2022年4月19日火曜日

室蘭に行きたい

 ポストに素敵なハガキが入っていました。私が働いていた北海道新聞社の初任地だった室蘭からの便りです。ハガキの裏面には、「もうすぐ もうすぐ」という言葉とともに、ちぎり絵で美しい桜の木が描かれていました。

室蘭から届いたちぎり絵のハガキ

 差出人は、当時(30年前!)、室蘭市役所の広報担当だった女性キノシタさん。市役所を定年退職された後、第2の職場で働いていらっしゃいます。「With コロナで生活する」ことをポジティブに捉え、「新聞ちぎり絵」を始めたそうです。北海道新聞のカラー部分をちぎって作ったと書いてありました。

 心が癒されました。桜の花の部分はピンク色の新聞を丁度良い感じにちぎって、貼られています。木の幹も、まるで絵の具で描いたように、陰影がつけられています。深緑色の草も、色合いの微妙に違う色の新聞を重ね合わせることで、こんもりとした感じがよく表されています。キノシタさんの心の豊かさがとても良く表れています。

 当時、右も左も分からない私に、たくさんのことを教えてくれたキノシタさん。お会いしたいなぁとつくづく思います。

 室蘭には、市の国際交流課にいらしたMさん(この方も定年退職されています)、よく昼ご飯を食べにいったイタリアンレストランの女性オーナーSさんとNさん、そして、私と同い年の元室蘭民報記者のナオミちゃんと、会いたい人がたくさんいます。

 ナオミちゃんは折々に地元のお菓子などと一緒に手紙をくれます。年末には室蘭のカレンダーも送ってくれました。私の机の前に貼ってあります。時折、しみじみと眺めては、当時を思い出しています。

机の前に飾ってある室蘭のカレンダー。左は、室蘭時代の私。記者仲間とソフトボールをしていたときの写真

 カレンダーは月ごとに、室蘭の名所の写真が使われています。友達や両親が遊びに来たときに連れて行った「地球岬」。太平洋を一望できるこの岬は、初日の出を見られる場所としても有名で、新人記者時代はその初日の出を撮影しに行き見事失敗しました。先輩記者がバックアップとして撮影してくれていて、”感謝感激”したという思い出の詰まった場所です。

 仕事が辛くて辛くて、夜、車を走らせた「測量山」。誰にも聞かれないように、車中で大声を張り上げて泣いたのも、今は懐かしい思い出です。

 当時は街おこしが盛んで、伝統工芸品の職人さんたちが「室蘭手わざ」という会を作っていました。取材したときにいただいた文鎮は、私の宝物です。皆さん、お元気で活動されているのでしょうか。

伝統職人さんで作る「室蘭手わざ」の文鎮

 若いころ、たくさん笑って、たくさん泣いた室蘭に、行きたいなぁと思います。昔、「思えば遠くへ来たもんだ」(海援隊)という曲がヒットしましたが、本当に遠くに来てしまいました。

 

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