「今年、結婚25周年だよ」。先日、夫にそう言われました。9月の結婚記念日はもちろん忘れませんが、今年25周年だということをすっかり忘れていました。これって、銀婚式? ですよね。
私たちが結婚式をハワイで挙げたのは2001年9月。その2ヶ月後の11月に、夫が日本に移り住みました。夫はそれから日本、特に、沢山の人がひしめき合う東京でのマナーを少しずつ身に付けました。たとえば、朝、電車を待つマナーです。
日比谷線の始発駅の中目黒駅では通勤時間の朝、4列の「先発」の電車を待つ人の列があり、その横に「後発」の4列があります。電車が来て、先発の4列の人たちが乗ると、その「後発」の4列がそのまま、列を乱さず「先発」の列にスライドし、数分後に来る次の電車を待ちます。
日本人の私たちは、この作法を静かに守りますが、たまに、この列を乱すような形で待つような人がいます。きちんと整列していないとか、前の人との距離が妙に広いとか。夫は、こういう人に、とっても怒るのです(実際に、その人に怒るわけではないですが…)。
「狭い日本でお互いにストレスを感じずに暮らしていくには、こういうルールを守らなきゃ駄目なんだ」と。そういう人は外国人であることも多く、おそらく、まだこの独特のルールが分かっていないのだと思います。
あちこちで見られる、この暗黙のルール。実は私が通うジムにもあります。自分が使った後、トレーニングマシーンを丁寧に拭くことです。先日、たまたま珍しく黒人男性が来ました。「この人どうかな?」とチラリと見ると、ちゃんと自分が使った後、マシーンを拭いていました。それも、受け付けの横にあった除菌スプレーまで持ってきて、振りかけて、備え付けのタオルでしっかりと拭いていました。で、その後来た白人男性。その人も、腹筋をするための台を、使用後ちゃんと拭いていました。
いやぁ、こういうのって本当に気持ちが良いです。一方、夫が怒ったのは(もちろん、相手に怒ったわけでなく、私に報告してくる)、トレーニングマシーンを占有する日本人でした。夫と私は別々の時間帯に行きますが、お互いにジムでの小さなエピソードを報告し合うのです。
「10回ぐらい使ったら、携帯を長々と見て、また、10回ぐらい使う。そして、また長々と携帯を見ててさ、使いたい人がたくさんいるのに、と思ったよ」
「あっ、その人分かる。比較的若い男の人でしょう?」
「そう。あれ、迷惑だよなぁ」
「実はね、あのマシーンの横に張り紙が貼ってあって、『人気のあるマシーンですので、ご配慮をお願いします』って書いてあるの。たぶん、スタッフも言いづらいのかもね」
夫も広いアメリカに住んでいたら、こんなことに目くじらは立てなかっただろうな、とちょっとおかしくなったのでした。