2021年10月21日木曜日

お弁当にキャビア?

  息子の通う公立小学校で先日、「お弁当の日」がありました。いつもは給食なのですが、年に数回お弁当を持っていく日があるのです。この日は子どもたち自身もお弁当作りにかかわるのが狙いで、4年生の息子はおかずとご飯を詰めることになっていました。

 娘は毎日お弁当を持っていきますが、息子は給食のため、この日をとても楽しみにしていました。事前にリクエストを聞くと「トリの唐揚げ!」と間髪を入れずに答えが返ってきました。それぞれの家庭でトリの唐揚げの味付けは違うと思いますが、我が家はざく切りしたもも肉を醤油、酒、みりん、砂糖、そしてすったショウガを混ぜたタレに一晩漬けて、片栗粉をまぶして揚げます。ママ友達に聞いてみると砂糖を入れずにさっぱりとした味付けで仕上げる人、スパイスを使う人もいて、トリの唐揚げ一つとっても家庭により違うことが分かります。

「お弁当箱はどうする?」と聞くと、息子は幼稚園のときに持って行った「オラフ」(ディズニー映画に登場するキャラクター)のお弁当箱ではなく、娘が使っていた大きめの「ツムツム」(ディズニーストアで販売されているぬいぐるみ)柄の赤いのを選びました。

 当日。おかずを詰める”係”の息子は、まずは唐揚げをギュウギュウ詰めにしました。卵焼きを一切れ端っこに入れ、冷凍庫に入っている茹で枝豆を入れます。ご飯は息子のリクエストで玄米ではなく白米を焚いてありました。ごま塩もふりかけもかけないシンプルなご飯がいいそうです。息子は喜んでそれを持って行きました。

息子が詰めたお弁当

 さて、帰宅後息子に感想を聞いてみると「唐揚げ、メッチャ美味しかったよ」と言ってくれました。「ママ、今日はすごいお弁当を持ってきた子がいたんだよ」と言います。時々、息子から話が出るとてもお金持ちのクラスメートのお弁当だそうです。「えっ、どんなお弁当?」と興味津々で聞いてみると…。

「おかずにキャビアとエビプライとサーモンが入っていたの。すごい豪華だから、『お母さんが作ったの?』と聞いたら、『いや、うちのシェフ』だって。すごいね、パーソナルシェフがいるんだよ」と息子。さらに続けます。

「黒い粒々のおかず、見たことがなかったから『それ、何?』って聞いたの。キャビアだって教えてもらったけど、初めて見た」と息子。

 そうでしょう、そうでしょう。ママだって、キャビアなんてここ何年も食べていません。

 それにしても、息子の友達が言うシェフの話が本当だとすると、すごい話です。もしかしたら、その子の誇張かもしれませんが、おかずの内容からお母さんの手作りではなさそうです。シェフが作ったお弁当が美味しいのかどうか、そしてクラスメートがお母さんお父さんの作ったお弁当をほおばる中その子が嬉しいのかどうか、と考えました。

 私は両親がとても不仲な家の一人っ子で育ちましたので、小学校のときの「私の家族」という課題作文では嘘の文章を書きました。書けることが何もなく、嘘を書かざるを得なかったのです。息子の話を聞いて、遠い記憶の彼方の出来事をふと思い出しました。

 このような家庭の事情が垣間見える学校のイベントについては、子どもの気持ちへの配慮も必要になり先生も対応が難しいだろうな、嘘をつかなければならない子どもいるかもしれないなーと考えさせられた日でした。

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