2022年4月12日火曜日

博士課程日記 ①初講義の日に

   4月7日(木)は、私の新たな挑戦の始まりの日でした。大学院博士課程の講義が始まったのです。昨年11月に合格通知書を受け取った後、今年2月に入学手続きの書類が届いてから、難儀な日々が続いていました。でも、ようやく講義の初日にこぎ着けました。

「何時に家出るの? 君の記念すべき初日の写真を写したいんだ」

朝、在宅勤務の夫がそう私に話しかけてきました。

「午後1時から2コマの講義があるから、そうねぇ、11時ぐらいに家を出るつもり。初日だから時間に余裕を持ったほうが良いから」

「了解。じゃあ、家を出るときに声かけてくれ。リュックサック背負っていくんだろ?」

「うっ、うん」

そうか。夫は50代の妻がリュックを背負って、学校に向かう姿を想像していたんだ。普段は別のバッグを使っているので荷物の入れ替えが手間ですが、夫の”期待”に応えることにしました。妻の挑戦を支え続ける夫は、本当にいいヤツだよなぁとこういうときにいつも思います。義母が以前、夫(4人兄弟の次男)のことを「Good Guy」と表現していましたが、その通りです。

 さっそく、バッグの中身の入れ替えに取り掛かりました。普段使っているのは、パソコンやA4サイズのファイル、充電器具なども楽に入る大きな横長の革製のバッグ。それを全部リュックに入れ直しました。

 4月1日に大学に取りに行った「学生証」を、IDカード入れに入れます。修士課程時代のIDカードは大学院に返しましたので、そこに新しい学生証を入れました。今回の学生証の写真の私の、まぁ老けていること。不安を感じつつも気分が高揚しているはずの講義初日に、学生証の自分の写真にがっかりするのは、やはり50代学生ならではでしょう。

 そうこうするうちにあっという間に時間が経ち、11時半になってしまいました。夫に声を掛け、玄関前で写真を写してもらいました。「博士課程、イェーイ!Good Luck ! 」 夫の”声援”を受けて、いざ、大学へ。


 大学へはドア・ツー・ドアで1時間弱です。広いですし、どこに何があるのかほとんど把握していませんので、学部の案内板を見て講義が行われる場所を確認し、講義室にたどり着いたときは開始10分前でした。
 
 講義室には何十人も学生がいて、仰天しました。ここで初めて気が付いたのですが、必要な単位を取るために受講する講義の一部は、修士課程の学生と一緒のようなのです。
 
 人数が多いので、私のような異質な存在も気付かれないでしょう。こんなことを言うと不謹慎と思われそうですが、マスクをつけていること、ありがたいんです。シミやほうれい線隠せますから。講義室を見渡すと、皆若く、私の子どもといっても良いほどの年齢の人も少なくない。「みんな、頭良さそうだなぁ」と感心しながら、端っこの席に座りました。

 一応はパソコンを開きましたが、校内のWifiにはまだつながっていません。学校が変わるということは、システムの全てが変わるということ。で、その様々な手続きが一筋縄ではいかず、学習環境が整っていないのです。ですので、持参したNTTドコモの携帯用Wifiルーターに接続し、準備をします。オバサンが新しい環境で生き抜くには、こういうバックアップをいかに事前に準備するかーが重要なのです。はい。
 
 講義は「医学データの統計解析」です。修士課程時代、泣きながら学んだ生物統計学。全ての用語が自分にとって新しく、内容も難しく、本当に苦労しました。今回も講義も決して楽ではないでしょうが、まぁ、「先生が何のことを説明しているのか、てんで分からない」という状況にはならないでしょう。講義では、「なるほど、そういうことか」と納得することも多く、ためになりました。

 2コマ続く統計学の講義。2コマ目の後半はウトウトしてしまいました。先生の講義はとてもためになるのに、集中力が続かないのです。

 配られた宿題は、何のことかさっぱり分からない数学の問題でした。あーあ、こういうの辛いよなぁ。3つ目の質問で、先生がくれたヒント「Γ関数を使う必要がある」。これ、何て読むか、調べるところから始まるんです(帰宅後、夫がグーグルで調べてくれて、ガンマの大文字であることが判明。夫もΓ関数は知らないと言っていました)。
 
 講義が終わり、あっという間に夕方になりました。構内を歩きながら、「せっかくだから、楽しいことをしよう!」と思い立ちました。

 この大学は広くて、各学部ごとにファストフードの店やカフェがあります。で、毎週講義の後に、一店ずつ、それらの店に行くことにしました。この日は、理学部のスターバックスに寄ることに。「来週はどこに行こうかなぁ。こういうの、結構楽しいかも」ー。ホットのカフェモカをすすりながら、ちょっぴり幸せな気分になったのでした。



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