いますが、元来途中で何かを手放すことがなかなか出来ない性分のため、自分なりの区切りとして博士論文の提出を目標にここまで来ました。博士号の授与は大学の判断に委ねられるものですから、あくまでも提出までを目標にしていましたが、今回、授与の決定を受けて、ほっとしました。

 そんな私ですが、亡父のお通夜で、父方の従姉妹から「叔父さんにとって、むっちゃんは自慢の娘だった」というエピソードを交えた話を聞き、今はそれを支えに生きているほど、救われた経験があります。

 お花とともに届いたジュンちゃんの思いやりのある言葉。大切に心にしまって、落ち込んだとき、気持ちが塞いだときに取り出して、前向きに生きる励みにしたいと思います。

 

 

2026年4月24日金曜日

相撲の地方巡業へ

  母を相撲の地方巡業に連れていきました。去年に続いて2回目です。本当は国技館で開かれる本場所に連れて行きたかったのですが、チケットが取れず断念。その代わり、昨年同様、東京都内で開かれる地方巡業のチケットが取れたので、連れて行きました。

 母は大の相撲好き。亡き祖父が相撲が大好きで、独身時代に役場に勤めていた母の帰りを待って、一緒に観たというのが母にとっての大切な想い出です。昨年、初めて地方巡業に連れて行ったときの母の喜びようは大変なもので、西の横綱「大の里」(そのときはまだ大関)の体に触れることが出来て、大変満足していました。

 大の里が横綱に昇進したのは、母が触れたからだーと固く信じて(自信家の母らしい)おり、「推し」のパワーとはこういうことかーと、感心しました。

 今年は夫も一緒に行きました。相撲は外国人にも大変な人気で、今回の席は前も後ろも外国人でした。取り組みが拮抗し、行司の審判に疑義を唱える「物言い」があると、外国人の方々は「オー、モノイイ」と喜んでおり、そうかぁ、こういう風に興味を持ってもらえると嬉しいなぁと感じました。

 お昼は会場の外のキッチンカーで買ったアジフライ弁当。お茶付きで千円という有り難い価格で、母、夫、私の三人で相撲を見ながら美味しくいただきました。

 何より、母が身を乗り出して観ていたのが嬉しかった。また、来年も3人で行きたいです。



身を乗り出して観る母(右)


 

 

 

2026年4月22日水曜日

やっと…

  東京大学大学院からメールがあり、本日付けで医学博士号を取得しました。

「課程博士の学位授与につきまして、422日の本研究科委員会にて承認されましたので、お知らせいたします。令和8422日付け学位取得となります。誠におめでとうございます」

 そう書かれていました。

 やっとです。ほっとしました。4年間、苦しかったですが、諦めずに、やり遂げてよかった。

 5月1日から、東大で特任研究員として働きます。還暦を過ぎて、研究者として大学での初めての勤務です。

 20~30代は新聞記者として働き、40~50代はがんの治療、出産・育児、執筆活動、大学院と目まぐるしい日々を送りました。60代は研究者として再出発します。平行して、執筆にも積極的に取り組みます。

 年齢を重ねても自分の可能性を信じ、諦めずに挑戦し続けることはやっぱり意味のあることなのだとつくづく思います。これからも頑張ります。読者の皆さま、応援してくださいね。


2026年4月21日火曜日

お天気の良い日は…

  昨日はお天気が良く気持ちの良い日でしたので、母を昼食に招きました。歯の調子が悪い母は最近固いものが食べられず、かみ切ることができません。ですので、なるべく柔らかいものを準備しました。

 おにぎりはのりを付けず、焼いたナスは皮をむいて。お魚は口の中で溶けるほど柔らかい銀だらの西京漬け。鶏肉は食べやすくそぼろにしました。

 残念ながらデコポンとひよこ豆のディップを付けた薄切りのキュウリは食べられませんでした。でも、凍らせてあった梅で作ったシロップにソーダを入れたら、「すっきりして、美味しい!」と喜んでもらえました。

 体のあちこちが痛いという米寿の母ですが、我が家までちゃんと歩いてきました。何のことはない、こんなお昼ご飯をこれからもお互い元気で一緒に食べたいです。