2022年2月22日火曜日

娘の小さな修学旅行

  娘がクラスのお友達と1泊2日のスキー旅行に行きました。男子のクラスメートの親が企画してくれました。

  私は札幌生まれの札幌育ちですので、小さなころからスキーに慣れ親しんでいました。母が札幌にいたころは、春休みなどに子どもたちをスキーに連れていきました。が、東京周辺のスキー情報には疎いため、連れていくことが出来ません。ですので、こういうイベントは本当にありがたい。

 女子3人、男子6人が参加。まずはJR横浜駅で5人が待ち合わせ。娘が不安がるので、待ち合わせ場所まで、私もついていきました。指定の場所で待っていると、男子2人、女子2人がやってきました。

 インターナショナルスクールに通う子には、恐らく皆さん「大人っぽい」「派手」などの印象を持たれているかもしれません。が、実はインターの子どもたちは皆、とても素直でそして、まだまだ子供っぽさを残しています。集まった5人の可愛いこと。少しおしゃべりをして、携帯電話で写真も撮らせてもらいました。

「いってらっしゃい!」と、別のグループが待つ東京駅に向かう子どもたちを見送りました。男子がリュックサックのみという軽装、女子は皆スーツケースというところが面白い。前日女子3人が夜遅くまでズームで持っていく荷物を確認し合っており、娘の後ろ姿を見送りながら、こういうワクワクした気持ちを味わえて良かったなぁとしみじみ思いました。

JR横浜駅構内を歩く娘たち

 親のグループラインに横浜駅グループの写真を送信。しばらくしてから、東京駅グループの親からも写真が送られてきました。そして、子どもたちは新幹線で新潟県のスキー場に向かったのでした。

 一つ心配していたのは、娘の足に合うスキー靴が借りられるかどうかーということ。娘の足のサイズはアメリカで売っている女性用の靴の中でも一番大きい12インチ。日本のサイズに計算し直すと28センチです。まぁ、身長が182㌢ありますので仕方ないのですが、恐らく、日本では男性でも身長が182㌢もあれば服も靴も探すのは簡単ではないのではーと想像します。丁度良い靴のサイズがなければ、無理して小さい靴を履かなければならない。そうしたら、滑っている間にすぐ足先が冷たくなって可哀想ーと心配でした。

 ところが、心配は無用だったようで、娘からはスキーを履いて滑っているときに電話をもらいました。まず、聞いたのは靴のこと。

「靴あったの?」

「うん、28センチだとばっかり思っていたら、27センチだったよ」

「それは良かったね。楽しい?」

「めっちゃ、楽しいよ!」

 良かった、良かった。引率してくれた親からは、夜、皆で食事をしている写真も送られてきました。娘の表情が生き生きとしていました。

 翌日もたっぷり滑って、昨夜遅くに戻りました。娘の小さな”修学旅行”が無事にそして楽しく終わって、本当に良かったです。


2022年2月20日日曜日

やっと終わった、論文発表

  昨日、修士論文の発表がありました。ズームを用いたオンライン・プレゼンテーションです。

 21人が2グループに分かれて、発表しました。一人の持ち時間は20分。12分の発表と8分間の質疑応答です。

 私の順番は8番目でした。朝、まずは1番目の研究生の服装を見て、仰天。何とスーツを着ているではないですか。それに、この人は英語がペラペラな上に医師。発表の内容もすごい。スライドも洗練されています。質問者は米国の病院から参加。質問者の準備は基本的に指導教官がしますので、きっと教官も自信があったのだろうなぁと思いながら、見ていました。

 2番目は、大手製薬会社に勤める薬剤師の資格を持った人。この人もバシッとスーツ姿。もちろん、英語はペラペラ。スライドも立派です。ところが、発表の途中でいきなり画面から消えてしまいました。Wifiの接続の問題でしょうか。進行役の教授も「想定外ですね」と一瞬とまどったようですが、すぐに切り替え「では、次の方、準備出来ていましたら、代わりにお願いします」

 ところが、次の順番の看護師の女性がまだ、ズームに入っていないらしく、「では、その次の方」。その人も医師で、準備万端だったようです。「Thank you!」「My pleasure (どういたしまして)」と、本当にゆとりがあります。まぁ、発表内容のすごいこと、すごいこと。先ほど、画面から突如消えてしまった人も無事帰還し、発表を終えました。私も何だか自分のことのようにほっとしました。4番目の看護師さんも時間通りに入ってきて、これまた立派な発表でした。

 ここで、10分間の休憩。紺色のセーターを着ていた私はここでまず、順番が8番目であることとズームであることに心から感謝し、下の寝室に降りていき、スーツに着替えました。

 休憩が終わり、再開。5番目の医師と6番目の看護師のプレゼンが終わり、私の前の人に変わったとき、その人のスライドが動かないというハプニングが起きました。私だったら、動揺するだろうなぁと気の毒に思っていたところ、やはり、動かないために私に急きょ順番が回ってきました。

 私は気持ちに余裕がありませんので、いきなり順番が回ってきてしまい、少し慌てました。「スライド見えてますか」「いいえ、まだです」「あれっ、おかしい。今度は見えますか?」と素っ頓狂なやり取りを進行役の教授と数回やり、失笑を買いながらも、何とか始めることが出来ました。前半の医師のように「my pleasure」などと格好良く出来ないのですよ、これが。

 朝、ギリギリまで夫に付き合ってもらい練習していましたので、大きなミスもなく何とか発表を終えることが出来ました。質疑応答も何とか切り抜けました。昨年、他の大学院の教官から厳しい指摘を受けて反論できないでいた研究生もいましたので、「こういう質問が来たら、こう答えよう」といろいろ準備をしていたのです。

 やっと、終わりました。指導教官からは終了後に、「Hi Mutsumi-san. You did a great job on your presentation! And I think the Q & A part went well(プレゼンテーション良かったよ。Q&Aもうまくいったね」というメッセージをもらいました。かつては喧嘩越しのやり取りもしてしまった指導教官ですが、その後は関係も良好で、よく指導をしてもらいました。何だかんだいっても、人柄の良い人でした。

 これで、ようやく全て終わりです。16日に論文は受理されましたので、3月10日に修了式です。昨日は夫とワインで”乾杯”しました。ずっと支えてくれた夫に感謝。

夫は赤ワイン、私はスパークリングワインで乾杯

2022年2月12日土曜日

パトロール

  今週は、息子と一緒に登校しました。PTAのパトロールです。黄色い旗を持って、子どもたちが通学路をきちんと歩いているか、通学路に危険な場所はないかーを確認するのが仕事です。

 息子とおしゃべりをしながら歩くので、とても幸せな気持ちに浸っていました。ところが、普通の時間に家を出たのに通学路には誰もいない。あれっ?

「今日、子どもたち、全然歩いていないね」

「そうだね。時間遅い?」と息子。

「8時過ぎだから、普通の時間。変だね。あっ、そうか。学級閉鎖が多いからだね」

 そうです。先週、今週と校内に新型コロナウイルスに感染した子どもたちの数について学校からメールで報告があり、それに伴い次々と学級閉鎖となっていたのです。多いときには教職員を含めて15人以上の日もありました。

 それでも、学級閉鎖だけにして、オンライン授業などを組み入れながら、休校にしないでいてくれるところがありがたい。さすが、公立小学校です。校内で行われる課外活動、PTA主催の講演会、校庭を貸し出し行われているスポーツ活動などを次々と中止し、感染防止対策を万全にし、授業を続けてくれています。

 感染を心配する子どもたちは在宅でオンライン授業を受ける選択肢もあり、息子のクラスでは10人以上がオンラインにしているそう。先生方もお休みが増えており、隣のクラスと合同で授業をしたり、など知恵を絞っているようです。日々、臨機応変な対応を迫られる学校の先生は本当に大変だなぁと頭が下がります。

 娘の通うインタナショナルスールは1人の感染者が出ただけで休校。「大雪の予想」だけでも休校。「休校にする理由探しをしているのでは」と苦笑してしまうほどなので、息子の学校へのありがたみが増します。

 さて、ほとんど見かけなかった生徒ですが、学校が近くなると徐々に増えてきました。ところが、前方から近所に住む2年生の女の子が通学路を戻ってきました。両手に荷物を持っています。

「あら、●●ちゃん、どうしたの?」

「今日、学級閉鎖だっていうこと忘れちゃってたの」

「いいなぁ」

 ポツリとつぶやいた息子。そして、天を仰いで言いました。

「神様 Give Me 学級閉鎖」

 さすが、ハーフ。日本語と英語を混ぜて、テンポの良いフレーズを紡ぎ出しました。思わず、吹き出してしまいました。

 そうこうするうちに、学校が近くなりました。たくさんの生徒が通学路に集まり、校門に向かって歩いています。校門の前には校長先生が立っていて、生徒たちに「おはようございます」と声がけし、私にも「ありがとうございます」とあいさつしてくれました。

 校門の前に立って、急ぎ足で校内に入る息子の後ろ姿を見送りました。

「学級閉鎖になれば良いね」とは言えませんが、「今日も給食が美味しいと良いね」と心の中で息子に話しかけ、息子が楽しい一日を送れるよう願ったのでした。


2022年2月10日木曜日

家に戻って…

  週末ホテルにこもって仕上げた修士論文を指導教官に提出し、月曜日の午後に帰宅しました。週末子どもたちを世話してくれた夫には本当に感謝です。夫の協力がなければ、今も家事・育児の隙間時間を使って論文に取り組んでいたと思います。

 在宅勤務の夫は、前日子どもたちに作ったというスペアリブを私のためにとっておいてくれました。「帰ってきてくれて嬉しいよ。子どもたちに3食作るのは大変だった」。几帳面な夫ですので、家の中はすっきりと片付いていました。メールでお願いした息子の上履き洗いも、運動着の洗濯もしてくれたようで、息子はそれらを持って登校したようです。娘のお弁当のおかずには生姜焼き肉を作ってくれたそう。

 学校から帰宅した息子は「ママ、おかえり!寂しかったよ!」と何度もハグしてくれました。お土産に買ってきた菓子パンをあげると、「わー、美味しそう!今お茶を入れるね」といい、紅茶を入れてくれました。パンをほおばり、美味しい紅茶を飲みながら、たくさんおしゃべりしました。

息子が入れてくれた紅茶

 

夫が準備してくれたランチ。特製スペアリブです

 しばらくして、娘も帰宅。「ママ、論文提出した? 頑張ったね!」とハグ。「ダディの生姜焼き肉しょっぱかった!」といいつつ、嬉しそうでした。そして、いつも通りに学校の出来事をいろいろ報告してくれました。

 先週まではいろいろと重なって気持ちが塞いでいましたが、思い切ってホテルにこもって論文に集中したことで、ようやく気持ちの切り替えが出来ました。支えてくれた家族のありがたさを実感した週末でした。

2022年2月7日月曜日

やったー!終わった!

  論文の修正が6日午後10時半、遂に終わりました!

 朝セブンイレブンで調達した朝食を取った後、ランチはホテルのレストランへ。おやつにセブンイレブンで買ったみかんを食べ、ずっと取り組んでいました。そして、ついに先ほど終わったのです。

 さっそく、また、セブンイレブンへ。スパークリングワインの小瓶と蒸し鶏とゆで卵のサラダを購入しました。

ホテル3泊目の夜、スパークリングワインで乾杯
 
 やっぱり、今日もホテルに泊まったことは正解でした。明日、クリアな頭でもう一度チェックして、指導教官に提出します。


 

2022年2月6日日曜日

ホテルでの朝

  深夜にホテルの近くのセブンイレブンに行き、コーヒーを買って飲んだにもかかわらず、寝てしまいました。金曜、土曜行った論文の直しは、データのチェックや表やグラフの作り直しのみ。ようやく本文に手を付けようと思っていたのに、眠気には勝てませんでした。 

深夜に食べたパイナップルとリンツチョコ

 今朝は6時過ぎに起床。以前、何かの本で読んだことのある一節を思い出しました。正確な文章は再現できませんが、南極という過酷な環境で調査をしている人達の中で、精神を病まないのは毎日、わずかな水を使ってひげをそり、身支度を整える人だ書いてありました。ですので、私も今朝は娘に誕生日プレゼントにもらったパックをして、髪をヘアアイロンで巻き、心地よい寝間着からウエストのきついスラックスに履き替え、お化粧をしました。

娘がくれたパック。45歳以上向けだそう。

 身支度を整えた後、また、セブンイレブンにコーヒーを買いに行きました。ホテルの前にある公園を散歩すると、ベンチに置き忘れただろう赤ちゃん用のマグカップがありました。娘と息子が使ったミッフィーやくまのプーさんの絵柄が付いたマグカップを思い出しました。それらは「想い出ボックス」の中に大切にしまってあります。このマグカップをなくしたお母さんは、いまごろ悲しい思いをしているのではないかと、胸がキュンと切なくなりました。 

ベンチに忘れられた赤ちゃん用のマグカップ。切ない…。

 公園を通り過ぎて、セブンイレブンへ。コーヒーとヨーグルト、リンゴを買いました。論文の修正が終わらないため、昨夜夫と子供たちと相談し、もう一泊することにしたのです。

朝の歩道に映った私の影

 娘は「ママに会いたいけど、ママ帰ってくるときっと私たちのお世話をしたがるから、論文終わらないと思う。もう一泊ホテルに泊まったほうが良いよ」

 息子は「ママがいなくても大丈夫だよ(この発言、実は悲しい)。もちろん、ママが帰ってきたら嬉しいけど。僕も火曜日に漢字のテストあるから、頑張る。ママも頑張って!」とのこと。

 夫も「明日、帰ってきたら、君の論文は絶対に終わらない。帰りたい気持ちは分かるけど、ホテルに閉じ込もって、書き進めることを勧めるよ」

 家族の協力は本当にありがたい。帰りたいけど、もう一日頑張ることにしました。でも、遅筆な自分は終わらせることができるかどうか、不安もいっぱい。

 セブンイレブンでは新聞も雑誌も買いませんでした。読むのは自分の文章と参考文献だけにしました。

セブンイレブンで調達した朝食。コーヒー、ヨーグルト、リンゴ。
 

2022年2月5日土曜日

切羽詰まってホテルに缶詰め

  修士論文の修正が間に合いません。提出の締め切りが2月16日、プレゼンテーションが19日。1月に提出した論文を2人の教官が査読し、なんと5ページにわたる修正を提案してきたのです。

 そのうち1人は、昨春私が助けを求めたときに、きっぱりと断った先生です。その先生が指摘してきた部分が4ページ分もあります。私の論文の分析方法に精通しているのは、私の大学院でその人だけ。で、その先生に断られ、専門分野が違う指導教官の下、孤独な研究をしてきたのです。苦労して何とか書き上げた論文に対して締め切りの数週間前に、これはないでしょう。

 切羽詰まって、昨日から大学近くのホテルに泊まって、取り組んでいます。途中、何度もダブルベッドに横になり、泣きました。辛くて。

 可愛い子供たちを夫に預けました。習い事の送迎も、食事の支度も、息子の上履き洗いも、運動着の洗濯も、学校の漢字テストに向け勉強をさせることも、塾の宿題をさせることも、全部任せました。夫は「僕も資格試験を取るときにはホテルにこもったよ。1人暮らしだったから集中できないこともなかったんだけど、物音のしないホテルが一番集中できるからね」と理解してくれました。

 時折、子どもたちが電話をくれます。あぁ、私はいったい何をやっているのだろう? と切なくなります。でも、頑張ります。でも、頑張っても報われないこともあるように思います。

 

昨夜、ホテルの部屋で食べた夕食。セブンイレブンの総菜。

先ほど、食べた夕食。再びセブンイレブンの総菜。